ということで田布施の地理的特性についてまとめてきましたが、こちらの田布施町史も平成2年刊行で、発行より30年の年月を重ねていますので、
こちらで独自にもリサーチをしてみたいと思います。 
 
 
田布施町は令和元年時点、人口は15,271人、世帯数は7,013世帯の田舎町。

人口はここ30年では緩やかに減少傾向ですが、世帯数は増加傾向にあり、瀬戸内工業地帯を勤務先とする人達のベッドタウン化が進んでいる、その他に特色のない農村です。


この辺りはお隣光市の室積や、南部の上関町など、釣りスポットとしても有名な地域ですが、地図でもお分かりの通り、海に面したエリアはお隣の光市の範囲が広く隣接しており、実質的に海に面する地域は広くありません。

その中でも、麻里府港付近は釣りスポットとして一定の評価があり、また、そこから渡船によって渡ることのできる馬島では、釣りだけでなくレジャー施設も整備されるなど、田舎の隠れスポットがそこそこ充実しています。



瀬戸内海は穏やかな波と遠浅(とおあさ)で親しみやすい海岸線が多く、バブルの時代には、瀬戸内海と田布施に挟まれるこの室積海岸に来訪する観光客が多数訪れたため、こうした来訪者をターゲットとした施設などの名残が今でも田布施に感じられます。




この光市の美しい海岸(室積〜虹ヶ浜から、下松の笠戸島)の間には、日立製作所や新日鐵、東洋鋼板などと、大企業の工場が点在しており、こうした企業に勤める人たちが、比較的土地が安く、余裕のある田布施町に家を建てるという流れがあり、農地の転用も兼ねながら、町内に住宅地が広がりつつあります。