今回も、欧米人を福岡・九州に呼ぶ有力な方策であ

るアドベンチャーツーリズム(AT)についてです。

 

Aさんの指摘でもう一つ重要なことは、京都の伏見

稲荷や清水のように異常なほどに外国人観光客で

ごった返しの状況にならないように、需要をコント

ロールする仕組みを導入することです。

 

京都の西芳寺は完全予約制ですし、桂離宮に至って

は抽選で当たることも必要です。最近の新聞報道で

ようやく九州にもその事例が登場しそうです。それ

が、宮崎県の高千穂峡の貸しボートの完全予約制導

入です。

 

116日付の西日本新聞の記事ですが、「宮崎県の

高千穂町観光協会は3月から、観光名所である高千

穂峡の貸しボート(定員3人、30分)について、

1艇当たりの基本料金を2千円から4千円に値上げ

し、完全予約制を導入することを明らかにした。

 

客が詰め掛けて最大9時間半の待ち時間が生じる

こともあり、周辺の交通混雑を招くなどオーバー

ツーリズム(観光公害)が問題となっていた。

 

貸しボートは、年間14万人以上が利用する人気

スポット。協会によると、これまでは当日受け付け

のみで、基本料金に3人分の賃料が含まれていた。

改定後は、2人目から大人千円、未就学児500円が

加算され、大人が3人乗ると計6千円になる。」

とのことです。

 

今は、スマホがあるので、事前に予約しておけばこ

のような事態は早く解消したものと思われます。

私も二年前に高千穂に行きましたが、中国人や韓国

人観光客などでものすごく混んでいて、落ち着いて

散策するなんていう雰囲気はありませんでした。

 

ボートは一回30分間の時間制限があったと思いま

すが、ITを使えば、時間課金制にもできますので、

工夫はいくらでもできます。

 

また、町内に宿泊する観光客への優先枠も設定する

方針とのことで、これも遅きに失した感はあります

が、良い先例となると思います。

※ 高千穂町観光協会のサイトはこちら。

町内12のホテル旅館に宿泊することが条件となっ

ています。

 

日帰り観光客が増えても、地元に落ちるお金は知れ

ています。宿泊客を増やすことが重要です。宿泊し

ないとボートにも乗れないくらいで良いと思いま

す。高千穂の夜神楽も宿泊客優先にしたらよいと思

います。

 

次に、ATの日本での事例ですが、ATというには

地元との触れ合いが弱いのですが、有名なところで

は、北海道ニセコの株式会社NACが提供する各種

ツアーでしょう。

 

ニセコを気に行った外人さんが作った会社ですが、

様々な屋外スポーツを楽しむためのツアーを実施

しています。ニセコが外国人に知られるようになっ

た原動力である会社でもあります。

 

私も17年前に北海道でラフティングツアーに参加

しましたが、非常に面白かったです。ただ、地元の

人との触れ合いや郷土料理を食べるということは

ありませんでした。

 

もう一つは、有名な飛騨白川郷ではなくその近くで

はありますがあまり有名ではない飛騨古川という

ところにあるSATOYAMA EXPERIENCE 社

が提供するサイクリングです。

 

本にもなった有名な事例ですのでご存知の方も

多いと思いますが、半日かけて自転車に乗って飛騨

古川の町をめぐるというツアーです。料金は8100円。

ツアーの簡単な説明はこちらのサイトをご

覧ください。

 

この飛騨古川の事例も、起業した経営者は海外経験

が豊富な人でしたので、英語の問題はなく、ニセコ

は確かオーストラリア人だったと思うので、もちろ

ん英語の問題はありません。

 

若者よりも我々シニア世代の方が自然の中で様々

な遊びを体験しているので、その点経験豊富ですし、

郷土料理についても若者よりは詳しいです。海外駐

在の経験のあるシニアなら英語も堪能です。体力さ

えあれば、ATのツアーガイドにはもってこいの人

材だと思うのですが。

 

そうそう、お話を伺ったAさん、「(ATなら大規模

な設備投資はいらないから)今からでも東京オリン

ピックに来た外国人観光客を呼ぼうと思ったら、間

に合うよ」とのことでした。

 

Aさんご自身も、何かお考えのようでした。

オリンピックに来るマリンスポーツが好きな外人さんは、

糸島や唐津、九十九島や天草の海は、きっと気に

入ってくれると思います。