今回は、どうしたらコンサートは再開できるか?

というお話です。

 

福岡市内の文化活動にも非常に熱心なA社長から

教えてもらったことがヒントになって、自分なりに

詳しく調くべてみました。

 

すると、大阪でクラスターとして問題となった

「ライブハウス」と違い、劇場は換気システムが

非常にしっかりしているので、客が大声を出さない

ような内容のものであれば、営業再開しても

大きな問題はないと思いました。

 

劇場は、ライブハウスとごちゃ混ぜにされて、

濡れ衣を着せられている印象すら受けます。

 

福岡県の場合、知事から「劇場等」については、

施設の使用停止の協力が要請されています。

劇場等とは、「劇場、観覧場、映画館又は演芸場」

です。ドームも含まれます。

 

一方、ライブハウスは、全てではありませんが、

「劇場等」ではなく「遊興施設」に分類されています。

興行法ではなく、風俗営業法の対象となり、興行法

による換気設備の義務付けがないのです。

 

風俗営業法を所管する警察庁も、興行法を所管する

厚生労働省も戦前は同じ内務省です。霞が関的に

考えると、風俗営業分野を所管する警察部局が、

ナイトクラブなどの経営を守るために、衛生部局の

指導から除外するようにしたと推測されます。

 

ライブハウスに入ると、ワンドリンク必要なのは、

飲食店として営業し、興行法の規制を逃れるための

脱法行為でしょう。だから、ライブハウスは、換気

設備が貧弱なのですね。この部分の強化をしないの

であれば、営業再開を認めるべきではありません。

 

コンサートが行われる劇場は「興行場法」により

開設が都道府県知事の許可を受けることになって

います(福岡市の場合は福岡市長)。

 

この法律、制定が昭和23年です。当時はまだ結核

などに罹る人も多く、そのために換気設備の基準が

定められているのです。具体的な基準はそれぞれの

地方自治体の条例で定めることになっています。

 

では、福岡市の場合はどうか。

福岡市興行場法施行条例では、第5条で構造設備

に関し以下の基準を定めています。

 

「換気設備 入場者定員1人当たり毎時20㎥

以上の清浄な外気を供給することができ,(以下略)」

と定められています。この条件を守って劇場を建設

すると、換気設備の整備にかなりのお金がかかる

そうです。

 

コンサートなどで音楽を鑑賞するのは大都市なら

ではの魅力です。人口密度が低いと、頻繁に開催

することもできません。大都市でのコンサートの

再開を準備していかないといけないのですが、

では、どのように考えるか。

 

劇場には強力な換気設備がありますので、三密の

うちの「密室」とは言えないと思います。確かに

人との距離は違いですが、クラシックのコンサート

などは、話声どころか、咳をすることすら憚られます。

 

このように見ていくと、以下のようなスタイルで

あれば、試験的にコンサートを開催しても良いので

はないかと思います。

 

・対象はクラシックなど静かに聞くものに限定

・65歳若しくは70歳以上の人はご遠慮いただく

・入口で体温を測定。37度以上はご遠慮いただく

・マスク着用

・飛行機の搭乗のように入退場を密にならぬよう

に工夫する

・休憩時間を挟まないでよいくらいの時間で行う

・客席は全席指定席とし、氏名と連絡先も登録して

もらい、万一の際に辿れるようにしておく。

・入口で身分証明書とチケットを照合。

 

迷うのは、座席数を少なくするかどうかです。

一列おきにするとか、席を空けて座るとかする方法

もあるのですが、ただでさえ経営が成り立ちにくい

クラシックのコンサートの料金が上がります。

コンサートを再開したとしても、経済的な理由で

継続が難しくなるのです。

 

K-popのファンに、「料金が今の三倍になっても

コンサートに行くか?」と聞いたところ二つ返事で

「行きます!」と言われました。

果たして他の分野ではどうなのでしょうか。

 

席をどのくらい空けるのか、これが一番、判断が

難しい点ですが、コンサートが再開されたら、多く

の人が喜ぶでしょうし、勇気づけられるでしょうね。

小川知事にお願いしてみる価値はあります。

 

5月14日の休業要請緩和の際には、コンサートも

条件付きでの緩和を是非ともお願いしたいものです。