12月も押し詰まってから年始までに見た3本。(その後見たのは、後で)

 

まずは「はたらく細胞」。原作もアニメも見ていなくて、どんなふうにストーリーが進むのかが気になっていた。見たら、体の中の、実際働く細胞たちである登場者のパートに、それの持ち主である人間の生活のパートを交互にからめて構成していた。

細胞パートの主人公は、永野芽郁扮する新人赤血球。彼女の主な仕事は、体の隅々にまで血管を辿っていき酸素を運ぶこと。幼弱な時は核をもっている赤血球は、成人(?)するときに脱核するのだが、それを帽子のポンポンを取ることでうまく表現していた。佐藤健の白血球は、幼い時から進入した外敵と戦う訓練を受けていた。

彼らが生活する街(体内)はまるで西洋の広場のようで雰囲気が良かったし、近未来的に交差する歩道橋は、なんだか見覚えがある、あれは東京国際フォーラムでロケしたのでは?

体の中には時々黄色ブドウ球菌などの外敵が進入してきて、そうすると白血球とその係累が戦って撃退する。そうやって何度も芽郁ちゃんは健くん(白塗り💦)から助けられている。菌役の小沢真珠とか、一匹狼のナチュラルキラー細胞役の仲里依紗とか、キャラが濃くて面白かった。彼らは人間パートの主人公ニコ(芦田愛菜)の体の中にいるが、彼女のお父さん(阿部サダヲ)の体の中にいる赤血球の先輩の加藤諒と後輩の板垣李光人は、お父さんが不摂生であるために、なかなかハードな目にあっていた。(^^;)私が大学の時、実習でプレパラートを見ながら色鉛筆でスケッチしていた細胞たち。血小板役の子供たちが可愛かったし、全体に衣裳デザインが素晴らしかった。

 

 

そして彼ら「はたらく細胞」たちが活躍するだけではなく、その持ち主の人間たちのドラマがあって、全体にまとまりができていたように思う。ニコが重病になってしまい、彼女を助けようとICUの窓を隔てて励まし続けた父と彼氏(加藤清史郎)が良かったな。

 

「推しの子 The Final Act」

 

これは、アニメ版の第1(BS11で?)、第2(FODで)シーズンを見ていただけで、実写は見ていなかった。今回ファイナルアクトを劇場版とプライムビデオでやる、と間違って認識していたけど、そうではなく、実写版の第8話までをプライムビデオで(オリジナルはネトフリ配信だったっけ?)、そしてその続きである劇場版ファイナルアクトの冒頭をプライムでも見られるということだったのだ。

よくわからないままに、プライムで冒頭を見て、それから劇場に行ったら、案の定今一つピンとこなかった。(^^;)いかんなあ。アニメ第2シーズンで、アクアの父はもう心中して亡くなっていたと思って、やっと復讐だけのために生きているようなアクアが穏やかになってきたのに、劇場版で、「あれ?なぜこんなことに?」(;´Д`)。

またもイケメンなのにきつい目つきをして、ルビーにも誤解され「家族とは思わない!」と言われたままで、ノンフィクションの自伝映画なんて作ることになったのか。そして、彼らの父はなぜアイを殺そうとしたのか。実行犯役は杢代君。(-_-;)結末もあれではなんだか不満足だなあ。

で、やっと今日アマプラで実写版の第8話を見て、劇場版とのつじつまがあったのだった。たはは・・・。(;^ω^)面白かったので、東京ブレイドのあたりは前に戻って改めて見ようと思う。簡くんや山下幸輝くんらも出るし。キャスティングはぴったりだと思う。(でも、黒川想矢くーん💦)←微謎。

 

 

 

 

「ローハンの戦い」記事は見た順番ではなく、これは年末の公開翌日に見た。

 

 

神山健治監督は、「攻殻機動隊」や「009 re :cyborg」などの監督・脚本を行ってきた人だそうだ。サイボーグ009は好きなので、見たような気がする。(^^ゞが、攻殻機動隊は素晴らしい作品だと評判がいいが、見たことがない。そして、私は上橋菜穂子さんの小説が好きなのだが、監督は「精霊の守り人」も監督したらしい。それはこの「ローハンの戦い」に通ずるものがある気がする。

「ロード・オブ・ザ・リング」(LOtR)シリーズの世界は好き(すみません、トールキンの原作小説はちょっとしか読んでません💦)で、ホビットのは買ってないけどLOtRの3部作はボックスセットを持っている。私が好きなキャラはアラゴルン。王の後継者にふさわしく、公明正大で誇り高く勇敢で心が広い。

 

LOtR実写化のスタッフたちは、かなり早いうちからアニメで作品を作ることを検討していたらしい。なぜならもっと作品を作りたくても、あの壮大なスケールのものを実写で次々につくるのはかなり難しいから。納得。そして彼らは日本のアニメーションの力に注目していた。神山監督にオファーして了承され、トールキンの著作のうちでも、ほんの短い部分でしかなかったローハンのエピソード~LOtRの183年前の前日譚にあたる~を題材に選んだのは、脚本にずっと参加していたフィリッパ・ボウエン。彼女はローハンのヘルム王の話を、その王女ヘラの話として膨らませた。

お姫様ではあるが、聡明で乗馬が好きで剣術も修練するヘラ。ヘルム王の治めるローハンに内乱がおこった時、兄二人を戦で失った彼女が国と民を守ったのだった。

そして製作総指揮は、LOtRのピーター・ジャクソン監督。ハリポタのファンにポッタニアン、シャーロックホームズにもシャーロキアンがいるように、トールキアンと言う人たちもいるようで、エンドロールにもスタッフのうちにトールキアン(協会)と入っていた。(^▽^)見逃さなかったよ。

 

一応ハリウッド映画なので、画像を見た感じ、日本製のアニメそのままに見えるが、本来アフレコは英語で向こうの俳優が声を入れている。それも見てみたかったけど、日本公開は吹き替えだけなのかな?ヘルム王が市村正親で、ヘラ役は小芝風花。そして、結構重要なのが、ヘラの従者の女性オルウィン(本田貴子)。彼女は母のいないヘラの叔母のような頼れる存在で、その昔、劣勢の戦で戦える男たちがいなくなったときに剣を取って戦い勝利した「盾の乙女」の一員なのだった。

アニメであるが情景はまるで実写のように素晴らしく、実写に勝るとも劣らないような画像だった。監督は、このアニメ化にあたって、そのための習作というか下絵と言っていいのか、そんな簡単なものではない作品を先に二つも作ったから3倍の労力がかかったらしい。エンドロールの作画スタッフの人数がものすごかった。(日本だけではなく各国の人たち)改めて、映画を作るのって大変なんだなあと思う。

できれば劇場版で見ることをお勧めします。