今日のブログは、「政治資金規正法の改正」についてです。法律には、穴が残りましたが、我々ができることはまだいくつもありますというお話です。

 

昨日、改正案が国会を通過しました。マスコミでは、穴だらけの法律であると批判しています。今回の改正のきっかけは、昨年のパーティー券問題です。各議員が集めたお金を派閥に上納し、そのうちの一部を派閥からもらったのですが、その一連の流れが政治資金として収支報告されておらず、裏金として処理されていました。全ての議員がそのような処理をしたわけではなく、適正に報告していた議員もいました。

 

このパーティー券ですが、20万円までは購入した人を公表する義務がないので、不正の温床として指摘されており、また、問題が発覚した際も、秘書など会計責任者のせいにして、国会議員が責任を取らないことが問題視されました。

 

今回の法改正では、

1.議員本人に対する罰則を強化するいわゆる「連座制」導入のため収支報告書の「確認書」の作成を議員に義務づけたことと(秘書がやりました。私は知りません。という言い訳の防止のためです。)、

2.パーティー券の購入者の公開基準額を「20万円を超える」から「5万円を超える」に引き下げましたので、

二つの穴はふさいだこととなります。

 

ただ、これ以外にも、国会議員には領収書の提出が不要な「調査研究広報滞在費」が年1200万円支給されており、これについては手つかずでした。この点を維新が問題視していました。

 

もう一つの穴が政党から議員個人に寄付される「政策活動費」です。これは、意図的に作られた穴なのですが、政治資金規正法は政治家個人への寄付を原則禁止しているのですが、政党が議員個人に対して寄付することは認められています。

 

これの何が問題なのかというと、各議員の政治資金管理団体は政治資金収支報告書の作成・報告義務があるのですが、政治家個人には寄付の使い道や金額について、収支報告書を作成・報告する義務がないのです。不思議なのですが、ここがブラックボックスと化しています。

 

この点については、今回の法改正では、10年後に領収書などを公開するように義務付けることとなり、事実上、穴は開いたままとなりました。

 

また、この改正も、法律の条文を読んでみると、「この法律は、令和七年一月一日から施行する。」となってい入るのですが、附則第二条に「この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開催された政治資金パーティーの対価の支払については、なお従前の例による。」と書いてあって、2024年内に開催される政治資金パーティーについてはこれまで通りなのです。世論の反応を見ながら、皆さんがこの問題から関心を失った頃を見計らって、またパーティーが盛んに開かれることでしょう。

 

では、我々は何もできないか?実は、できることがいくつもあるんですね。

 

今回の法改正は法律がこうなったという話なので、議員が自主的に法律改正を上回るクリーンな対応をすることは自由です。議員が政党からの寄付を断り、政治資金管理団体で寄付を受けることにすればよいのです。もし、個人で寄付を受けるなら、全ての領収書を自主的に公開することも可能ですし、この法律が国会に通った日から、パーティー券についても、5万円以上は公開することを前提にお金を集めればよいのです。

 

新聞社や弁護士会などの団体が全ての立候補予定者にこの点を質問し、回答を公開すればよいのではないでしょうか。結果は、選挙の当落に大きく影響すると思われます。総選挙が終わると、しばらくは政治資金改正の動きは止まるでしょうから、今が最後のチャンスです。

 

それとも、国民の皆さんは、いつものように芸能人の不倫ネタなどの問題が大きく報道され、それが気になって政治資金問題から気をそらしていくのでしょうか。目くらましに引っかからないようにいたしましょうね。