今日のブログは、福岡市役所の予算で随所に出てくる「成長の果実を市民に配分する」ということを数字で確認してみたらどうなるかというお話です。

 

税収は年度が終わってからすぐに数字が出るものではありませんので、2022度の決算までの数字で表を作ってみると以下の通りとなります。一人当たり月に約400円の増加です。この数字、多いのか少ないのかは、判断に迷います。

 

なお、簡単な表に見えますが、作成には何時間もかかりました。でも、作成すると、色々と見えてきます。

 

資料:木下が福岡市役所の決算資料に基づき作成。

人口は、その年度の9月30日の登録人口で、外国人も含む。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/13385/1/1952-2021touroku.xlsx?20221108154024

 

2020年から2022年までは、サービス産業の多い福岡市経済は、コロナにより大打撃を受けた時期ですので、なかなか比較は難しいのですが、福岡市役所の税収が増えたのは、固定資産税等の土地・建物に関する税金収入の増加によるもので、市民税は人口が増えたにもかかわらず横ばいです。住民一人当たりの市民税額の推移をみると、このことがよくわかります。成長の果実と言いますが、税収の増加は不動産の高騰のおかげというだけです。

 

2022年度は、確かに市税総額の税収が増えているのですが、一人当たりでみると年間5000円。一か月で考えると、約400円。大盤振る舞いするほど税収が増えているとは言えないですね。支援が必要な高齢者の数はじりじりと増えていますし。

 

また、固定資産税が増えているということは、市民の負担増加です。土地が売却できない地場企業にとってはありがたい話ではありません。

 

こういったことを考えると、喜ぶべき税収の増加は、固定資産税の増加ではなく、市民税、特に所得が増えたことにより増加する所得割の増加ではないでしょうか。

 

支店経済がさらに進むと、東京資本の植民地経済になります。ビルや土地すら地元資本の所有でなくなっていきます。地元に落ちるのは人件費と固定資産税が主になりますので、もうけは薄いです。地場企業に頑張ってもらわないといけませんね~