ホームステイは日本語を使えない、英語ばかりの空間に身を置くことです。
かなづちで泳げない人が船で沖に連れていかれて海の中に投げ込まれるようなものです。
日本語はほとんど通じない。
質問には答えなければならない。
不自由や不安や情けなさに苛まれて耐えなければならないのですが、
逃げ出すわけにもいかず、緊張の中で耐えていると脳はガンバリ出すのです。
なんとかこの状況に対応しよう、と。
耐えること一週間、これはサカサマ眼鏡をかけたときと同じです。
耳が英語に慣れて、生活上のシチュエイションで使われる言葉に慣れてきて、
なんとなく分かるような気がしてくるのです。
急にボキャブラリーが増えたわけではなくとも。
脳が対応してくれたのです。
つづく
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