今回も、欧米人を福岡・九州に呼び寄せるにはどう

したらよいかということについてです。

 

このお話は、世界を旅し、福岡在住が数十年のAさん

から伺ったことで、一つの方法はアドベンチャー・

ツアーズ(以下、ATと略します)です。今回は

ATを推進するために必要な日本側の体制整備な

どについて書きます。

 

ATを九州で実行していくためには、まずツアーの

コースを決め、どこで地元の人と触れ合ったり地元

の料理を楽しんだりするかという設計が必要とな

ります。もう一つ欠かせないのは

「ランドオペレーターです。」とAさんはいいます。

 

日本では一般には使われない言葉ですが、JTB総

合研究所の解説によると「ランドオペレーターとは、

旅行会社の依頼を受け、旅行先のホテルやレストラン、

ガイドやバス・鉄道などの手配・予約を専門に行う

会社のこと」とのことです。確かに九州でATを専門

にする旅行会社の存在は聞いたことがありません。

 

ただ、Aさんの言葉の使い方は、それだけでなく、

ツアーに同行して様々な案内や手配をする人とい

う意味にも使われていたようです(Aさんの日本語

能力と私の英語力の問題があり、間違っているかも

しれません)。

 

確かに、私もカンボジアでATを経験したことがあ

りますが、日本語の堪能なガイドさんがついたので、

とても楽しめました(詳しくは次回に)。

 

Aさんによると、国家資格の「通訳案内士」では、

ATのツアーを案内するために必要な力が足りな

いとのこと。何がどう足りないのかについては時間

切れのため、Aさんから具体的に話を聞くことがで

きませんでした。例えば山岳ガイドさんに英語力が

必要というイメージでしょうか。

 

Aさんが言うには、英語がペラペラである必要はな

いし、歴史も事細かに説明する必要もないけれど、

それ以外の能力が必要とのことでした。

 

AさんもATができる人材の育成を考えていると

のことでしたので、どんなカリキュラムなのか教え

てもらいたいと思います。

 

シニアの方でも、英語力がある方はいますので、

マリンスポーツや登山の経験があれば、ATのガイド

は可能なのかもしれないと思いました。文系・理系

問わず、シニアの一つの仕事になるかもしれません。

 

Aさんの指摘でもう一つ重要なことは、日本側が

ATを始めるのなら、観光客で混雑しないように、

地方自治体が需要を一定範囲以内に管理する考え

方を持つことです。需要をコントロールするという

考え方は、スイスなどの観光地ではよく見かけます。

また宿泊客優先です。

 

ところが日本の自治体は、観光客の数をコントロール

しようという考え方がありません。都市計画でも

同じですが、流入する住民の数を制限することなど

できないと思い込んでいます。とても間違ってる

考え方ですが。人気が出すぎると人であふれて、

その場所の魅力は消え失せてしまいます。今の京都

がそうなりつつあります。管区人観光客であふれた

湯布院もそうなりました。

 

ATは、九州ではこれからですので、需要をコント

ロールする仕組みを導入しないといけません。京都

の西芳寺は事前予約しないと入ることすらできま

せんが、これからは各地が同様の仕組みを考える

べきでしょう。

 

北海道など日本での先進事例については、次回に。