前回は財政力指数を見ましたが、では、今の田布施町の財政力指数0.45という数字の財政状態がどのようなものなのかを少し分析してみましょう。


財政面を表面的に確認する場合、総務省の指針に従って作成されている貸借対照表という表があります。いわゆる、企業でいうバランスシートですね。




この書類は統一書式なので、だいたいどこの自治体でも閲覧可能です。

あんまりピンとこない名目ばかりですが、一応見方の解説は見つかりました。


色々調べていったのですが、財政の見える化を図っているにも関わらず、この表から読み取れる事は限定的で、限られた読み取れるポイントとしては、
①基金(積立金)を切り崩していると危ない。
②純資産の余剰分がマイナスの場合、負債に頼らざるを得ない経営状態である。
の2点くらいなのかなと感じられました。


なので、この両項目を検証可能な年範囲で比較してみました。
田布施町では、2009年度分以降の財政書類が公開されているので、そちらの数値をグラフ化しています。


まずは基金について、

これは、流動資産の推移です。

流動資産 - 流動資産は、「現金預金」、「未収金」、「短期貸付金」、「基金」、「棚卸資産」、「その他」および「徴収不能引当金」に分類して表示します(報告書第122段落)。-EY新日本有限責任監査法人HPより

我々でいう貯金や積立金の事ですから、ここを切り崩しているようだと、圧迫財政な状況にあると言えるようです。
特に、下の「財政調整基金」。これを切り崩して経営されている自治体は、基金が尽きた時には破綻待ったなしな状況に陥る可能性があるようです。





田布施町につきましては、上記のグラフからは、ここ10年で積立も増加傾向ですので、表面的な計画上は安定しているとされる、という事が読み取れます。



次に、純資産の余剰分について。

※マイナス値ですのでご注意ください。

こちらは2016年度-2017年度にかけて負債が倍増しています。
その他の年度は緩やかに回復していますが、何が原因なのでしょうか。

因みに、このタイミングで書類の書式が変わっていて、資産総額も大幅に減少しています。


こうした書類に詳しい方にお伺いしてみたところ、この書類から原因を読み取ることは出来ないが、町議会議員さんなら事情が分かるだろうとの事でした。
町の財政の事ですから、タイミングが合えばこれは是非お伺いしてみたいですね。

とはいえ、負債の部分は金融機関などと調整が済んでいて、返済計画なども含め今後の見通しが立っていると予想もできますから、現状としては順調に運営されていると、こちらの書類上は言えると思われます。
ただ、あくまで表面上ですので、今後の見通し等は他の様々な指標を見比べていかなければなりません。
大量の負債の返済が、今の町政運営で解消可能なのかどうかは、今後私なりに考察していきたいと思いますニコニコキラキラキラキラ