ルックバック、言えない秘密、KINGDOM 大将軍の帰還、化け猫あんずちゃん、フライミー・トゥ・ザ・ムーンの5本。
「ルックバック」はもう書いたので、そのあとのから。
★言えない秘密
これはGWに台湾関係の映画として書いたもの。ジェイ・チョウの原作映画(主演・原案・脚本・監督も彼)を、私はたまたま公開当時見ていたのだった。わが街には当時(もうなくなってしまったが)2ホールのみの映画館があって、私は今ほど近日公開映画の情報を集めてはいなかったが、そこにいけば、たいていそれなりに満足できる映画が見られて好きだった。古かったので、映写室を人が歩く音が上映中に聞こえてしまったこともあるけど。(^^;)
今回の作品は、原作をリスペクトしながらも、現代日本風に良く改変していたと思った。まず、主人公湊人(SixTonesの京本大我)は音大ピアノ科の学生で父と二人暮らしだったが、ジェイと違って父親が同大学の指導陣ではなく、地元喫茶店のマスターだった(尾美としのり)。留学したのにトラウマをかかえて戻ってきた湊人は、キャンパスのはずれで、普段使われない古い木造の校舎から流れる知らないピアノの旋律を聞き、思わず中に入って行って、ピアノを弾いている雪乃(古川琴音)に出会う。その曲名は「Secret」。(これが原題・副題が「言えない秘密」だった)その後も何度も彼女とはほとんど前触れなく出会い、しかも会っている時間は短かった。湊人は彼女に惹かれていったが、彼女は自分のことをあまり語らないミステリアスな存在だったし、同じ学校の学生なのに彼女のことを知る人は少なかった。
どの程度ネタバレに注意して書くべきなのか難しいなあ。(-_-;)
ジェイが見た目も中身も骨太な感じなのに比べ(そしてピアノ対決のときのピアノも吹き替えなしで自分で弾いていたそうだ)、京本君はスリムで綺麗で繊細な今風の日本人の男の子。雪乃は、原作のグイ・ルンメイが美少女だったのに比べると、悪いけど親しみやすい感じ。(^^;)でも琴音ちゃんは演技力があるからね。彼女の服装が、普通にお嬢さんぽいというか、湊人の同級生の女子に比べレトロ(私が若かったころみたい)なのには訳があって、つまり彼女の生きていたのはそのころだったのだ。
私が見に行ったのはちょうど、公開してしばらくたってからの舞台挨拶上映。登壇したのは、河合勇人監督、京本君、琴音ちゃん、大学の友人役の三浦獠太くん、坂口涼太郎さん。ヒット御礼のご挨拶してくれたり、ガチャをひいて出た質問に答えたりしてくれた。故人で誰に会いたいか、といえば、監督は、尊敬する成瀬巳喜男監督にお会いしたいと。ほかの人たちは、言葉を交わすなんて恐れ多いが、マイケルジャクソンのライブステージを見たいという人が多かった。人生最期の日は普通にいつもどおり過ごす(坂口さん)とか、急にものをポンと放って来られても、運動神経鈍いからうまくキャッチできないとか(京本君)(@_@)、上の写真にもある浜辺(君津あたりだっけ?)のシーンで使うつもりで流木を持っていったら、現地にイメージぴったりの流木がすでにあったので持って行ったのは使わなかったとか、撮影地でお気に入りの場所は古い音楽棟前のベンチ(主演ふたり)だとかいろいろ盛沢山だった。
あの練習室のピアノでSecretを弾いた時だけタイムリープできる雪乃。相当な年月を飛び越えて古くなった校舎の練習室に現れる。また湊人に会いたくて。しかし、彼女には無理のできない病気があった。現在と未来を行き来した雪乃は自分の命の終わる時を知っていたので、ひとりで湊人のお父さんの喫茶店に行き、そこで将来の湊人のために真心からの贈り物をする。それが・・・・もうここでやめておこうかな。
実は原作のほうがいいのではないかと思って見始めたのだったけど、見終わったら、爽やかで、でもしんみりともして、若い人っていいなあとも思って、これはこれでとても素晴らしいと思った。明るくなったら、近くに座っていたオトナ女子たちが見えたが、結構ぼろぼろ泣いていて(・_・;)「あ、やっぱ、泣くんだ」と、少したじろいだ。・・・私昔原作見た時泣いたっけ?(;''∀'')でもあの時も、とても見終わった感じが良かったはずだな。