今回は、昨日の写真撮影会で気づいたことですが、

地域振興の現場では、「しつこいくらい繰り返す」

ということの必要性を再認識しました。

 

東峰村に国光窯という大変個性的な窯があります。

独自で修業された方ですが、お皿だけでなく

カエルの置物や、龍、さらには金剛力士像など

通常の小石原焼とは異なった作風の方です。

 

 

昨日は、出張撮影で国光窯元にも行きました。

この方はインターネットなど全く無縁の方で、

ふるさと納税がどんな制度なのかも知りません。

作風が面白いので、この方の作品を代行して

返礼品に出品しようとする人がいて、

そのために出張撮影にでむきました。

 

高倉さんという方で、私がふるさと納税の説明を

しても、あまりピンと来られないようです。

東峰村が小石原焼を返礼品として出しても、

たいして売れないだろうと思われているようでした。

 

そこで、

「波佐見は9億円で、焼き物で2億7千万ですよ」

「有田は10億円ですよ」と立て続けに言うと、

それには反応されまして、「波佐見が・・・」と

つぶやかれます。

 

さらに、お隣の

「赤村は昨年のふるさと納税は10億円ですよ。」

というと、それに反応します。赤村が・・・

 

私が他の作業をしている時も、窯元は、

赤村が・・・ 波佐見が・・・

とつぶやかれました。

 

自分たちもできるかもしれないと思い始めたなら、

本当にありがたいことです。

 

人間、どうせ無理、できないと思っていると、

行動も工夫もありませんから。

 

その後、役場に戻っての撮影の合間に、

次の順番を待っている窯元さんと話しました。

 

やはり、波佐見町や赤村の状況をご存じなく、

私が波佐見は9億、赤村は10億ですと話すと、

ふるさと納税はそんなに寄付が来るものなのか?

と驚いた顔をされます。

 

私からすると、

何度も村に来るたびに話しているし、村内の

インターネットよりも早く伝わる噂話ルートで

広まっているだろうと思っていたのですが、

現実はさっぱり広まっていませんでした。

 

自分自身の発信回数がまだまだ足りないし、

波佐見や有田の金額を紙に書いて窯元に配る

ということもしないといけないと痛感しました。

私の行動にしつこさが足りません。

 

私はあっさりした性格なので、意識して

しつこく、しつこく、各窯元に情報を

流さないといけないと再認識しました。

 

多くの窯元は日々の作業に追われています。

じっくりと考え事をする時間もそうないと

思いますので、新しいことに取り組む余裕が

無いようです。

 

写真撮影会の様子が、村内のネットより早い

謎の伝達網で噂になっているとよいなと

期待していた甘い気持ちは捨てました。

 

役場の広報誌に取り上げてもらうとか、

紙に書いて各窯元に配るとか、

自力で発信を増やしていくことの重要性を

再認識した次第です。

 

私が佐賀市長をしていた時も、自分のしたことを

あまり自慢もしませんでしたが、これは今思うと

良いことではありません。

 

しつこいくらい、自分の業績を発信しないと、

住民に伝わりません。日本人の持つ謙譲の美徳は、

こと地域振興や政治の政界では、悪になるのです。

 

なお、国光窯元の高倉おじいちゃん、

とても愛情あふれる作品を作ってました。

 

リューマチの奥様のために、

手が震えてもご飯茶碗を持てるように、

ご飯茶碗に取っ手をつけているのです。

 

荒々しい作風の中に愛情が光る作品で、

おもわずその場で買ってしまいました。

 

「お金はいらんよ」と言い張られるのですが、

手に無理やりお金を押し込んできました。

値段は2000円。安すぎますよ~~~

 

有田焼でよくある大量生産品ではなく、

一点、一手作りで、全て異なります。

これは世界で一つだけの茶碗です。

 

民陶祭に行かれた際には、お立ち寄りください。

ワンダーランドです。