今日のブログは、外国人観光客による地元の個人経営の飲食店の利用をどのように増やすかについてです。それも、これまで利用している日本人のなじみのお客さんと調和する形で増やしていく方法はないのかを研究しております。

 

昨日、福岡市内の富裕層が良く泊まるホテルの幹部であるAさんと、日本に長く滞在する欧米人の方であるBさんのお二人と、「どうやったら福岡市に来る外国人観光客の消費、特に地元の製品や地元資本の飲食店の利用を増やすことができるか」について、意見交換しましたので、その結果をメモします。

 

まず欧米人のBさんが発言されまして、「福岡市はすでに外人ばかりでオーバーツーリズムです。地元にお金が落ちないまま、これ以上人数を増やすのは反対です。自分は屋台が好きだし、福岡市の文化を体験する良い場所だと思うけど、これだけ韓国人であふれていて、待ち時間も長いと、もう行きたくなくなります。木下さんも考えて下さい。海外に旅行に行って、日本人ばかりだと、旅が楽しいですか?」と言われました。

 

日本人や韓国人と、欧米の方の間隔が違うのかもしれませんが、日本人で旅慣れていない人は、海外で日本人が沢山いると安心するのではないかと、木下は感じました。天神周辺の屋台など、ここは韓国かと思うくらい、韓国の方ばかり。屋台は地元資本の飲食店なので、利用されるのはありがたいですが。

 

全国チェーンのホテルで働くAさんは、横浜の中華街の状況をお話なりました。中華街のレストランは、今では、外国人の方が来ると、昼も夜もコースの注文しか受け付けないとのこと。理由は、これまで肉まん一個だけ注文して、写真撮ってだらだら過ごすというような外国人観光客が増えてしまったので、店側がその対策としてコースのみということを打ち出したのだそうです。中華街だけでなく、お好み屋さんでも6人で来て、お好み焼きを1枚だけ注文して、写真をって帰っていくというような事例もあったとか。

 

福岡市内でそのような状況があるのかないのかは私にはわかりませんが、高級な和食のお店でも、韓国人のインフルエンサーが紹介したところは韓国のお客さんが増えているとのことです。

 

新天町のある寿司屋さんは、韓国人観光客の行列ができるので、日本人の常連客はもう行かなくなったという話も聞きました。もし円安が円高に振れると、または韓国の大統領が保身のために日本に対して強い態度の外交に転じると、韓国人観光客は蒸発しますので、その時はどうなるのかなと思いました。

 

AさんもBさんも指摘したのは、富裕層の方が夜に過ごす場所が少ないねということでした。私は、「忍者ショーのようなショーを見せる場所ですか」と聞いたところ、「それもあればあったで良いけれど、それよりも夜10時か11時まで空いているロードサイドの素敵なカフェがない」とのことでした。食事の後で、ゆっくりお話しする場所ですね。パリのカフェのようなものでしょうか。薬院大通の近くにある三菱自動車の販売店の一階のカフェのような店がもっと町中にあると良いですねとのことでした。これは意外な指摘でした。

 

私とAさんBさんが食事しながらお話した飲食店は、あご出汁のとても美味しいお店ですが、天神からは少し離れていることと、積極的に外国人を呼び込んでいないので、韓国の方もほとんど来ません。料理は私が言うのもなんですが、抜群に美味しいです。

 

欧米の富裕層の方にホテルのコンシェルジュさんからこのお店を紹介することは可能ですかと聞いたところ、AさんもBさんも、とても良い店だとの評価をいただきました。問題は、このお店のメニューと、どのように素晴らしいかを説明した写真入りの英語のメニューの作成です。

 

このお店は、出汁に徹底したこだわりがあり、焼きあご(トビウオのことです)もサイズが18センチ前後の最もおいしい出汁が出るサイズにそろえたものしか仕入れていません。焼あごはサイズにより味が違うのだそうで、そのことは何度もこの店に通っている私も全く知りませんでした。また、あごだけでなく、塩にもこだわりがあり、1キロ5000円の最高級の自然塩をある場所から取り寄せているとのこと。こんな高価な塩を使っていることも昨日まで全く知りませんでした。

 

また欧米人のBさんに言わせると、なべ料理の食べ方などを説明する資料か動画が必要とのこと。自分のお箸をみんなで共用するお鍋に突っ込んでよいのか、どうかもとても迷うのだそうです。

 

まずは、きちんと取材して日本語で資料をつくり、それをどのように英語化するのか。そのための費用はいくらかかり、補助金など使えるものがあるのか。今後、調べていきます。

 

なお、私は、高級ホテルに泊まる人は、コンシェルジュに相談する人が多いのかと思っていましたが、Aさんによると最近は自分でネットで調べて夕食を選ぶ人も多いとのこと。そうなると、Table check というサイトを利用する人が多いので、そこに情報をアップすることも考えないといけないですね。

 

お二人からは、ハラル対応やビーガン対応ができると良いですねと言われました。グループで来る人の中に、ビーガン対応が必要な人がいる場合があるのです。あご出汁は魚由来なので、ビーガンの人はダメなのですが、このお店のマスターはとても腕の立つ料理人さんですから、あご出汁にこだわらずにビーガン対応の料理が出せないか検討する必要があります。

 

コツコツとした活動ですが、私は、こんな地元の良い飲食店を守るためにも、外国の富裕層をこれらのお店に回すボランティア活動をしております。