2012カンヌレポートby777_vol.02 | 福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba

2012カンヌレポートby777_vol.02

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IntelのMuseum of Meもまた、
記憶に残るいい仕事だったと思う。

今年のD&AD「Digital Design」カテゴリーの審査では
その評価が2分されていた。
現役作り手系の審査員は
そのExecutionのレベルの高さに賞賛を惜しまず、
Executive CDクラスの大人は
この企画がIntelであることの必然性がないと苦言を呈し。

でも、カンヌのサイバーは
この仕事にゴールドを与えた。
よかった。

ソーシャルグラフの視覚化という
時代的ぶっといテーマを扱うことは
勇気がいることだと思う。
それは誰もが取り組みうる時代テーマであるだけに
そこに踏み込むからには
それなりの勝算をもって臨む必要があるし
それなりの結果を残さないことには
大恥をかくことにもなる。

優れたクリエーターは
ぶっといテーマから逃げない。
ぶっといテーマに立ち向かい
ぶっとく強い答えを出してみせる。

Museum of Meの凄いところは、
その完成度にある。
それ的な企画を思いつくことはできても
あの完成度まで至れる人間はそういない。
さらに田中耕一郎がすごいのは、
アイデアを形にするプロセスで
徹底的に人々の感覚との向き合いを考えること。
どんな動きが人の気持ちを動かすのか、
どんな流れが人の気持ちを動かすのか、
どんなルールが人の気持ちを動かすのか。
それを徹底的に考えて
体験のあり方を全体設計する。
彼の企画が共通に国を超えて評価されるのは
クリエイティブ設計図のどまん中に
感覚の共有が置かれているからだ。

よくプレゼンで、
その年の名作を企画書ページに貼つけて
「○○的な企画」をやりましょうって提案している人がいる。
でも、その人が語っている
「○○的な企画」には、
その企画の本質はない。
「○○的な企画」の形や表面だけをなぞっても、
人の心を動かしている本質がそこにあるわけではないからだ。
そこがわからない限り、
その人はいいクリエイティブを形にすることはない。

http://www.intel.com/museumofme/r/index.htm福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba