箱館新選組和歌集」ってご存知でしょうか?

島田魁の所持品のひとつで、弁天台場で降伏した人たちが詠んだと思われる和歌三十二首が収められています。

一番有名なのは、巻頭の土方歳三の名とともに書かれる和歌でしょう。

 

 

これはとある講座で使用したパワーポイント画像の1枚。

この他にも土方の辞世と言われているものはいくつかありますが

霊山歴史館では、これが辞世(絶句)との見解を示しています。

でも、私はこれが辞世とは思えない。

もちろんはっきりと断言はできないものではありますけれど

特に「亡くなる前日に…」という事に違和感。

武蔵野楼で箱館軍幹部が集まっていたことは事実だと思われるし、その中に土方がいてもおかしくはない。

仮に土方がここで詠んだとするならば、誰がそれを伝えたのか?

所持者であった島田は武蔵野楼には行っていない。

大野もまた相馬と共に 「一妓院」で杯を傾けていましたが、それが軍幹部たちと同じ場所だったのか、もはっきりとはしていないですよね。

 

 

実はね、そのことは前々から思っていたことではありますが

それ以上、肯定も否定もできるものではないじゃないですか。

けど、再びちょっとこの「和歌集」に興味を持ったのが、今年6月末に放送された「ファミリーヒストリー」の鶴田真由さんの回。

ご先祖が、新選組の森常吉だったというものね。

この番組の中で、彼の辞世はこの和歌集の中に書かれたものと、紹介されていました。

 

 

 森 陳明

仰見む 常盤の山の松ひと木 はなや紅葉にあらそわぬいろ

   (箱館新選組和歌集)

 

 

番組の中ではこの句の「」は、徳川家のことを表している云々と言っていましたが、

イヤビックリマーク松平」しかも「定敬」さんでしょっプンプン

と、TVに向ってツッコミを入れておりました。

彼は「新選組隊士」というよりは、やはり「桑名藩士」の意識の方が高かったんじゃないのかな。

ま、それは余談として…

彼の辞世は桑名藩の全責任をとって切腹する前に、入牢中に詠んだといわれる和歌だと思っていたから、ちょっと「ん?」となりました。

これね 下矢印

 

うれしさよ  つくす心の  あらわれて  

         君にかわれる  死出の旅立


なかなかに  おしき命に  ありなから   

         君のためには   なにいとふべき

 

やっぱりこちらの方がしっくりくるんだよなぁ。

というのは私の感想なのですが、実は「箱館新選組和歌集」って、全文をきちんと読んだことがないことに気づいた キョロキョロ

霊山歴史館で展示してあるのはもちろん見たことはありますが、全ページ展示しているわけじゃないし、他に誰がどういう句を詠んだとされているのか、疑問でしょ?

 

なのでそれについて、ちょっと書いてみようかなと思います。

続きはまた ニコニコ

 

 

   令和2年神帰月(かみきづき)11日  汐海 珠里