今FODで見られる未成年完結後のアフターストーリー。前編後編2作品。脚本は本編にも参加していた森野マッシュ氏、監督は柴田さんではなくて牧野將氏。なぜ監督を分けたのかはわからない。そのへんをきいてみたい。
法律が変わって,同性間でもできるようになったら結婚しようと誓いあってから、既に5年の歳月が経っていた。
これはプロポーズ直後のハグ。時間設定はちょうど現在。既に社会人の水無瀬と、大学4年の蛭川だった。
だけど、(未来の話だが)5年経ってもまだ同性婚は認められていない。だって、夫婦別姓ですら現在まだ認められていないわが国。彼らが事実婚&「パートナーシップ」くらいで手を打たなければ、全くいつになるかわからない。パートナーシップなら、田舎なれども既にうちの県と市でも認められているが。以前は仕方なく片方が他方の戸籍上の養子になったりしていたが、一度そうすると将来結婚が制度上認められたときに、親子関係を清算して夫婦にはなれない。
水無瀬と蛭川は一緒に暮らしているようだ。でも、水無瀬が一人で見た夢では、いつまでも結婚できないことに業を煮やした蛭川が、他の人と結婚すると言って部屋をでていった。焦って飛び起きる水無瀬。部屋の中はカーテンといいベッドといい、水無瀬が学生の時のマンションと同じらしい。新しい家に引っ越し、2人用のもっと大きなベッドを買うのかと思ったが、これだと2人くっついて寝るしかないね。(*^_^*)
蛭川は留守のようだ。水無瀬はコンサル会社でばりばり働いている入社6年めの社員。当然周囲から結婚はまだかのプレッシャーをかけられている。彼のプレゼン、略語が多いし私にはちんぷんかんぷんだ。(;´∀`)
女子社員から結婚式の招待状を渡され、同僚から水無瀬はいい人いるんだろうときかれ、いないと誤魔化す。そういうスタンスなのね。
深夜に帰宅し、ゼリー飲料を咥えながらお魚にエサをやる。夜分に自分だけのために料理する気にもなれなかったのだろう。お魚は、今は赤いのと白いのと2匹に増えている。
そしてSNSチェックタイム。根本は栞ちゃんと結婚するらしい。柴にも彼女ができたようだ。しかし、これ、グループ限定公開なの?よくはっきり顔出すね。(・_・;)
もちろん蛭川のもチェック。彼は映画を撮っているらしい。そういう仕事につけたのね。
おお、ディレクションしてる感じよ。(いいけどさ、誰が写真撮ってあげてるの?)
タイミングよく彼から電話が来た。電話の名前が、以前は「蛭川」だったのが、「晴喜」になっている。
「もしもし?撮影中じゃないの?」「しばらく帰ってないし、連絡もできなかったから、一人で寂しいんじゃないかと思ってさ。」
「寂しくないよ。」「本当?」「全然。」口調が二人ともやさしい。
ウソだね。「大丈夫?」と訊かれたら、「大丈夫」と答えちゃうようなものかな。それに、蛭川に心配かけたくなかったのだろう。蛭川は、「早く仁に会いたい」と。「俺も会いたい」。5年も経ってるから普通なんだろうけど、「晴喜」「仁」と呼び合っているのに思わずキュンとする私。(ちなみに平良と清居はずっとあれだな💦)
そして、「監督、ちょっと」と呼ばれて電話を切る。そうか、監督になったのね。良かった。何を撮っているんだろう、CF,MV,研修教材、ドキュメント、テレビや配信のドラマ…劇場公開作品を任されるにはちょっと早いかな?
根本と栞ちゃんの結婚を祝う会は明後日、多分当日でないと帰れないかなと。
翌日深夜。一人で社に残って仕事していた仁。お母さんからのラインで、今度友人とそのお嬢さんと一緒に4人で食事しようと、結婚の話を。仁は「自分が結婚で失敗したくせに」と送ろうとしたが、全部消して、既読スルーのまま仕事をつづけた。考えてみれば、結婚にこだわっているのは仁も一緒なのでは?
社を出て歩いていると、一台の車が来て停まった。「仁!」
晴喜だ。「なぜここに?」「撮影の予定が変わったから、帰ってきた。相変わらず帰り遅いな」
いつもは慎重な仁なのに、晴喜にとびついてすぐさまキス。驚いて「いいの?俺はいいけど。」仁の会社に近いのにと周囲を気にする晴喜。仁もハッとはしたけど、もう気持ちを止められないのか何度もキスした。
家で一緒にお風呂に入る。(眼福?💦)窓がやはり前のマンションと同じだ。二人で入れるのだからすごく大きい浴槽?とちょっと注意して見たら、やはりひざは曲げていた。(^^;)・・・何気にしてんだろう、私。
なんだかしんどそう、何かあった?・・・晴喜が、ほかの人と結婚するって出て行った夢を見た。・・・あり得ないよ。・・・最近周囲の結婚話でプレッシャーかかってるんだ。・・略・・俺たちだけがわかっていればいいんだよ。
お風呂の後は、髪の毛もまだ濡れてるみたいだけど、壁にぶつかるくらいに引き寄せてキスする仁に、「がっつくじゃん」「久しぶりだから」
今度は反対側の壁に。激しいなあ。キスしながら会話してるし。
スースーと音を立てて仁のうなじの匂いを嗅ぐ晴喜。君たち昔からそうやって嗅いでたよね。(^^;)「仁の匂いを嗅ぎたかった。」「ちょっと変態ぽい。」「いやなの?」「いやじゃない」そして足をもつれさせながらベッドへ。
この二人のキスシーンは日本BLではかなり多め。キスシーンの多いのって言ったら、「体感予報」や「Life」が思い浮かぶが、ダントツかも。そして、綺麗でいろっぽい。
その後。晴喜が仁に甘える。原作に倣うと晴喜が攻めで仁が受けらしい。でも、この作品では仁晴ではないかと思う私。そしてこの二人なら、(愛と信頼と献身のもとに)リバースもOKではないかと思う。どっちがどっちか役割がわからないようにしているのも、柴田監督のプランなんじゃないかなとも思う。
晴喜が言う。明日、あいつらに言おうか、俺たち付き合ってるって。
しかし、それをきいて仁の表情が少し曇った。晴喜は察して、おやすみ、と仁の肩の下に頭を寄せ目をつぶった。
辛いなあ。芸術畑である晴喜の働く世界と、堅い常識の殻の中にいる仁の働く世界とは相当異質だから、仁が慎重になっているのはわかるけど、気をゆるせる(もとい、ゆるせそうな……仁、晴喜にしか心許してないんじゃない?)仲間には打ち明けてもいいんじゃないかなあ。同性婚が制度として認められても、それはあくまで制度だし。それでも偏見を持つ人はいつまでもいそうだし。自分たちの真剣な気持ちをきいてもらうと、少し心が解放されて生きやすくなるんじゃないかなあ。