今回は、「業務フロー作成研修」のお話です。

 

まず、業務フロー図(フローチャートととも言います)

について簡単に説明をいたします。以下のような図で、

複数の人(部門)にまたがる一つの業務について、

仕事の内容とそれぞれの関係を図にして表現したものです。

 

※ エクセルやワードを使って図を書くことができます。

専用のソフトもあります。

 

この業務フロー図を作成することがシニアの仕事

になるかもしれないと思ったのは、社労士の安部さ

んとの会話がヒントでした。「社内でシステムを

導入しようとしても、地場企業では業務フロー図が

ないことが多いので、それを書くことから始まる」と。

 

※ いまはやりのRPA(ロボット・プロセス・

オートメーション)を導入しようとするときも、

同様の問題が生じます。

 

私は東京にいたとき、某IT企業の取締役をしてい

たことがあって、その時に独習してITパスポート

などの資格を取得していたこともあり、見よう見ま

ねで業務フロー図を書くことはできました。

 

しかし、

シニアの仕事として広く普及さえていくためには、

標準的な書き方を身に着けないといけませんし、

自分の知らないことがたくさんあるはずだと思い、

研修会社の研修を受講してみることにしたのです。

 

私も含めて4人の受講生に講師が一人というとても

濃密な環境で勉強することができました。質問も

随時できましたし、受講生がそれぞれの会社で抱え

ている課題も講師に相談する形で講義が進められ

たので、非常に実践的なものとなりました。

 

最初は簡単な自己紹介から始まりました。私以外の

3人のうち2人は、同じ会社から派遣されている人

でした。もう一人は、会社で実際に業務フォロー図

を書いているベテランの女性でした。

 

私は、自己紹介の際に、「福岡市はシニアが激増す

るけれど、仕事がないのです。仕事の一つとして

業務フローを書くことがあるのではないかと思っ

ています。」と言いました。それもあって、研修の

最後に、このベテランの女性がとても嬉しいことを

言ってくれました。

 

「シニアの男性、特に総務系の経験豊富な人が、

私たち実務をやっている女性の仕事の内容を

じっくり聞いてくれてシステムを作ってくれたら

とても助かります。

 

男性だけで作ったシステムは、細かいところが使い

にくいものが多くて、結局使われないことも多いん

です。

 

私たちの仕事の悩みまで聞いてくれたら有難いし、

シニアの方なら会社の幹部に、業務の改善点も

伝えてもらえるかもしれないです。

そうなったら最高です。」

と言ってくれたのです。

 

この女性の会社では、基幹システムが導入されたの

ですが、細かいところが使いにくく、自分たちで、

エクセルを使って別の仕組みを作り、それを基幹

システムと連動させているのだそうです。

 

私も過去に、そのような話は何度も耳にしましたが、

このようなエンジニアだけのシステム作りの弱点を

補いより良いものを作り上げるためにシニアが

使えると思いました。

 

シニアは、経験豊富なので初対面の人でも、その人

の本音を聞き出す能力があるかもしれませんし、

業務の細かい点を聞き出すコミュニケーション

能力は、理系のシステムエンジニアよりもあると

思います。

 

※ IT企業も文系の学生を採用し、プログラミング

技術を教える採用します。某大手企業のSEは4割

が文系学部の出身とのこと。

 

このベテランの女性はさらにヒントをくれました。

 

「エクセルでフローを書く仕事は、それが得意な

若手に書かせればいいのですよ。なにもシニアが

書く必要はないのではないですか。

 

シニアの男性が私たちからしっかり仕事の内容を

聞き出して、それを若手が図にすればどうですか。」

 

嗚呼! 私の目からうろこが落ちる言葉でした。

 

仕事をさらに切り分けていくのです。

シニアは聞き出すことだけに特化すればよいのか。

 

若手と二人一組にはなりますが、そうなると

若手にシニアの経験を伝えることもOJTでできます。

 

この一言だけ3万5千円の研修費用の何百倍もの

価値がありました。