見たもので書いたのは、「言えない秘密」までだった。(・_・;)

そのほかの作品だと、7月はやっぱり「KINGDOM 大将軍の帰還」は見てよかった。評判のいいものは、「ルックバック」といい「KINGDOM」といい、まだロングラン上映されている。私もその二本はお薦め。

 

 

 

大将軍の帰還は、つまり大沢たかおの王毅将軍が、死力の限りをつくして敵と戦い、愛した女の仇を討ち、主君と決めた王のために武功をあげるお話。その戦い方、生き様で、多くの兵を鼓舞でき、生き方を決めさせる。そんなことのできるのは、やはり彼が大将軍であるからに他ならない。ここに直接関係ないけど、「戦にては大将軍を魂とす、大将軍臆しぬれば兵(つわもの)みな臆病なり」と日蓮大聖人もおっしゃっている。

この作品でシリーズ最後というのが惜しいものの、王毅と敵将・武神と恐れられる吉川晃司のホウエンとの愛する女性をめぐる因縁など、伏線回収ができた。この大将軍二人の戦いは本当に見ごたえがあった。まさに手に汗握るといおうか。もちろんシン(信・山﨑賢人)も頑張ったしキョウカイ(清野菜名)も変わらず強かった。飛信隊のメンバーも戦って戦い抜き、命を落とすものも出て( ノД`)人数が激減した。それでも誰も(びびりはしても)戦を捨てて逃げ出したりはしなかった。また、これまで王毅の影のように付き従ってきた要潤の謄が目の覚めるような戦いぶりを見せてくれた。今回は今まであまりスポットが当たってこなかった人たちが活躍した回と言えるかもしれない。惜しいなあ、やっと小栗旬が出てきたのになあ。(-_-;)だけどこの規模でずっとこの先まで何本もつくるのは、特に役者をキープするのが大変だろうと思う。これまでのキングダムを一本でも見ていて、これをまだ見ていない人には特にお勧めです。

 

 

「フライミー・トゥ・ザ・ムーン」も、別の意味で面白かった。

 

 

なにせ軽妙なコメディだから。旧ソ連とアメリカの宇宙開発をめぐる争いのなかで、少し遅れをとったアメリカは、いま月着陸を成功させなければもう宇宙開発経費は大幅削減されるという瀬戸際にあった。そんなとき、チャニング・テイタムらNASAのスタッフは大まじめに頑張っていたのに、政府のとある要人(かなり胡散臭い)は、ほぼ詐欺師に近いPR会社のプランナー・スカーレット・ヨハンソンを雇い、NASAの活動のPRを始めた。そして、秘密裏に、アポロ計画が成功しなかったときのためにフェイクの月面着陸映像を作成して、いざとなったら・・・いやそうならなくても・・・さしかえて世界に放送しようとしていた。しかし、それを恋人同士になったさきの二人がなんとか阻止し、実際の着陸を成功させるのだった。などと書いてしまうとつまらなくなってしまうが、実際は映画を見てみてください。鍵になるのはクロネコです。(=^・^=)にゃん。余談なんだけど、スカーレット・ヨハンソンの着るあの当時のファッションがなかなか素敵だった。

 

「もし徳川家康が総理大臣になったら」

あーごめんなさい、これ、私的には面白くなかったんです。うーん。せっかくの企画で、最後に言いたいことはわかったんですけど、あまりにも・・・。信長も秀吉もステレオタイプ過ぎで、いい役者をそろえた割には成功してないですね。

 

「化け猫あんずちゃん」

 

これもねえ。森山未來とか市川実和子とか鈴木慶一とか、やっぱり実写のほうがいいですよね。

 

「ブルーピリオド」

 

 

これは私の好きな種類の作品。

これまで何をやりたいのかわからずになんとなく過ごしてきた高校生・八虎(眞栄田郷敦)が、美術の先生(薬師丸ひろ子・役柄が似合ってた)や先輩(桜田ひより・彼女もよかった)に影響されて、「絵を描きたい」という欲求に目覚めた。そしてがむしゃらに描いて描きまくり、ついには美大進学のための予備校にも入り、最難関である東京芸大に油絵で入ろうという目標を立てた。ええ~、なんと無謀な、と思うのだけど、彼は大真面目だ。凄いパワフル。若いのっていいなあ。

 

彼に同じく影響を与えるのは、高校の同学年でジェンダーレスなユカちゃんこと高橋文哉くん。彼は8㎏も減量して初めてのトランスジェンダー役に挑んだらしい。もともと可愛らしい彼だけど、女性の可愛い洋服やメイクが好きで、好きな男の子もいる、日本画科志望の子を演じて違和感がなかった。でもやっぱり親には理解してもらえなかったようで、死にたくなって芸大受験を放り出して冬の海に行くのだが、同じく受験生であるのに八虎は彼のSOSで彼のもとにかけつけるのだった。

そして受験の結果は・・・。天才肌の学生を演じた板垣李光人くんも、役になりきっていた。美術予備校の講師、江口のりこもよかった。どうぞ皆さんスクリーンで確認してください。

 

 

「フォールガイ」

 

 

これがまた、同じ監督の「ブレット・トレイン」と同じで、中だるみなく初めのほうから終わりまで楽しくテンポよく見られて良かった。これぞハリウッド的な派手で難しいことを考えずに楽しめる映画。ライアン・ゴズリング、ちょっと小汚く(失礼💦)してもやっぱりカッコイイ。エミリー・ブラントが腕力をふるうところにも驚いた。それにバックに流れるKISSなどの古めのロックが私のワクワク感を盛り上げるのだった。(すみませんねー、時代的にど真ん中なもので(;^ω^))

あ、そうそう、「ここDUNEのパロディ?」と思った箇所もあるし、吹き替えで見たのだけど、最近の声優さんには詳しくないものの、トム役津田健次郎さんの声だけはしっかりわかったっけ。(o^―^o)

 

「ラストマイル」

 

 

8月公開の映画で一番みたかったのはこれ。期待通り8月みたので一番面白かった。

シェア・ユニバース・ムービーというが、ドラマ「MIU404」と「アンナチュラル」、確かに以前見て面白かったと思うけど、あまりはっきり覚えていない。しかし画面にパン屋のカモフラしたワンボックスカーが出て、綾野剛と星野源が乗りこんだり、石原さとみと頭を掻きながらの井浦新が登場して、そこに松重豊がお小言言ってたりすると、わあーっとなった。(;^ω^)制作サイドの思うつぼかな。

オープニングで、配送車が走るバックに流れるアメリカ(というグループ)の「ベンチュラ・ハイウェイ」も、かなり私のツボ。(^^;)思わず脳内でハモってしまった。

 

あらすじは、多分モデルはアマゾンだろうが、本社がアメリカの世界規模通販サイトの日本の巨大配送センターから配達された荷物が爆発し、一人が亡くなった。それから次々に同じように同センターから配達された荷物が開けたとたんに爆発したため、ブラックフライデーを前に新任センター長の満嶋ひかりとその副の岡田将生が、新たな爆発を阻止するために戦うというストーリー。

犯人はもちろん同社と配送センターに恨みをもつ人間。下請けの配送会社羊急便の社員と孫請けの業者も、配送料を買いたたかれてギリギリで仕事をしている。その孫請けの親子・火野正平と宇野祥平、羊急便中間管理職の阿部サダヲ、刑事の大倉孝二と酒匂芳、みんな凄く味があった。テンションの高い行動力抜群の満島と、テンションの低い岡田将生の対比も面白かった。

犯人のネタバレに関わることは書かないが、これは配信を待つよりも大画面で見たほうが迫力が違っていいと思う。これもお薦めです。