「藪入り」とは住み込みの奉公人が盆・正月に田舎へ帰省することを指すそうです。


日にちでいうと、1月と7月の16日のこと。


子供が帰ってくるんでソワソワしてるお父さんの浮かれぶりがみどころです。


先代の三遊亭円楽さんの涙をためての藪入りを思い出します。



可愛いさ余って甘やかしすぎた我が子を奉公に出した夫婦。


3年経った正月、やっと里帰りを許された息子が帰ってくる。


楽しみで楽しみで、上を下への大騒ぎ。


帰ってきた息子はすっかり大人びて両親は大感激。


先にお風呂(銭湯)へ行きそのあとゆっくり、と送り出したあと、心配症のおかみさんがつい息子の紙入れ(お財布)を覗くと、思わぬ大金が入っていて…


帰ってきた亀を、いきなりポカポカ。


かみさんがなだめてわけを聞くと、このごろペストがはやるので、鼠を獲って交番に持っていくと一匹十五円の懸賞に当たったものだとわかる。


だんなが、子供が大金を持っているとよくないと預かり、今朝渡してくれたのだという。


「見ろ、てめえが余計なことを言い...


へえ、うまくやりゃあがったな。


この後ともにご主人を大切にしなよ。


やがるから、気になるんじゃねえか。
写真は南青山古民芸もりたにて入手した江戸時代の商店の「丁稚袢纏ひも」です。


これもやっぱりチュウ(=忠)のおかげだ」