こんにちは。今日は、九州新幹線長崎ルートの新大村駅のお話です。

 

私は新鳥栖―武雄温泉駅間がフル規格になるのか、それともミニ新幹線方式になるのかについてしか関心を抱いておりませんでしたが、先日、長崎県の大村市の市議会議員の関係者の方とお話をしていて、改めて長崎県内のルートの線形の戦略性の悪さに愕然としました。

 

少し前のブログにて、JR九州の初代社長だった石井さんの戦略的な発想をご紹介しましたが、この長崎ルートは原子力船むつの修理を佐世保市が受け入れる見返りに他のルートと同様に着工できる権利を勝ち取ったものでした。その約束が反故にされ、佐世保市民は煮え湯を飲まされ、新幹線が佐世保市近辺を通ることはなくなりましたが、国家安全保障の観点からは海上自衛隊の重要拠点に高速鉄道を通しておくことは非常に重要なことだと思いますし、長崎の二大都市が一体化することの相乗効果もあったのではないかと思います。当時の佐賀県知事の妥協案である武雄温泉駅から嬉野温泉駅を通る案は線形が非常に悪いなと思っていたのですが、長崎県内の新大村駅は空港の近くに駅ができるとばかり思い込んでおりました。

 

先日、大村市のある市議会議員の関係者と話していると、新大村市は今の大村駅からも離れているということを教えられました。大村市役所のホームページのQ&Aによると新大村駅は「植松3丁目のJR大村線と国道444号の交差付近」に出来るとのことです。ヤフーの地図で見ると以下の場所よりももう少し山側ではないかと思いますが。JRの大村駅と竹松駅の間ですが、新大村駅のすぐ近くに在来線の新駅を作るのだそうです。場所としては国道444号線を利用してバスで長崎空港にも移動しやすいということなのでしょうかね。

 

 

将来の観光のことや県民の空港の利便性を考えると、どうして長崎空港に直結する場所に新駅を作らなかったのかと疑問に思います。長崎県側の戦略性の無さを感じます。石井会長のような長期的な視点に立つと、鉄道も空港もこれから100年以上は使うものになるでしょうから、多少の建設費の上昇よりも利便性の向上の方を評価するべきだと思います。特に、長崎は観光が一つの重要な柱ですので、その点を考えると、空港直結の路線にすべきだったのではないでしょうか。大村空港に高速鉄道が直結することも、国家安全保障上、大きな意味を持つと思います。

 

もし、新幹線と直結していると長崎駅まで30キロ程度、新諫早駅を経由するとすれば、スピードがそう上げられないとしても時間にして15分程度でしょうか。現在、長崎駅から長崎空港まではバスで43分。遠いです。朝夕の渋滞が予想される時間はもっとかかるでしょう。確実に15分で行けるとなると、どんなに便利になったことでしょうか。鉄道を、航空を一体的に考えるということが重要なのではないかと改めて思います。関空にも新大阪から北陸新幹線を延伸したらよいと思いますし、小倉駅からも北九州空港を経由して大分駅まで新幹線を伸ばしたいですね。