久しぶりに本のお薦め。

先日読んだこれ、とても面白かったです 照れ

 

墨夷応接録  森川健司〔編訳・校註・解説〕

 

墨夷は、ぼくい、と読みます。

ペリーが2回目に艦隊を率いて来航した時

幕府は、大学頭である林復斎らを「応接掛」に任命。

横濱応接所でペリーとの会談に臨ませ、その結果日米和親条約が調印されます。

その後に箱館港の視察を行ったペリーたちは、再度応接掛と下田で交渉を行い、条約の細則いわゆる下田追加条約の調印に至ります。

たぶん「ペリー艦隊日本遠征記」を読んだことのある方たちも多いと思います。

でも、それってアメリカ側の公式文書でしょ。

その日本側の応接の記録が、「墨夷応接録キラキラ

もちろんこの記録の存在はちゃんと知られていて、専門家の方たちに研究され一般向けの本にも引用もされています。

でもね、それは一部分であり、あまり知られた史料ではなかった。

何故かっていうと、「幕末外国関係文書」にちょっと複雑な収めかたをされているのと、これまで現代語訳されたものが無かったから。

 

タイトルの「墨夷」というのは、「亜墨利加(アメリカ)」という「夷狄(外国)」の意味。

これね、淡々とした「記録」なんだけど、メッチャ面白いです。

あ~、これはこういう経緯でそうなったのか、とか

そもそもの日本人とアメリカ人との認識の違いとか

いろんな意味においての駆け引きとか。

 

初篇(日米和親条約篇)と二篇(下田追加条約篇)の現代語訳、

同原文、附録として各条約の現代語訳と原文が収録されています。

そんなに長いものではありませんし、読みやすいし、なにより通して読むとすっごく条約に対する理解度が深まります。

 

著者による、解説と結言も必読。

ひとつご紹介すると筆者が「第二のキーパーソン」としている、伊澤政義さんの事。

この方「ペリー艦隊日本遠征記」にも当然出てきますが

とびぬけて美男」であり「まったく陽気な人物」と書かれてる。

そんでもって、すごい派手なご衣装好み ニヤリ

交渉が始まる前に、大きな音をたてて扇子を畳み相手を驚かせたり…

思わずその場面を想像して、クスリと笑ってしまいません?

ご興味ありましたら、是非 音符

 

と書いたところで、あと3冊ご紹介するつもりが

長くなってしまって(?)下書きできなくなった アセアセ

 (そんなに長くないと思うんだけど、時々できなくなる)

 

なので残りは明日にね。

 

 

   令和2年坤月(こんげつ)8日  汐海 珠里