今回は、コロナの影響でコンテナの輸送費が上昇

しているというお話です。果たして、これが国産に

プラスに働くと良いのですが。

 

 

五日前のロイターで、「世界のコンテナ船運賃が

急騰、コロナ禍の巣ごもり消費や物流混乱で」

という見出しの記事が配信されました。

 

内容は、「世界のコンテナ船運賃が過去最高値に

急騰」しており、「中国発米西海岸行きの運賃は

3878ドルと、7月1日以降50%近く上昇」

しているとのことです。

 

高騰した理由ですが、ロックダウンしている都市は

お店の在庫を増やす必要があり、貿易量そのものが

10~20%増えていることが一つです。

 

ただ、ロックダウンが解除されるとか、有効な

ワクチンが開発・普及されたりすると、発注が急に

キャンセルされることもあるので、いつまで続く

かは不透明なところがあります。

 

私も、少し前に聞いていまして、「風が吹けば桶屋が

儲かる」のたとえではないですが、経済はつながって

いることを実感しました。

 

先日、大牟田に講演に行った際に、地元で古着を

輸出している会社の方とお話をしました。その方も、

船便の運賃が上昇していることと、空のコンテナが

ない状態で、先行きを心配しておられました。

 

船便運賃上昇は、主にコンテナ船の話ですが、今後、

国産品と競合する輸入品の価格にどの程度影響

するのか注目したいと思います。

 

家具などを中国から輸入していますが、国内産の

ものが輸入品に対して少しでも価格競争力を持つと

良いなと思います。

 

博多港の輸入品の中で、中国からの家具が占める

割合は大きいので、それが減ることは、福岡の輸送

業者にとって売上の減少につながります。しかし、

大川の国産家具の売り上げが増えることが福岡県

全体にとっては良いこととです。

 

船賃の価格が上昇している理由はもう一つあります。

それは、飛行機を利用して運んでいた航空貨物の分が、

船便に回ってきたことです。こちらの影響は長続き

すると思います。

 

飛行機がコロナ前と比べると殆ど飛ばないので、

旅客便に搭載していた航空貨物が運べません。

 

貨物専用機は引き続き飛んでいますが、旅客機に

積んでいた航空貨物は、しばらくは国際線が復活

しないでしょうから、船便を利用せざるをえません。

 

※ 古い飛行機のイスを外す改造などが短期に

認められるなら、状況は変わるかもしれませんが。

 

【追記】

ネットで検索していましたら、大韓航空がイスを

取り払って貨物スペースに改造した飛行機を

就航させているとの記事がありました。

サイトはこちら。

 

 

 

それで、航空貨物の運賃も上昇しています。

(株)航空経営研究所が8月に4~6月期の航空

貨物の状況を発表しています

 

それによりますと、日本郵船の子会社の日本貨物航空

(B747型貨物機8機)は、「前年4-6月期対比

+7%の便数で、1.63倍の収入(288億円)」で、

赤字から黒字に転換し、「経常利益93億円を計上

(利益率は32%)」したとのことです。

 

また、「ANAの貨物量は半減したが、単価UPで

前年を小幅下回る貨物収入258億円を確保。JALは

貨物量▲4割ながら単価倍増で206億円の売り上げ

となり、前年を2割超上回る収入を稼いだ。」

とのことです。

 

旅客運賃が厳しい中で、有難い収入ですね。

 

果たして、この航空貨物、コンテナの価格上昇が、

福岡や九州の景気にどう影響するのか、引き続き

注視していきたいと思います。