高校生の時 

 

学校と駅の間に

小さな神社があって

 

それが

石段なんかのない平らな神社で

 

境内に

銀杏の木が14本立っていた。

 

 

部活の都合で

帰りが独りになることが

時々あって

 

僕は 独りの時だけ

神社の境内を抜けて帰ることにしていた。

 

 

秋の黄色く染まった境内が

見事なのは勿論だけど

 

夏に行くと

緑の葉の間に銀杏の実が

マスカットみたいに

たわわに実っているのが見えて

それもまた すごく良かった。

 

 

そんな景色を眺めながら

ゆっくりと

誰もいない境内を歩くのは

とても

贅沢な時間だった。

 

 

季節はいつが好きかと聞かれたら

秋 と答えるし

 

何月が好きかと聞かれたら

11月 と答える。

 

1番の理由は

銀杏の木が好きだから

 

 

銀杏は

人の言葉を理解する植物だ

という話を聞いたことがある。

 

それで神社仏閣に

よく銀杏が植えてあるんだ とか。

 

 

誰も見てないのをいいことに

銀杏の木に

話しかけてみたり

幹に耳を押し当ててみたりしたものだ。

 

学校帰りの

八坂神社の銀杏は

僕の大事な友達だった。

 

 

とか 書いていたら

 

あの銀杏の木達に会いたくなった。

 

 

生活圏の反対方向にあるし

駅から遠いし

高校卒業以来だ。

 

もう少ししたら

黄葉が一番綺麗な時期だから

 

その頃に

行ってみよう。

 

 

去年の11月に職場で『今月の制作』として

子供達に作ってもらったもの (の見本で僕が作った)

 

トレーシングペーパーに押し葉にした落ち葉を並べて

上下にマスキングテープを貼ってラミネート加工している。

 

中にライトを入れている。

裏側に銀杏の葉もあるのだよ。