P.A.WORKS制作の劇場版アニメ「駒田蒸留所へようこそ」。今公開中で、評判もよい。
アニメ映画はたくさん上映されているけど、あまり見に行かないほうである。でも、最近国産の蒸留所が気になっているので鑑賞。私の場合、蒸留酒のウィスキーに比べると、ビールをはじめとする醸造酒(ワイン・日本酒など)のほうがなじみなのだけど、9月に北海道を旅行して余市にあるニッカの博物館も見学してきたし、車でなければそこでお得に試飲できるサービスを利用してみたかった。(^^;)あ、焼酎も蒸留酒だが、これもウィスキーよりなじみが深い。そして私は今のところウィスキーよりもブランデーが好きかな。どっちにしても水などで薄めないと飲めないので、「通」にはなれそうもない。(-_-;)下は入場者特典の冊子と、主題歌の聴けるQRコードがついたカード。
 
 
さて、長野県にある小さな御代田酒造駒田蒸留所は、まず「糸」というウィスキーを生み出し、その後「独楽(こま)」というウィスキーを製造し、全国にコアなお客様を持つようになった。
お爺さんからお父さんへと受け継がれた蒸留所。お母さんはお酒が飲めないが、ただ独楽だけは飲めるという。しかし、東日本大震災で、その大切な工場が大きなダメージを受けた。東日本大震災というと、つい東北太平洋岸の津波により甚大な被害を受けた3県を思い出してしまうが、
茨城も千葉も長野も、大きな被害を受けたのである。設備やせっかくしこんでいたお酒が大きなダメージを受け、小さな家族経営の蒸留所は、従業員をまもるために苦渋の決断をした。すなわち、しばらくの間は、製造に何年もかかるウィスキーをつくるのをやめ、焼酎をつくってその場をしのぐことにしたのだ。しかし、独楽の製造にプライドと情熱を持っていた長男は辞表を出して行方知れずとなり、無理を重ねた社長(お父さん)は倒れて亡くなってしまった。そこで、東京の美術大学に行かせてもらっていた長女の琉生(るい)が大学をやめて帰ってきて、新社長に就任し、再びのウィスキー作りを目指した。
ウィスキーを作るには、いい大麦と麦芽といい水で麦汁を作り、酵母を加えて発酵させもろみを作り、それから数回ポットスティルで蒸留してアルコール度数を増し、木の樽のなかで3年以上寝かせて原酒を作る。製品としてはシングルモルトのウィスキーもあるが、多くはブレンデッドウィスキーといい、いくつもの原酒とグレイン(ほかの穀物で作ったもの)やフレーバーを混ぜて、独自の味と香りをもったウィスキーを産み出すのだ。
その水の違いや、蒸留方法や、ポットの形や、樽の材質や大きさの違い、もちろん熟成期間の違い、ブレンドのレシピなどで、個性の違うウィスキーができあがる。
琉生は、お父さんが残った独楽を顧客にほとんど売ってしまっていたため、そのほかの残っている原酒をかきあつめてなんとかしてまず「わかば」と名付けたウィスキーを作った。これは知る人ぞ知る国産ウィスキーという感じで小さくヒットした。(わかばと言えば、紙巻きたばこだと思う私は、やっぱり中高年。💦)でも小さな工場では毎日が経営的に綱渡りの日々。WEB雑誌の新人編集者(主人公)が駒田蒸留所へ取材にいくと、琉生と言い争っている若い男性がいたが、彼は出て行った兄だった。兄は近年発展してきた酒造会社に入社していて、琉生に合併を勧めにきていた。ここより大きい会社の傘下に入れば、経営は安定して従業員を守れるだろうと。しかし琉生は断った。彼女が目指しているのは独楽の復活。独楽は彼女にとって、従業員を含めた一家の絆と団欒の象徴であった。独立した会社でいないと、独楽を再び製造することはできないだろう。
 
 
 
やる気のなかった編集者だが、彼も琉生の本気に打たれて、真摯に記事を書いた。彼の記事のおかげで、ほかの蒸留所に独楽の原酒(癖が強くて利用されなかった💦)が保管されていたことがわかったり、個人コレクターが所蔵していた製品の独楽を送ってくれたり。
これで念願の独楽が作れると喜んだ矢先、補修費がなくて電気系統が古びたままだった工場が漏電のために火事になり、またせっかくの原酒が失われてしまった。もうこれで終わりかと従業員を集めた琉生だったが、彼女についてきてくれていた彼らは、同じく独楽を再び作りたいという夢を共有していた人たちだった。・・・・・・・・これ以上は書かないでおきましょ。
 
そして、とうとう独楽が再び製造できるようになり、兄も戻ってきてくれ、従業員も含めひとつの家族のような駒田蒸留所は活気をとりもどして存続していくのだ。
 
下はおまけの冊子のページ。日本のあちこちに、小規模だが誇りをもってウィスキーを製造している蒸留所があるようだ。映画に登場した蒸留所も含まれている。やはり水のいいところに立地していると思われる。ポットスティルの形も個性的だ。同じニッカウィスキーでも、余市蒸留所と宮城峡蒸留所とでは、ポットの形も蒸留の仕方も違うとのこと。余市のほうは直火なので燻した香りがつよく、宮城峡のほうはマイルドなのだそうだ。
 
 
Facebookで見つけたのだが、ロッテチョコレート内にYOIYOというウィスキーインチョコレートのブランドがある。国産のクラフトウィスキーをくるんだチョコレートなので、ウィスキー好きにも洋酒チョコレート好きにもアピールする製品だと思う。残念ながら私はどっちもそうでもないのだけれど、(前に別のブログで描いたが、バッカスはつい買ってしまう。沢山は食べないが)このYOIYOには興味がある。買おうかな。今回は安積蒸留所のお酒が採用されたとのこと。
 
 
 
映画内でも、様々なウィスキーが(かっこよく)飲める、カウンターのみのオーセンティック・バーが数件出てきたが、そんないきつけのお店ができたら素敵よね。「BARレモンハート」という漫画&ドラマも見ていたけど、あんなマスター(ドラマでは中村梅雀さん)のいるお店に出会いたいものだわ。
 
 
場所が安積といえば、この写真は磐梯山と猪苗代湖かな。増子敦貴くんが郡山出身だそうだけど、郡山はこのすぐそば。日本酒もワインもそうだけど、やはり製造した場所の気候などの影響は少なからずあると思う。
 

 
こんな佇まいの蒸留所らしい。いい感じ。
 
 

お酒の類、割と好きなのに、あまり飲む方は強くないのが残念。(^^;)

ちなみに最近冷蔵庫に入ってるのは、ビールはマルエフ(「お疲れ生です」の)、最近出た3.5%のアサヒスーパードライ・クリスタル、ノンアルビールはサッポロのクラフトIPAタイプ、そしてシードルはラシャス(フランス輸入)が好きだけど、ラシャスはこのごろ売ってるのを見つけないのよねえ。