2012カンヌレポートby777_vol.09 | 福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba

2012カンヌレポートby777_vol.09

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World Aids Day
「Every 18 seconds somebody dies of aids」は
World Aids Dayにあわせた
Awarenessキャンペーン。

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情報があふれる世の中にあって
「情報のリアリティ」は
とても重要なテーマだ。
特に、社会的メッセージを発信する公共広告では
そのメッセージの多くが基本的に正しいことを言っているだけに
「そうだね」とは言われても
そのメッセージが自分ごと化されることは難しい。
だからこそ
そうした仕事における表現が果たす役割は重要になる。
どう伝えると
それはリアリティをもって残っていくのか、
みんなの心に残っていくことになるのか。

エイズが社会問題化してから長い年月が流れ、
その脅威が去ったわけでもないのに
その関心は年をおうごとに低くなる。
エイズで年間死んでいる人の数を伝えても、
その数字にリアリティはなく
遠い世界の話にしか聞こえない。

そこでこのチームは、
その「死」のリアリティを伝えるために
特殊なビルボードを開発する。



ビルボードの裏に設置された装置は
18秒に1回、シャボンでつくられた十字架を
空に向かってリリースする。
(18秒に一人エイズで死んでいる)
ビルの谷間を静かに上昇して行く十字架が
その瞬間どこかで生まれている「死」を
生々しくリアルに実感することになる。

こういう企画を実施するには、
ビルボードを扱っている媒体社に根気よく交渉し
その意義や趣旨を伝えながら
その実現の根回しを熱意をもってする必要がある。

「俺のアイデアは良かったのに営業が無能で実現できなかった」
そんなことを言っている制作者は
こうした企画を一生実現できない。
ホントにやりたいなら
実現する方法を徹底的に調べ
その実現を助けてくれるスタッフを徹底的に探し
自ら実現の筋道をつくらなければ。