つい最近見たこの映画、とても面白かったので、順番を無視して(今月はこれより先に「ミッション・インポッシブル」と「国宝」を見ていたが)先に書いてしまう。・・・「国宝」より面白いと言っているわけではなくて。(^^;)
映画の始まりは、ウェディングドレスを着たジェヒが屋上で煙草を喫っていた時にフンスがやってくるシーン。「あれ、まさかこの二人が結婚?」と思ったがそうではなかった。
韓国はソウルの(「梨泰院にきて」とか言ってたからそうだろう)大学の仏文科に入学した女子学生ジェヒと男子学生フンス。ジェヒは赤いスニーカーでバイクを乗り回す行動派で、パリに住んでいたといい成績はいい。でも、どこかぶっ飛んでいて、すぐに奔放な女というレッテルを貼られるが、本人は意に介していないようだ。一方フンスは物静かな文学青年で、顔合わせオリエンテーションに引率してきたフランス人講師オリビエ(♂)と、カミュの異邦人の冒頭の部分をお互い仏語とハングルで暗唱しあって見つめ合い、意気投合した様子。
ただ、フンスはカムアウトもアウティングも凄く警戒している。オリビエとフンスが物陰に隠れてキスしているところに出くわしたジェヒはフンスの秘密を知る。時は2000年代くらいかな?教室で学生たちが噂話していて(なんだかなんでもあっという間に広がるみたい)、オリビエが男とホテルに行ったのを目撃した、その相手がフンスによく似ていたと言われていた時、ジェヒが来てフンスにジッポーを渡し、「ごめん昨夜持って帰ってきちゃった~」と言ったので、周囲はフンスがゲイというよりもジェヒの彼なのだと思った。フンスがジェヒに弱みを握られたと言ったら、ジェヒは、「あんたらしさがなぜ弱点なの?」と言う。
エピソード全部は書けないけど、いろいろあって性別関係なく仲良しになったジェヒとフンス。フンスはよくジェヒの家にいりびたっているが、ある日、ジェヒが前から下着泥棒がいるらしいと言っていたまさにその男を、二人はベランダで目撃。男は道路に落ち、警察に出かけた二人は、防犯やら経済的なことやらで、この際、とルームシェアすることを決めた。
映画で使ったのは、「大都会の愛し方」というブッカー賞受賞の小説の一部、ジェヒの抄らしい。読んでみたい。彼女と彼はけっこう距離が近くて、性志向が違うからOKにしても、よくじゃれあっている。ふつうに同性の幼馴染、または兄妹みたいだ。フンスはジェヒを気にかけてくれるし、まじめだし頼もしい。二人ともよく飲み過ぎるけど。(;^ω^)
フンスにはオリビエが学校を去ってから、新しいBFができた。オリビエのときもそうだけど、ゲイの人には相手をそれらしいと感じる嗅覚があるのかな。
その相手スホは、同じ大学の学生で、満島真之介くんと安達を演じたときの赤楚衛二くんを混ぜたような感じのかわいい子。やさしい子だが、フンスと違って、マイノリティを認めようというような活動をしている。フンスはそれもダメみたいだ。ジェヒに打ち明けた話だと、彼は以前お母さんに自分の性志向を打ち明けたが、お母さんはいきなりそれから教会に通うようになり、彼の部屋で彼の「病気」を治してくださいと祈るようになったのだ。(-_-;) 病気じゃないんだけどなあ。
かたやジェヒのほうは、普通にパリに留学したのではなく、いじめにあって逃げるように行ったようだ。両親は彼女に無関心らしい。そのせいか、ジェヒは開き直ったように、世間の思惑には左右されないのが気持ちいい。
一方、ジェヒの彼氏をフンスは全部知っている。(^^;)マザコン男の話とか、いつのまにかタトゥ入れられたこととか、結構散々な目にあっている二人。(^^;)
ジェヒは仏文に加え経済学も学び、会社ではバリバリ働いている。彼女はフラットな考え方をしているし、職場でもしっかりものを言う。一方フンスは小説を書き、一本は賞も獲ったようだ。でもここは韓国だから、兵役に行った。
そして、問題はこの男なんだよね。
社会的な立場はいいのだが、この男には旧社会の考え方が染みついてるようだ。そんな彼がジェヒの彼氏になったが、いや無理じゃないかなと思ったら、やっぱりフンスも巻き込んで事件がおこる。ジソク、見た目は鈴木康介君みたいでやさしそうなんだけど。
その事件がエキサイティングだったのでお楽しみに。(^▽^;)
フンスもスホを失い、(だからさ、いつまでも待ってくれてると思ってたら甘いのよ。「好き」とか「あいたい」とかはちゃんと言わなきゃ。)ジェヒのもとを去りいったん実家に帰るが、お母さんはフンスを理解しようと努力してくれているみたい。当時(2018)公開された「君の名前で僕を呼んで」をひとりで映画館に見に行っていた。そのあとにも事件が・・・。(;^_^A
最後はジェヒの結婚式。相手はもちろんフンスではない。二人は偽装結婚するほど世間に迎合していない。あくまでも親友なのだ。ジェヒの良さをわかってくれる男はちゃんといたのだ。よかった~。(「三人夫婦」に出ているIMP.の鈴木大河くんみたいな彼ミンジュン)
フンスもばんばん面白い小説を書いてほしいな。そしていいパートナーに巡り逢えたらいいな。
人生にはいろんな友情があっていい!
こんな素敵な友だちが欲しい。
*いつものように、追加修正部分は青字です。花嫁さんの足元注意ね。