心電図の音が耳から聞こえる。
あれ?麻酔まだ聞いてないのか?
と思ったら、遠くから呼びかけれらている。
目を覚ますと部長先生か副部長先生より
「としさん、終わりましたよ!」
と声をかけられる。
母親から聞いた話だと、この時に
「ふぁ~い!!」
と返事をしていたらしいが、全く記憶にはない。
とりあえず手術は終わったのか、生きている。
ここはどこだ?どうもICUの模様。
時刻は午後9時くらいか?
目を開けるとICUの天井がぐにゃぐにゃ。回転している。
気持ち悪くて吐きそう、
とても目を開けていられる状態ではない。
頭がどうなっているのかわからないが、
動かすと激痛が走る為、動かさないよう努める。
尿道カテーテルが入っている。
管もいっぱいついているが、目を開けると吐きそうになり、
顔を動かずことも出来ないため、何がなんだかわからない。
酸素マスクがつけられている。口がカラカラである。
心電図もついているのであろう、
自分の呼吸に合わせてピーピー鳴っている。
何より体の左足、左尻、左脇、左肩が激痛で動かせない。
こっ、これは話に聞いていたが、
眩暈・頭痛・吐き気・体の激痛・喉の渇き等の症状が出ている
辛すぎるじゃないか!!
しかも恐ろしいことに、激痛に耐え、
ちょっと1時間くらい寝れたかなと思ったら、
5分しか時間が経っていない、これが本当につらい。
精神と時の部屋って本当にあるんですね。
朝まで頑張るぞ!!という気持ちが折れる折れる。
眩暈→ずっとしていた。目が開けれない
朝方はマシになってきていた気がする
頭痛→他の部分が痛すぎてあまり気にならず
吐き気→1回だけ嘔吐する
ナースコールを押したが間に合わず、リバース。
意識が遠のく中、ICUの看護師さんが丁寧に処理を
してくださったとかすかに記憶している
申し訳ありませんでした
体の激痛→これがかなりつらかった
10時間の手術中、ずっと同じ姿勢であったからか、
下にしていた左側が痛すぎて動けず。
ICUでも術部の右側後頭部を傷つけないため、
左側をなるべく下にする姿勢をとろうとしても
どの体勢でも激痛で動けず。
私は身長180センチで体重72キロの為、
特に太っているわけでもないがこのような症状が
出てしまった。
何度もナースコールを押し、
体勢を少しずらしてもらったり、
クッションをはさんでもらったりで
ベストポジションを探す。
喉の渇き→これも何度も訴えたが、
水分をとることが出来ないので、
水分を含んだタオル等で口をゴシゴシしてもらう
(恐らくそうだったような)
3時くらいだろうか、途中から酸素マスクが外れ、
鼻に酸素を送る機器に変更され、
少し喉の渇きがマシになる。
さらに目を閉じると、電動ドリルのようなもので
頭蓋骨を開けられる音が聞こえる。
ガガガガガガという大きな工事にも似た電動音だ。
不思議な現象だが、麻酔中に起きた出来事を体が記憶していて、
今麻酔が切れた後体内で記憶を処理している、
というこのなのだろうか。
なんにせよどうしていてもつらい状態が朝まで続く。
2度としたくない経験であった。