オーシャンズ11(4点) | 日米映画批評 from Hollywood

オーシャンズ11(4点)

採点:★★★★☆☆☆☆☆☆
2002年2月11日(映画館)
主演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ
監督:スティーブン・ソダーバーグ


 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、アンディ・ガルシアという超豪華なキャスティング。それを率いる監督は2001年度アカデミー賞で「エリン・ブロンコビッチ」、「トラフィック」の2本の作品がノミネートされ、監督賞を受賞したスティーブン・ソダーバーグ。それだけで十分観客を呼べる映画ということで、公開前から話題沸騰の作品でもあった。


【一口コメント】
 何も考えずに純粋に楽しんでください、そうすればかなり面白い映画です。


【感想】
 仮釈放されたダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は仲間を集めて、ラスベガスの地下深くにある金庫から1億6000万ドルの現金を盗みだそうとする。その仲間とはオーシャンの親友で頭脳明晰なラスティー(ブラッド・ピット)、伝説のスリ師の息子ライナス(マット・デイモン)、プロのカード・ディーラー、爆破のプロ、天才詐欺師、サーカス団員、運転と車両改造の天才的な双子、電子系のプロ、資金援助者の11人。
 標的となる金庫の持ち主で3つのカジノのオーナー、ベネディクト(アンディ・ガルシア)の女、テラ(ジュリア・ロバーツ)はオーシャンの元妻という設定で物語は進んでいく。
 基本的にはダニーとテラ、そしてベネディクトの3人を中心に物語りは展開されていく。もちろん、セキュリティの固い金庫をどのように突破し、さらには1億5000万ドルを回収し脱出するのかが、この物語の醍醐味ともいうべきところだが、それ以外にも元妻との人間関係、そして冴えないライナスの成長を描いている。単純に考えれば、3つの要素が詰まっているわけだが、現金強奪のプロセス以外は正直言って、内容が薄い。現金強奪のプロセスは"なるほど"と思う部分も多く、楽しめるが、それ以外の部分は特にこれといった印象はない。どうせなら思い切って、現金強奪以外の部分はカットして、現金強奪の部分にもっとスポットを当てても良かったのではないだろうか?例えば、11人の仲間割れをドラマ仕立てにストーリーの一部に入れてみるとか・・・。
 おそらく半年もすれば詳しい内容は忘れてしまうのではないだろうか?面白い映画といっても記憶に残る映画はごく一部で、大半の映画はすぐに記憶から消えてしまう。この映画もその大半の映画のうちの1本ということで悪い映画というわけではない。
 ま、これだけ豪華なキャストが集まっていて、それぞれにスポットを当てるわけだから、当然といえば当然の結果かもしれない。批判的なことを書いてしまったけれど、基本的には楽しめる映画です。この作品を見る前に、ブラピが出てるから・・・、ジュリア・ロバーツが出てるから恋もあるの・・・などと、この作品の一つの売りである豪華なキャスティングから、あれこれと想像をしないで、ただ純粋に泥棒映画を観るつもりで見れば、かなり楽しめる作品であることは間違いないです。
 強奪のプロセスはかなり深く描かれているので、そこに重点を置いて見ていれば、最後の逃亡シーンで"なるほど!!"そして"かっこいいかも!!"と思える作品です。

まとめると"考えるな"、"楽しめ"ってことです。