20代初め頃 

千葉県船橋市から

都内の会社に通っていた事があった。


初めは快速を使っていたけど

満員電車に辟易して

各駅停車に切り替えた。


各停でも 座れることは

まずなかったけど


あまり開かない方のドアの前に立って

景色を見るくらいの余裕はあった。


すると 

都内に入った辺りから

何本も川の上を通る。


それを眺めるのが好きだった。


江戸川

荒川

中川

新中川 

(順番は忘れた)

とりわけ

千葉県と東京都の境になっている

江戸川は


JR総武線の中からは

ゆるやかにカーブしているところが

見えて


川幅も広くて綺麗で

大好きだった。


その江戸川の

川面を見ていると


僕の脳裡には

裾の長い衣を着た巨大な

半透明の精霊が

横向きで立っている姿が


いつも浮かんで


なんか しーん とした

厳かな気分になるのだ。


それが朝の通勤時の

日課だった。


他の川では

そうもいかないんだけど


江戸川


大好きだった。



都内には

今は滅多に行かず


行っても電車の中で

立ってる ということが

まずない

(そういう時間帯は避けるか

始発に近い駅の

すいてる車両を狙って乗る)

ので


川をゆっくり

眺めることもしなくなった。


だから今は

(脳内に) 精霊は見ない。


今 

都内からの帰りの電車で


ふと思い出したので

書いたんだけど


座ってスマホを見て

ブログ書いてて


川は 見なかった。