最近、地元の職域関係の定期刊行誌(よくある文集的な会報)に投稿を求められ、しかたなく書いたものを載せてみる。ブログだと匿名だから好き勝手なことを吐き出しているのに、(^^ゞ本名でどこの誰だかはっきりしている条件で胸の内を書くのは、ご近所さんに銭湯で裸をさらしているようで嫌なので、極力避けている。(-_-;)

でも編集長にご指名で求められたし、たまには書かなきゃいけないだろう。もうすぐ定年になるから、そうしたら書く必要もなくなるしなあ。・・・というわけで、「私のお薦めコーナー」というところに文章を書いた。

 

途中ではっと気づいたが、1200字に収めるのって大変なのね。(;'∀')いつもこのブログでは2000~3000字くらいは普通に書いてるから。(長くて読みにくくてすみませんね。m(__)m)

あちこち削ってなんとか縮めて、メール添付で編集を請け負っている地元の小さな出版社に送信したのが8月のお盆直前。タイトルをつけないでいたら、勝手につけてくれていた。その会報が来たのがお彼岸前。これ、会員の数からしたら随分とたくさん刷って、その辺に置いておくのだ、「どうぞお読みください」って。もうますます胸のうちをさらけ出しにくくなるよね。💦って、大げさ?・・・原稿をコピーしてそのまま載せてみる。実際は、私の顔写真とお薦めしたものの写真が必須なので、出版社に残っている数年前に書いた時の顔写真(改めて見たら若かった💦)と、映画館で買ったCodaのパンフレットの表紙写真も刷られている。

 

私のお薦めコーナー「難聴者たちが登場する作品の数々」

私は映画やドラマを見ることが好きで、仕事柄、難聴の人物が登場する作品もよく見ます。それらは、健聴者にはわからない苦労や葛藤、彼らに対する健聴者の勘違いや社会の理不尽、家族愛や友情など、感動的あるいは勉強になる見ごたえのある作品が多いのです。ここではそれらのごく一部をご紹介します。

まずは、洋画「Coda あいのうた」2022年。仏映画「エール!」のリメイク。

Codaとは、難聴者の家庭で一人だけ健聴者である子供のこと。主人公ルビーはアメリカのボストン近くの漁港の町で、聾である両親と兄(3人とも聾の俳優)と暮らす女子高生。歌の才能を見出されますが、毎朝父と兄と船で漁に行ってから登校する身で、家族は音楽がわからないし、遠い音楽学校への進学を諦めます。が、娘を愛する父は、なんとかしてその道を拓いてやろうとするのでした。この作品はアカデミー賞作品賞、父役のトロイ・コッツァーが主演男優賞など3賞を獲得。母役のマーリー・マトリンは1986年「愛は静けさの中に」ですでにオスカー女優です。

次は日本の作品「聲の形」。原作は大今良時作の傑作漫画。

2015に全日本ろうあ連盟の監修で30分間の実写DVDが、翌年には京都アニメーション作で劇場版アニメが作られ、私はそれを見ました。3歳の時に聾であることがわかった硝子。父はすべて母のせいにして離婚し、母は家計を支え祖母が育てますが、硝子は母が普通学校に通わせたところ、授業の足をひっぱるからとクラスで壮絶ないじめをうけ転校します。いじめの中心にいた将也は、その後逆に自分がいじめの標的になり、自分の間違いに気づき、心優しい硝子のために償いをしてから死のうと思い詰めます。書いていても辛いし理不尽なのですが、ちゃんと最後に救いも用意されています。また、これは世界各国で主に A silent voiceという題で出版されており、ノベライズ(小説化)も舞台化もあります。

次はテレビドラマ。一昨年、川口春奈と目黒蓮の主演した「silent」。

シナリオブックが出版されてベストセラーになるなどヒットしました。高校を卒業するころに突然の病気で両耳の聴力が失われ中途失聴者になった目黒蓮は、心を閉ざして、まだ聴こえていた時代の人間関係を恋人も含め全部切ってしまいます。でも、何年も経って再び巡り逢った二人はやはり惹かれ合います。彼女は手話を勉強し、彼の親友役の鈴鹿央士は、主にスマホの音声変換機能(喋ったことが文字になる)を使って彼と会話していました。

文字数のためあとは簡単に。NHK「しずかちゃんとパパ」。Codaのしずか(吉岡里帆)と先天聾のパパ(鶴瓶師匠)の心温まるお話。テレビ朝日「星降る夜に」全く屈託のない聾の青年北村匠海が爽やか。原作漫画連載中の「ひだまりが聴こえる」。実写2作とアニメ化。

レンタルDVDや配信などで見られます。いかがでしょうか。

 

読み返してみると、6つ紹介したが、その順番がCoda・先天聾・中途失聴(高度難聴)・Coda・先天聾・中途失聴(高度難聴)になっていた。挙げた作品のうち、思いがけなくお盆に「聲の形」が地上波で放送されたので、その時、ああ発行が今ならよかったのにな、と思った。また、9月20日(宮城県は13日)封切りの「僕が生きてる、ふたつの世界」も見たけれど、良かったなあ。これが紹介できればよかったのだが。

「Coda」、「silent」、「しずかちゃんとパパ」、「ひだまりが聴こえる」については、以前書いたブログがあるので、良かったらお読みください。