GEOの宅配レンタルを時々利用する。以前は、実写BLが見たいのになかなか作品がないので、収集(渉猟)的に利用して、たまに見たらブログを書いていた。しかしここ2年余りくらいは、国産にこだわる私でも実写BLがよりどりみどり。しかも、連ドラだと尺が長いからきめ細かくストーリーを練ることができるし、原作が人気小説や漫画だと、その中からどのエピソードを取捨選択するかは違えど、構成がしっかりしていて鑑賞に堪えるものばかり。はあ~、時代は変わった。(*^▽^*)本ブログでは、レンタルリストに残っている昔のBLを最近見てみたので、感想を書いてみる。
タクミ君シリーズのポニーキャニオン作、オムニバスドラマ「恋愛診断」全4作?
ティーンズラブ、ガールズラブのほかにBLも2作あった。どれも70分余り。
★「翼のカケラ」2007年作

主演はDーBOYSの柳下大(とも)くん。可愛い子で、初代の葉山託生は彼なのだ。D-BOYSとは、渡辺プロのつくったユニットで、全員で何かやるというのではなく、一人ずつがドラマや舞台などで活躍している。卒業したメンバーも多いが、有名なのは和田正人さんや志尊淳くんら。柳下君も芸能界をもうやめている。でも、なんで眼鏡なのかなあ?たいていイケメンや美女は作品内では眼鏡で下げるほうに(例外あり)カモフラするんだけど、下げる必要ないのに。眼鏡しないと幼くなりすぎるからかしら?
ストーリーは・・・正直、なんだかよくわからなかった。70分やそこらで詰め込み過ぎなんじゃないかな。そして、前にもこんなドラマをみたが、途中に格言みたいなのが出てくるんだよね。 これ、要る?(^^;)そして何度も、イカロスと父ダイダロスの神話が翼の独白で語られる。巧のダイダロスはイカロスに翼を作ってつけてやるが、蠟でつけた翼は空を飛んで太陽に近づくと融けて落ちてしまうのだった。
芸大に学んで絵を描いているらしい翼(柳下くん・上の写真左)は、ある日構内(?)でガシャンと言う物音で足を止めて見たら、レオ(汐崎アイル・上の写真まん中の子)が陶器を道に落として次々に割っていた。陶芸科の子で自分の作品を割っていたのだろうか。その後、学生がアトリエとして借りて使える教室を訪ねた翼は、カインという若者と知り合う。(寿里・写真右端)その部屋には陶器の欠片をたくさんはりつけた白い翼の彫像があった。レオの作らしい。それに魅かれる翼。翼は有名な芸術家の息子らしく、妬まれてなのか、ほかの学生(チンピラにしか見えないが)に暴力によるいじめを受けている。翼はカインと仲良くなるが、カインは、レオの恋人がレオの目の前で屋上から落ちて死んだ、そのときにレオは、恋人の頭蓋骨が割れる音を聞いてしまったんだ、それから時々ああやって作品を割るようになったと言った。(いやそりゃ違うよね、陶器の割れるカシャンという音と、中身の詰まった頭の割れる音とは違うと思う。聞いたことないけど💦)


カインとレオの関係も気になるんだけどなあ。レオは翼に、お前は俺と同じ匂いがするという。そして、河原に呼び出し、翼がくるまで長い間待っていた。翼は父と二人家族で、父とはずっと離れて暮らしている。実の父なのかどうかも明らかでないが、翼は父に恋愛感情を抱いている。しかし翼は父の部屋の隣で、見知らぬ若い男が寝ているのを見てしまい、父をなじった。(その後のこともはっきりしない)翼はレオと心を通わせるようになった。


かいつまむと、翼は以前のできごとと同じように、カインとレオがアトリエの奥の部屋で一緒に寝ているのを目撃し、衝撃を受けた。しかし、レオは翼を選んだ。抱きしめあって、うん、レオも僕と同じ匂いがするね、と翼。そのあとはよくある朝チュンというやつで。(;^ω^)


だが、カインは例のチンピラのような連中に、翼を襲わせた。屋上に連れていかれ暴力を受けて気を失った翼。まさか屋上から下に落とさないよね、(・_・;)と心配したがそうではなかった。駆けつけたレオは、呼んでもゆすっても反応しない翼を抱いて慟哭した。そのチンピラの中に、のちに仮面ライダービルドでアカバを演じ、キングダムでも飛信隊のメンバーになった栄信くんがいたのだが、名前を見なければわからない程度だったな。
その1年後くらいに、いつかの河原に、翼の乗る車いすを押して訪れたレオがいた。
レオはずっと翼から離れないと誓うのだった。これはメリバと言うのかな?
前にもみたよ、こんな話。教師の小谷嘉一くんが生徒の子(恋人)の車いすを押して終わるBLドラマ。

最後にはなぜか、翼の空想なのか、あの世の話なのかどうかわからないが、お父さんの部屋にベランダから翼とレオが入って来て、三人で仲良く朝食をとるのだった。またあのイカロスの神話を語りながら。・・・・久しぶりに、「やおい」という言葉を思い出したわ。昔BLは「やおい」と言われていた、つまり、やまがない、落ちがない、意味がない・・・。(-_-;)( ̄▽ ̄;)(;^ω^)



もう一作。これも同じシリーズで、★「運命のコドウ」2007年作。
同じくポニキャンと、トルネードフィルム制作。今なら大洋図書とかカルチュア・パブリッシャーズとかになりそう。
出演は、あれ、どこかで見たと思ったら、わお、河合龍之介くんだ。( ̄▽ ̄;)
斎藤工くんと河合君、小谷嘉一くんは、このころよくBLに出ていたのだ。

相手役はD-BOYSの熊井幸平くん。そしてまた同じあのソローの格言が出てくる。脚本、監督、同じ。うーん・・・。GLとTLは別々のスタッフなのに。
ある日、医師の葛城慧(けい・河合君)はジムのプールで泳いでいて、急に具合が悪くなって溺れた。それを監視員の真木かなで(熊井くん)が発見して飛び込み、マウストゥマウスの人工呼吸をして助けた。必ず病院にいってくださいね、と言われるも、慧、その気がなさそう。
勤務先ではライバル視している同僚に嫌味を言われる。慧の父は有名な心臓外科医らしい。慧は研修が終わるところだが、まだ進路が決まっていない。そして、人生に倦んでいる。

ジムで走っていたら、病院行きましたかと心配で声をかけてきたかなでが、マッサージしてくれた。その後に慧が車(ベンツ)を運転していると、ふらふらと前にかなで
が出てきた。(でも横断歩道だよ、かなでは悪くない)驚いて車をとめ、保護した慧。車に乗せて、そうだお礼に食事をご馳走したいというと、「それなら僕がつくりますよ」と。慧の家でかなでがつくったちゃんとしたイタ飯のディナーを食べて(なぜかキャンドルまで?)、くつろいでワインを飲みながらした話は、ノアの箱舟。この世の終わりに船で脱出するとしたらどうする?と訊く慧にかなでは、僕なら厨房係として乗り込みますよ、と。慧さんは?俺なら席を譲ると思う。君みたいな人に。
ワインを注ごうとしてグラスを倒したかなでがごめんなさいと拭こうとしたとき、慧はかなでにキスした。・・・事故みたいなものだった、と慧は振り返るが、翌朝かなでは朝食をつくってくれた。
そのあと、二人はジムで会ったり一緒に出掛けたりするようになる。海に行ったとき、ひとしきり遊んだ後、かなではどきどきしてると慧の手を自分の胸に持っていく。不整脈だな、と軽く言う慧。慧さんのは?とかなでが胸に頭を寄せた。一生のうちに心臓が鼓動する回数は決まっているんだ。脈の速い動物は短命で、遅い動物は長生きだ。
「僕が死んだらどうする?」「困らせるなよ」かなでは立ち上がって歩き出してから倒れた。Σ(゚Д゚)救急車を呼び自分の病院で緊急手術。ペースメーカーを入れた。急性の心肥大。肥大型か拡張型かわからないが、心筋症らしい。心臓移植が良い治療法だが・・・もしぴったりのドナーがいて、もし成功すれば💦。かなではいつから自分の心臓がオカシイと思っていたのかな?そして慧も何やら怪しい検査結果を持っていた。慧がへたっぴにリンゴを剥いて、笑ってた時はよかったが、心不全について調べたかなでは、自分がもうじき死ぬと思って自暴自棄になる。
ひどいことを言ったと思ったかなでは慧にあやまりたくて病院を抜け出し、それを探し回る慧と一晩すれちがって、結局会えた時に救急車を呼ぶ羽目に。慧は院長(伊藤克信)から叱責された。

それで干された慧を救おうと院長に会いに行ったかなでは院長の毒牙にかかる。(えっ?あんたゲイ?バイ?(・_・;)患者相手になんということを。😡)部屋にいないかなでを探しに行って院長室の奥で二人をみつけた慧は、リンゴといっしょに持っていたナイフで院長を刺してしまった!
ふたりで逃避行をはかって、海に行きたいというかなでと海辺のシーズンオフで閉鎖していたレストハウス(?)に忍び込んだ二人。

朝、かなでより先に起きた慧は何かの書類を書いていた。さっと隠したが。
ふたりで浜辺を歩くとき、かなではかなり具合悪そう。先にかなでが倒れたが、慧も具合悪そうだ。そして二人とも浜に倒れてしまった。

そのあとどれくらい経ったのだろう。かなでが目覚めると、そこは慧の家だった。階段を下りていくと、見知らぬ中年男性が座っていた。彼は慧の父だという。

驚くべきことに、慧は隠していたが悪性の脳腫瘍を患っていたのだった。そして、彼は自分の心臓をかなでに移植してほしいと遺言していた(あの書類ね)。臓器の適合する相手と巡り合うことはものすごく稀なので、息子と君は運命の相手だったのだと。心臓外科医であるお父さんが、慧の心臓をかなでに移植したのだという。(そんなことを言われて、かなでもすぐ受け入れられるものかしら?それに、ここに来るまであれから目がさめなかったとは思えないが。)
「ちょっと、いいか?」と訊いて、お父さんはかなでの胸に耳を寄せ、息子の心臓の鼓動を聞くのだった。(´;ω;`)
ノアの箱舟とかバベルの塔とかの話を主人公が語るところ(翼は主に独白でイカロスの話)、ソローの格言が出てくるところは共通。「運命のコドウ」のほうがまだわかりやすいし、「やおい」度もちょっとマシかな。
これらはBL実写草創期なので、いたしかたないのかな。なにせ17年も前の創作だし。今なら、人気小説や漫画をもとにドラマにできて、そこに多くの人の知恵が入るから、(インティマシ―・コーディネーターもいるし)より素晴らしいBL作品が作られるようになったのよね。