今日のブログは、昨日の「福岡市内で輸出をしている地場の優良企業を発見しました。」というお話の補足になります。

 

海外で現地生産しませんかと地場企業に声をかけた際に地場企業が躊躇する理由の一つが、「自社に海外に派遣する人材がいない」ということです。プラントの設置から試運転、そして現地の企業の要望に合わせたオーダーメイドの製品を作ためにも、現地の人への教育のためにも、日本の技術者が少なくとも1年以上現地に滞在しないといけないのではないかとみんな考えます。しかも1人ではなく2人3人と複数の人間を送り込まないとならないと私も思っていました。

 

例えば醤油メーカーで考えると、小売店であるスーパーの独自商品の開発要求に応じて味を変えていくということを現地でもやらなければならないので、その場合には確かに日本人がいないと臨機応変に対応がしにくいです。

 

しかし最近少し状況が変わってきてる点があります。例えば柿の種のようなおかきの製造ですが、機械に原料入れてしまえば完全に自動化されて柿の種が大量に生産されてきます。このような商品であれば現地の人に2~3ヶ月かけて製造とメンテナンスの仕方を教えてしまえば、日本人は長期間、現地に滞在する必要がありません。

 

日本と同じ機械を現地に納入するのであれば、現地の人を日本に呼んで機械の使い方を教えるというやり方もあるでしょう。また現地の人が製造にある程度慣れてくれば、現地の小売店の要望応じて商品の内容を変える時にも、Zoom というオンライン 会議の仕組みを使って日本の研究員と打ち合わせをすることが可能になりました。

 

昨日、地場の輸出企業に行った時に、現地に長く滞在してこのヨーロッパでの日本食材工業団地を作ろうというプロジェクトの責任者と同行したのですが、その際に、日本人の現地滞在期間は意外と短いという説明を聞いたのです。

 

これから私だけで説明して回る時には、このことを日本企業の社長さんに伝えて、海外生産のハードルを一つ下げないといけないなと思いました。

 

また企業によっては、アメリカに先に行くのかEUに行くのか迷われるところもあると思います。日本から見ると、どっちも遠いように見えますが、太平洋と大西洋はかなり大きさが違うので、ヨーロッパとアメリカの間は1週間程度で輸出できます。そこで、ヨーロッパで製造し、そこからアメリカに輸出をするということも考えられます

 

それと、このEUで日本食の食材工業団地を作る構想は、全く何も進んでいないわけではありません。すでに冷凍餃子の工場は稼働を開始していて、毎月数百トン作っています。引き合いも増えています。これに加えて、現在、ラーメン用の生麺の工場が建設中です。これも大きな可能性があります。

 

これが動き始めれば次はどの食材にするのか。醤油は設備投資の金額が大きいだけになかなか現地生産する企業が見つからないのですが、醤油、お酢、パン粉ウエスタソース等何か次のネタを見つけていかねばなりません。その一つが、「おかき」となります

 

すでに冷凍餃子が毎月100トン以上生産されヨーロッパ中のラーメン屋さんや大手のスーパーに出荷されているということは、このプロジェクトは少なくともラーメン屋さん、和食のレストラン、大規模なスーパーにも営業ルートを持っていることになります。そこで、このルートを使って他の日本食材も売り込めないかということで考えられのが、このEUでの現地生産プロジェクトなのです。

 

私はこのルートを使って八女茶の緑茶の粉末をヨーロッパに展開できないかなと思って、奥八女緑茶抹をヨーロッパのお茶の営業をやってる現地の方に、この緑茶抹を飲んでみてもらうことにしました。すでにヨーロッパでは業務用の緑茶や緑茶も存在しています。私が愛飲しているこの奥八女緑茶抹がどのように評価されるのか大変楽しみです。

 

以上、補足でした。