エアクリーナのお掃除 【フィルタ屋のウンチク付き】 | Toshy2のバイクのある生活

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今日から家族で京都へ行きます。帰りは明日の夜です。
このチャンスにエアクリーナエレメントを洗う事にします。

エアクリーナの状態はこんなんです。約8000km走行。
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お湯の中でもみ洗いして、乾かします。
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明後日にオイル染ませて取り付け予定です。

終わり
では寂しいので、フィルタ屋のウンチクを少し。

気体の濾過ではみなさん誤解をされている事が多いと思いますが、
濾過にはいろいろな物理法則が関連します。
濾材は繊維が絡まったもので、濾過は立体的に起こっているのです。
濾材を電子顕微鏡で見ると、繊維の絡まりがよく分かりますね。
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これはセルロースと呼ばれる植物繊維から作られた濾材で、まあ、紙です。
他にも石油から作られるシンセティックと呼ぶ濾材もあります。
要は繊維で迷路を作っているのです。
ダストをたっぷり含んだ空気がこの迷路を通過するときに、
いろいろな要素でダストは濾過されて行きます。

一番わかりやすいのが、「ふるい」です。
ダストがフィルタの隙間より大きいと、引っかかって通過できません。
大きなダスト(10μmくらい)はこれで100%補足されます。
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これは軽くて微細なダストで起こる「拡散」です。
濾材の重力に吸い寄せられる様にダストは捕捉されます。
ロバート・ブラウンさんが説いているブラウン運動というやつです。
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これは「遮り」と呼ぶ濾過です。
軽くて大きめ(といっても5μmとかですが)のダストは空気に乗って流れる時に、
濾材を避けきれずに接触したときに、軽いから引っかかってしまうんです。
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そしてこれが、「慣性衝突」です。
軽く無いダストは空気が濾材を避けるためにカーブした動きについていけずに
曲がらね〜!あぁ〜! ガッシャン!! とぶつかってしまうんです。
みなさん、気をつけてね。
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これらの要素で微細なダストは99,9%以上捕捉されるのですが、
濾材にオイルを含浸させる事でダストは滑りますので、
遮りと慣性衝突は起こりにくくなります。
フィルタは効率を上げるほど空気をきれいにできますが、
圧力損失と呼ぶ空気の流れ抵抗が大きくなるので、
ほどほどの性能が求められるんですね。

ちなみにこれらは気体濾過で、液体濾過はまた違います。
それはまたの機会に。