昨夜の続きです 目

150年前の本日は、慶応3年11月12日

この日越前邸を山階宮内衆が訪問し、新選組に恐怖して、朝廷が越前・尾張藩の参内延期を内定したとの風評を伝えました びっくり

 

 

同月十二日、山階宮内衆より伊藤友四郎へ内話之次第は、…(中略)

新選組より御取立に相成し近藤勇始四五輩、此度之一條は、尾越抔之持論に而此場へ相運ひたる抔、殊之外尾越をあしさまに宮家へ及議論たる由、仍之尾侯抔之事を御所に而御引立あらは、又彼輩之切迫暴論を來し可申歟との恐怖して、外諸侯之來集迄は御憚りにて…

(後略)

   (丁卯日記)

 

こ、これ アセアセ

思い出すのは、かれこれ4年近く前。

京都守護職が、容保さまから慶永(春嶽)さんになったことがありましたね 目

 (その時の記事は、こちら☆ )

 

その時、新選組の面々は「絶対反対!!」の意思表示をし

勇さんは容保さま配下であることの嘆願書を出し

また「新選組による越前侯暗殺ガーン」の噂も流れ。。。

かくしてめでたく容保さま配下が認められ、さらには慶永さんが辞職。

でもその後は、なかなか容保さまが復職なさらないイライラの中で、勇さんの新選組解散願いなどがあって、池田屋事件へとー

って、キリがなくなりそうなので止めておきますっ アセアセ

 

まぁ、そんなこんなの因縁のある越前藩でございますが汗

要するに、

大政奉還は尾張・越前の持論からなったと、勇さん達が文句を言いに来て、それに恐れをなした朝廷が、しばらく両藩の参内を出さないと内定したとの事。

 

よほど新選組が「何するかわからない」という恐怖の存在となっていたとの事ですね ショボーン

ファンとしては熱き熱き、勇さんの心を支持したいところですが アセアセ

 

 

そしてこの日、総ちゃんが勇さんの長兄の宮川音五郎さんに宛てて、お手紙を書いております 筆

このお手紙の中で、周斎先生の病気の事が書かれています ショボーン

彼の訃報がまだ届いていないのか、それとも病気であった総ちゃんには伝えてはいなかったのかー

おそらくは、後者であったんじゃないのかなぁ キョロキョロ

 

 

「総司、まだ起きていたのか?」

薄ぼんやりと灯りがついていた総司の部屋を、歳三が覗く。

「あ、お帰りなさい。今夜は調子が良いのでお礼状を書いていました」

透き通るような笑顔で、総司が顔をあげた。

「寒いぞ、無理をするな」

歳三が近寄って、総司が羽織っていた丹前の襟元を掻き合わせる。

「はい」

 

「音五郎さんにか?」

手元の書状を覗いて、歳三が尋ねた。

「見舞状のお礼と、あ、そうだ味噌漬けのお礼も書かなくちゃ」

食欲が落ちてきた総司が、贈られた味噌漬けを嬉しそうに口にしたのは、一度だけである。

あとは気持ちだけ受け取るからと、託された歳三と源三郎に食べてくれと戻された。

身体が受け付けなくなっているものではあるが、その気持ちが余程嬉しかったのだろう。

 

「局長はまだ公用ですか?」

総司の言葉に、歳三がはっと我にかえる。

「いや、今夜はもう休息所に戻った」

「そうですか。このところずっとお忙しいから、心配だなぁ」

「大丈夫だ。俺も局長も殺しても死なん!」

あはは、と総司が声を立てて笑ったと同時に、咳込む。

 

「ほら、言わんこっちゃない。さっさと寝ろ」

歳三が慌てて総司の背中をさする。

「ありがとうございます。もう少しだから書いてしまいます」

歳三が大仰にため息をつく。

「じゃ書き終えるまで俺がここにいるからな」

「緊張するじゃないですか」

「何をいまさら」

ふふふっと総司が再び筆をとった。

 

その細い背中を眺めながら、歳三は逝ってしまった仲間たちを思い出す。

『縁起でもねぇ』

小さく独り言ちて、頭を振った。

 

同じ頃、月真院では一が甲子太郎と向き合っていた。

 

 

向寒の節の御坐候えども、益御勇猛御坐ならせられ珍重の御義、南賀奉り候。

のぶれば土方、井上両氏義も道中滞りなく、当月三日帰局致候。

この段、御休意下さるべく候。

さて、その節は御尊書送り下され、ありがたく拝見致し候。

拙者義も老先生病気に付き、ぜひとも東下致す心組御坐候えども、病気故、何分心底に相叶わず候。

しかしながら、当節は日増し快方に赴き、この分にてはもはや大丈夫に相成るべく候間、はばかりながら御安意下さるべく候。

なおまた先生事、万端よろしく願い上げ奉り候。

まずはその節まで、書余は拝顔の上、万々申し述ぶく候。恐々不具。

   十一月十二日

                沖田 総司

 宮川音五郎様            

なおなお、時分柄寒気御厭い下さるべく候。

何より味噌漬下され、ありがたく存じ奉り候。

二に御一統様へも貴君よりよろしく御伝声願い上げ奉り候。

 

 

   2017年師走7日  汐海 珠里