【里山資本主義のプラットフォームとは】

これまで、様々な里山資本主義の事例と、田布施での地域活性化への取り組みを取り上げてきましたが、これから里山資本主義をお手本に、地域創生への取り組みをしていくにあたり、里山資本主義の源泉について考えていきたいと思います。






『進化する里山資本主義』において、現在の世の中の主流であるマネー資本主義のプラットフォームとしては、お分かりの通りGAFA(Google、 Apple、Facebook、Amazon)であり、この中で大量生産大量消費のマッチョな経済システムが確立されつつあります。
では、里山資本主義のプラットフォームは何なのか、また、こうしたものと決別せねばならないのかというと、そうではないと代表著者の藻谷浩介さんは記されています。




これは私なりの解釈ですが、里山資本主義を実践する上では、世の中の価値をもっと細分化し、本質的に捉えていかないといけないのではないかと思います。

マネー資本主義は里山資本主義の対立軸とされますが、実は里山資本主義はマネー資本主義の上位互換であり、
『マネー』というハッキリとした基準価値があるがために、現在のような縦割り社会、一律労働制が出来た訳であり、
本来ならばもっと自由に、各個人個人が価値を見出すことに対して懸命に、かつ楽しく自分の考えで動くようなことができるのではないか。
こうしたところに里山資本主義の本流があるように感じます。



コミュニティの重要性や、プラットフォーム同士を繋ぐキュレーションにこそ価値があるとの記述もありましたが、まさにこれまで縦割りの枠の中でバラバラにやっていたことを、
お互いを尊重し合いながら交わらせて新しい可能性を模索してゆく。
こうしたことの必要性が高まる流れこそ、里山資本主義の本流なのではないでしょうか。


助け合い

仲間

応援したくなる地域づくり


このあたり、答えがない新しい価値とも思える反面、
温故知新、『always三丁目の夕日』のような、たくさんの世代が交わる互助のコミュニティの復権に近いようなイメージにも捉えられます。



里山資本主義自体が、諸般の2013年時点ではまだ『イノベーター』のレベルであり注目度が低かったが、2020年には『アーリーアダプター』のポジションまで上がり、注目されつつあるとの藻谷さんの見解もしるされていましたが、
こうした『イノベーター(変わり者)』の意見を排除せずに聞き入れることのできる柔軟性こそが先進的な価値を生む可能性を秘めるのではないかと、里山資本主義の本を読みながら強く感じました。


今地域で行われている様々な取り組みを、無碍に否定せず、イノベーターたちが仲良く新しい価値に挑戦しやすいように、また、自分の活動もさることながら、他人の意見にも耳を傾けて、深く深く理解し合う事こそが、里山資本主義で価値を生んでいく方法ではないかと思いました。


また、藻谷さんもおっしゃる通り、里山資本主義は何も田舎だけのものではなく、都会に生きる人々にとってもまさに取り組むべき新しい価値であるように感じます。
マネーにより、マッチョな経済に縛られて生きるより、魅力ある地域で魅力ある人々と、日々楽しく生きることの方が、たとえ収入が少ないとしても幸せに思います。


みなさんは里山資本主義に触れられて、どのようにお感じになるでしょうか爆笑キラキラキラキラ





里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)


進化する里山資本主義