現在は3銘柄を保有している日本株の高配当系ETFですが……

『逡巡の果てに……【高配当ETFはこうします】』去年からNISA（去年は一般NISA、今年は高成長投資枠）で購入している日本株の高配当ETF。買ってる理由は去年の8月に書いていました。『高配当ETFをポ…

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以前、このブログで書いた通り、とりあえず今後は【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型に絞って買い増していきます。

このETFは「日経平均高配当株50指数」という指数に連動するETFですが、この指数について少し深掘りしてみようというのが今日の記事です。

「日経」と入っている通り、指数を算出しているのは日本経済新聞社です。

日経の指数情報で詳細を確認することができます。

指数情報－日経平均プロフィル日経の指数公式サイト。日経平均株価をはじめとした日本経済新聞社が算出、公表する指数に関する情報を提供いたします。

indexes.nikkei.co.jp

概要：「日経平均高配当株50指数」は日経平均構成銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される配当利回りウエート方式の株価指数です。配当利回りに流動性（売買代金）を加味して構成銘柄の指数算出上のウエートを決定します。

ということで、高配当という切り口ではあるんですが、日経平均の構成銘柄の中から選ばれるということになるので、そもそも選ばれる対象となる銘柄は絞られていて、基本的にはいわゆる大企業の中で配当利回りが高い50銘柄ということになりますね。

また、銘柄の入れ替えは年1回6月に実施、5月末時点の予想配当利回りの高い銘柄を選定ということですね。

というのが、公式な指数の説明ということになるんですが、ずいぶんと事務的な説明（まあ、公式の説明ですから紋切型となるのはやむを得ないですが）ではあるなぁという感じがします。

また、僕が買っている【1489】NF・日経高配当50の説明も非常に事務的な内容にとどまっています。

もうちょっと、どう言うんだろう……

色気があるというか、買いたくなる感じの説明は無いかなと探していたら、日興アセットマネジメントの投資信託、Tracers日経平均高配当株50インデックス（奇数月分配型）の説明が良い感じにこなれていて良いかなと。

Tracers「こんなの欲しかった」をデザインし、ルール通りに運用（トレース）するTracers（トレイサーズ）は、あらかじめ決めたルールで運用するパッシブファンドシリーズ。インデックスファンドだけでもない、個性豊かな投資信託を揃えています。

www.nikkoam.com

こちらも【1489】と同じ「日経平均高配当株50指数」に連動する投資信託（非上場）ですので、連動する指数の説明は同じものを指していると考えて良いと思います。

セールスポイント的には以下のような感じですかね。

・日経平均構成銘柄という一定の「優良企業選別フィルタリング」「赤字企業の除外」「市場流動性」などのフィルターを通したうえで「配当利回りと流動性の２つの視点」からウエートを決めた50銘柄に絞り込んでいる。

・高配当特性により、配当込みの指数では日経平均やTOPIXを上回る実績がある。（※）

・相場不調時にも相対的に下落が小さくなる傾向があり、長期投資に適している。

※　配当込み指数については、税引前の分配金を再投資したという前提で算出されているので、投資信託の実際のパフォーマンスとはまた別の話になります。

例えば日経平均に連動する投資信託（分配金を出さずファンド内で再投資するもの）とこの投資信託（基本的には【1489】も同じことになります）を比較した場合、いったん分配金として受け取る段階で課税（税率20.315％）がかかりますから、それをそのまま再投資したとしても効率は落ちますので、配当込み指数と同じ動きにはならないので注意が必要です。

っと……

ここで個人的に引っ掛かったのは「赤字企業の除外」のところです。

今まで、「日経平均高配当株50指数」はそういう基準がなく、シンプルに配当利回り上位から50銘柄を選び、流動性を加味してウェイトを決めているという認識だったんですよね。

【1489】NF日経高配当50ETFのサイトでも日経新聞社の指数情報のページでもその旨の説明が無いんですよねぇ……

色々とこの件について他に触れているところはないかなと探したら

この指数に関する「よくあるご質問について」ということで日本経済新聞社が公開している資料に答えがありました。

faq_nikkei_225_high_dividend_yield_stock_50_index_jp.pdf

『日経平均高配当株 50 指数は「日経平均構成銘柄の中から高配当利回りの 50 銘柄を選ぶ」という基本コンセプトに加えて、銘柄選びのうえでは、「直近 3 期連続最終赤字の銘柄は採用しない」、「各月末時点で見て無配予想に変更された銘柄は除外する」など、この指数の構成銘柄としてふさわしいかどうかも選定条件に加えています。』

ということで、業績は伴わないけれど見かけ上高配当となっている銘柄（のうち相当業績悪いもの）は除外されているという点は良いところですね。

どのみち配当利回りが上位50社から外れれば（赤字だけど高配当という銘柄は早晩そうなる可能性が高いとは思いますし）構成銘柄からも外れますし、それ以前に明らかにヤバい見かけだけの高配当銘柄は外れるというのは投資効率的にも良いのかなと思います。

構成銘柄は基本的にバリュー銘柄ですから、成長性に難があるのは承知の上です。

高配当ETFに関しては基本的に売らずに、死ぬまで分配金を受け取り続けることだけを想定していますので、将来的に投資額に対する分配金利回りが確保されれば良いというのがまずあり、そのうえで構成銘柄の株価上昇や配当利回りの向上により、分配金が多く受け取れれば最高よねという感じですから、基準価額の上昇（の効率）そのものは個人的にはあまり問題になりません。

国内株式が今後配当金込みで成長するというところにかけるなら、日経平均なりTOPIXなりの非上場の投資信託に投資するのが正解だと思います。

これはあくまで老後の自分年金的な意味合いで配当金（分配金）を安定的に得るための選択ということになります。

ただし、現状メインで買っていこうとしている【1489】NF・日経高配当50については信託報酬が昨今のインデックス投資信託と比して若干高め（0.308％）です。

ETFについては、法的にインカムゲイン（配当金）のみが分配金となることが決まっていますので、タコ足配当となる可能性はあり得ないというところは長期投資を前提とした場合のメリットかと思います。

ですから、資産形成期に（投資効率的にはネガティブですが）高配当の投資信託・ETFに投資するなら投資信託よりETFの方が良いのではと思っているんですが、いざ老後＝資産取崩し期に突入して、資産を取り崩しつつ自分年金的に分配金等も得ていくというスタイルに移行するのだとすれば、（資産を増やすことの重要度は下がっていますから）キャピタルゲイン部分も取り崩しつつ分配金も出る投資信託という選択肢もあるのかなぁと思っています。

（死ぬときに残すぐらいならタコ足で受け取っていくという選択はアリなんじゃね？）

（もっとも、ルール上はキャピタルゲイン部分を取崩して分配金を支払うことが可能だというだけで、実際にそういう運用になるかどうかは現時点では不明です。少なくとも当面は配当金のみから分配金を出すような運用になるのではないかなと予想しています）

以上の考え方に立つならば、Tracers日経平均高配当株50インデックス（奇数月分配型）は信託報酬0.10725％ですから、資産形成期を終えていよいよ老後に向けてのポートフォリオの組み換えをするということになれば検討に値するかもですね。

連動する指数は同じですから【1489】とパフォーマンスはそれほど変わらず、差が出るとすれば信託報酬の部分でしょうから、（キャピタルゲインに手を付けてしまうリスクはありますが）Tracersに投資したほうが効率が良くなる可能性は十分ありそうです。

ただし、Tracersの当該投資信託は2024/1に設定されて現時点での純資産総額が80億円程度と今一つ伸び悩んでいる感じ。

長期投資を前提とするなら、運用期間中に償還されるような事態は避けたいという意味では微妙に不安が残る規模でしょうかね。

これだったら、インデックスではなくアクティファンドですが、「SBI日本高配当株式（分配）ファンド（年4回決算型）」が昨年12月に設定されていて、既に純資産総額で780億円に達しているなかなかな人気ファンドになっています。

こちらも信託報酬は0.099％であり低コスト。

どのみちこういう資産の組み替えを始めるとすれば、資産取崩し期までカウントダウン状態になる10年後くらいのことですが、現状で考えればこっちの方が有力な候補かなと思います。

まあ、このあたりの投資信託を買い進めるとすれば老後の取崩し期を睨んでの話ですし、まだ資産形成期である状況だとインカムゲインのみを分配金とする（としなければならない制約のある）ETFで購入する意味もあるかと思いますので、このあたりはまあ10年後くらいに改めて検討する話かなと思います。

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日経平均高配当株50指数をほんのちょっと深掘りしてみる