今朝、ご飯の支度をしていて、お湯を沸かそうと薬缶に水を入れ、ガス台の一番左端の五徳の上に乗せました。
スイッチを捻り、火を点けて他の事をしていて…
『ん? お湯がなかなか沸かないなぁ』 と、ふとガス台の方を見ました。
真ん中の、何も乗せていない五徳の上に火が…
お湯が沸かないはずです。
無駄にガスを使ってしまいました…
本日、無事に(?)誕生日を迎えました(無駄に)主婦歴30年の珠里でございます
さて、気を取り直し 150年前の本日は元治元年5月16日。
新選組は大坂安治川河口で、将軍家茂様の東帰のお見送りを致しました。
勝海舟さんの日記によると、この日は雨
「九ツ半時過ぎ」ーということは、午後1時過ぎくらいでしょうか、「即刻出帆」とあります。
家茂様は、この前日に容保公を見舞うために使者を派遣しております。
「特に従来の如く依頼するの台命を伝へ、菓子の入りたる杉重をぞ下され」(七年史)
たそうです
これで容保公も、病身ながらも守護職に復帰せざるを得なくなったのでしょう。
このあとに、また病状の悪化などにもつながってゆきます。
さてさて、我が新選組の隊士たちはー
「とうとう帰ってしまわれたな…」
遠くの海を見やりながら、勇がぽつりと漏らす。
「ああ」
短く応えながら、歳三はすでに引き上げる隊士たちに目を配っていた。
副長助勤らが、割り当てられた隊士たちを率いる。
総司や新八、一の隊などは、一糸乱れぬ体勢を崩さない。
チッという小さな舌打ちに、勇は振り返った。
「武田か…」
歳三の呟く声に、勇はわざとらしくため息をつく。
「お前には、大樹様が江戸に戻られてしまわれたという感慨がないのか?」
じろりと視線を勇に向けた。
「ん…?」
たじろぐ勇に一言。
「ない!」
「… 俺がこんなにも悩んでいるというのに…」
「局の進退ことか?」
「そうだ」
「解散させろって言ったって、引き留められただけだろうが」
「ああ。その上何を考えたんだか、褒美を下さるというんだ」
「褒美?」
「そうだ。『何に対する褒美なのですか』と訊いてもあやふや。その場で『褒美を頂く理由はございません』とお断りしたが、何をお考えなのか…」
「褒美でもやっておけば、解散などと面倒な事は言いださねぇと思ったんじゃねぇか」
歳三は皮肉っぽく笑う。
「くれるというものを、もらっときゃ良かったんだ」
「歳!」
いささかむっとして勇が言葉を荒げた。
「これだけ大きくなっていけば、費用もかさむ。武器も欲しい。あって困るもんでもあるまい」
「歳、俺らは何の為に…」
「んなのわかってるって! けど勇さんだってもうわかってんだろ? 幕府に攘夷なんてやる気ねぇよ」
ふと勇の顔が曇った。
「悪りぃ。言いすぎた」
歳三が眉間の皺を深くする。
「勇さん、あんたが新選組の局長だ。俺らが選んだ局長だ。だから好きにすればいい。解散でも何でも、局長の決めた事に対しては、ガタガタ言わねぇよ」
歳三が目を細めてみつめた。
「けど、解散する直前までは『新選組』だ。その名に恥じぬよう、きちっりと士道を通さねばなんねぇ」
「歳…」
自身の言葉にちょっと照れたように、歳三が微笑んだ。
「あ~、でもなぁ、大樹様に俺らの武術をご覧にいれたかったなぁ」
その予定も、将軍の急な東帰で叶えられなかったのだ。
初めて、容保公の前での武術上覧の時を思い出す。
あん時の芹沢の顔ったら…
と思ったとたんに身震いをした。
そうだ。俺らは、奴らの重みをも背負っているんだー
この後京にて、大坂での将軍警護の働きぶりと隊内の統制管理が行き届いていたことに対して、銀百枚の褒美が下された。
また、将軍の代わりに幕府老中などの前にての武術上覧を、仰せつかることとなる。
(5月20日付け 近藤勇書簡より)
2014年水無月19日 汐海 珠里
☆ 前日の5/15付け「梧山堂雑書(聴書)」に、前日に土方からの書状や日記、鉢がね等を見るとの記載があるが、その時に土方から4両の無心をされている??
五月十五日(中略)
一 連光寺富沢忠右衛門帰宅 京都ゟ土方歳造 日野宿佐藤彦五郎方へ差送る書面 日記帳等 昨日参り候間披見致候 歳造ゟ甲鉢鉄送り来る 真面二ヶ所切掛候 底の跡之有 是も書面の趣にては 万一京都に於て打死等もなく候 歳造ゟ 只呉朝暮四両呉致候様頼来申し候 (梧山堂雑書)