高校時代の話。
それはそれは理不尽な扱いを受けた。
その教師は授業に際して角棒を持ち歩いており、気に食わない生徒には容赦なく制裁を加えた。
その角棒は、たしか50cmほどの長さで3cm四方くらいのものだったのでそれなりに重量もあったはずだ。
その教師の名物というのか、陰でよく噂になっていた。
今日は、誰それが叩かれていたとか、昨日は誰だったとか……。
当時は、コンプラとかSNSさえなく暴力教師は黙認されていたのだ。
そういう時代に生きた私は、当時のあるとき被害者になった。
ある授業中、問題を考える時間の中で、その教師はツカツカと教室内を回る。
私の近くに来たとき、
「なに仏頂面をしてるんだ!」と言って、ゴツン!
そのとき初めて喰らって、想像以上に激痛だったことを覚えている。
また、自分自身が無表情になる際、口元が「へ」の字になることを知っていたので、それを指摘されたのだろう、と思い次回からは「ゴツン」を回避しようと心に決めた。
角棒教師の別の日の授業で、私は初めから口角を1〜2mm上げるように努めていた。
前回のように誤解によって痛い目には遭いたくないからに決まっている。
結果、どうだったか?
角棒野郎は、またしても私に鉄槌を下したのだ!
「なにをニヤニヤしてる!」ゴツン!
(イッテェ〜、ふざけんなっ!)
それ以降の私は、他人の機嫌を考えて行動するようなことはしないと決めた。知らんがな。
自分のありのままでいよう、誰がどのように思おうと俺には関係ない。
そんな心構えを、そのヤクザ教師から学んだのだった。
