今日のブログは「インバウンド収入を増やすための自分の頭の整理メモ 」に対する根本的な疑問についてです。本当に市民が望んでいることなのかと。

 

前回のブログでは、「1.入国者数を増やす対策 ※ ここでは、福岡空港からの入国者数を増やすことを中心に考える。」と書きましたが、ある方から「入国は他の空港に任せて、福岡空港から出国する人を増やす作戦もあるのではないか」というアドバイスをいただきました。これは、福岡市役所が打ち出しいていたゴールデンルート(東京に入国して京都を回り関空から出国する。これにプラスして姫路城や広島(宮島と原爆ドーム)を回るルート)を、更に福岡市まで伸ばそうという作戦と似ていますね。

 

私から、「では欧米人に対して福岡までおいでと言えるものが福岡にありますかね?」と質問したところ、「日本最大の怨霊鎮めの神社である大宰府天満宮しかない」とのことでした。特に、ドイツ人に受けるとのこと。ドイツ人は森を散策することが好きで、精霊のようなものに興味と理解があるらしいです。アニメの「呪術廻戦」も影響しているのでしょうか?

 

私はドイツ人の友人がいませんので、この点は何とも言えませんが、国ごとに調べないといけないなと改めて思いました。太宰府天満宮を学問の神様で売るよりも、日本三大怨霊(菅原道真、平将門、崇徳天皇)で売り出した方が可能性あるというのは、目から鱗が落ちるお話でした。

 

どちらにしても、出国する前に一晩、止まっていただき、夜の食事かショーを楽しむというのはありですね。私も、農林水産省に努めているときに、スイスに出張した際に、パリから帰国したのですが、出国前日の夜はパリで先輩からムーランルージュでショーを見て、フランス料理を楽しんだことを思い出します。

 

このようなことを書いていたのですが、その後、ある読書人と先ほどまで晩御飯を食べている席で、その方から、外国人観光客をこれ以上増やすことに対する根本的な質問を受けました。市民は、高島市長が進めてきたクルーズ船やLCCなどによるインバウンド増加について「こんなはずではなかった」と思っているのではないかと。

 

「天神の歩道は、韓国の人が大手を振って歩き回り、天神の地下道はまっすぐには歩けないほど混んでいる。地下鉄には、大きなトランクを抱えて多くの外国人が乗り込んできて、大混雑だ。次の列車を待たないといけないことも多い。外国人の増加を当て込んで、県外資本が次から次にホテルを建てるが、もうこれ以上儲からなくてもよいから、地元の人が中心の暮らしをしたいと思っている人が多いのではないか。」とのことでした。

 

これはうなずけます。世界的に大問題になっており、日本でも京都などで深刻化している観光公害問題、オーバーツーリズム問題です。スペインのバルセロナ市では、観光規制への賛成・反対が市を二分し、観光客を強力に規制していた市長が選挙に敗れ、観光推進派の新市長が誕生したそうです。

 

どこまで市民の落ち着いた暮らしを守るのかは、真剣に考えないといけない段階に来ています。

 

私は、九州の人口は減少が続くので、海外から一定の数の富裕層を入れていく必要があると考えており、消費金額の高い人を対象としたビジネスに切り替えていくべきとは思いますが、その道は容易ではありません。一つのヒントは以下の事例かもしれません。

 

私が贔屓にしている料理屋さんで、個人経営の店の何軒かは、韓国人観光客の皆さん大量に来るのを嫌がります。日本人の個人客が利用しにくくなり離れてしまうことと、韓国の人は、外交問題が発生するとぱったりと来なくなることがあるからです。

 

しかし、外国人全てお断りというわけではなく、ある程度のランクのホテルに泊まるそれ以外の国々の方なら、コンシェルジェを通じて斡旋してもらいたいとの希望を持っておられます。これだお互いに良いかもしれないと思いましたが、お店側にも改善が必要です。

 

これらのお店は、味や価格はコスパが良すぎるぐらいなのですが、外国人向けのメニューなどを充実させる必要がある感じはします。スマホでグーグル翻訳があるから大丈夫という人もいますが、そもそも「このウチワエビは平戸の最南端の〇〇でとれた・・・」とか「このトビウオの出汁は五島列島の○○で取れた・・・」とか、「唐津の〇〇島の赤黒ウニは、6月では日本で最もおいしいウニとして有名で・・・」というような日本語の説明がないと、翻訳のしようがありません。何が良いかをきちんと説明しないと、それなりの料金を取れないのではないかと思います。

 

私の友人のホテル関係者に、コンシェルジェが紹介する店をどのように選んでいるのかを聴いてみたいと思います。

 

当面、福岡空港の二本目の滑走路ができても、着陸回数が1.3倍程度にしかならなくて、良かったのかもしれません。地元住民と、観光産業で儲かる人々の調和を図らないといけないですね。そのためには、観光産業でもっと地元が儲かるようにしないとバルセロナ市のようになりかねませんね。今日は、鋭い指摘を受けてよい一日となりました。