日曜夜22時からの枠のテレ朝ドラマ。これの前シリーズには「日曜の夜くらいは・・・」を岡田恵和氏脚本で放送していた。評判は良かったと思うが、全話録画していたのに実はろくに見ていなかった。( ̄▽ ̄;)その前のTBSドラマ(伝統ある日曜劇場)を見てしまうと、ちょっと疲れるからかな。ほかに観たいドラマがありすぎて、時間が取れないからかな。
でも今回シリーズ(何曜日に生まれたの)は、かのVIVANTを見てもまだ続けて見られる。それどころかVIVANTもこれも録画していて、VIVANTがよく79分とかのはみ出た長さで放送するから、リアルタイムでどちらかを見て、その後であらためて録画した別のものを見ている。
 
脚本は野島伸司氏で、バブルのころからたくさんのヒット作品を世に送り出していた人だ。氏の特別のファンではなく、そんなに彼のドラマを何本も見ていたわけでもないが、なんとなく気になって見始めた。氏の作品では、今やオールディーズとなっているかつての洋楽ヒットポップスをテーマとして使うことが多いという。言われてみれば、「高嶺の花」(「高嶺のハナさん」ではない💦、石原さとみと芳根京子が姉妹でバーチ―こと千葉雄大がワルい役だったほう)では「ラブ・ミー・テンダー」が流れていて、「いい曲だけどなぜ今?」と思っていた。そういえば、カーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」やクイーンの"I was born to love you"(キムタクのアイスホッケードラマ)もそうだったようだ。
 
今の「何曜日に生まれたの」略して「ナンウマ」では、オープニングとエンディングにホリーズの「バス・ストップ」が流れている。それ以外の音楽としては、好きなドビュッシーのピアノ曲「ベルガマスク組曲」が印象的に使われている。私はバス・ストップが流行ったころ(1966年だったか)にはまだ洋楽のヒット曲なんか認識外の年齢だったが、つまり子供だったが、のちに中学の委員会で「報道部放送班」というのに配属されたとき、担当の先生からこれの入ったコンピレーションの洋楽レコードをもらって聞いていた。中学生くらいのときの記憶力といったら凄まじいもので、もうジャズの歌詞がなかなか覚えられなくなってしまいあの頃が羨ましいが、今でもドラマで流れてくると「そら」でしっかり歌える。・・・というか、歌わずにいられないのだ。( ̄▽ ̄;)
Bus stop waiting she's there I said please share my umbrella,
Bus stop bus goes she stays love grows under my umbrella,
All that summer we enjoyed it , wind and rain and shine,
That umbrella we employed it,  by August she was mine       
歌詞を検索しないで書いたから、間違っているかもしれないが、こんな感じである。
 
主人公の黒目すい(飯豊まりえ)は、高校の時サッカー部の3人いる女子マネージャーの一人で、部のエース江田悠馬といい感じだった。父は漫画家で、母が浮気している現場に彼についていってもらい、自分の代わりに彼に証拠写真を撮ってもらったりしていた。部には彼に抜群のパスを渡すMFの雨宮純平もいて、お金持ちの御曹司でもあり、女子の人気の的だった。試合が近づいたある日、すいは雨宮に話があると誘われ、バイクの後ろに乗って海に行く。そこでとある告白を受けた後、二人の乗ったバイクは単独事故をおこし、すいは軽症だったが雨宮は大けがをし、試合出場どころかその後サッカー選手としての道は絶たれた。サッカー部は好成績が期待されていただけに学校ですいは非難され、試合に負けたうえやきもちを妬いた江田にも、江田のことが好きな親友の瑞貴にもひどいことを言われ、いたたまれなくなって転校・引っ越しをした。
 
それ以後10年にわたって、離婚した父と二人で家にこもって誰とも連絡をとらずにテレビゲーム三昧で暮らしていた。なのにある日、同級会の案内状が届いてしまった。そして同じ時期に父(絵はいいがストーリーが面白くなくて売れない)に連載打ち切りの話がきて、経済的に行き詰った。そこで編集長が出した案は、人気ラノベ作家の公文竜炎とコラボすることだったが、公文からの条件は、コモリビトすいのリアルな話を漫画化することだった。父はとんでもないと断ろうとするが、家賃を払えなくなるので仕方なく同意した。すいがよければ・・・ということなのだが、意外にもすいは、公文の持つアガサという少女のフィギュア(高価)をくれるなら、とOKしたのだった。(@_@)アガサはすいが気に入っている公文の書いた小説のキャラクターで、毎日毎日自殺しようとし、それをそのたびにアンディ・キムが止めるというストーリーだった。アガサが水に飛び込めばアンディも飛び込み、酸素ボンベをつかって二人浮上するというように。ペントハウスに住む公文は絶対その中の自分の部屋に他人を入れない。かなりの変わり者だ。お目付け役として編集長は妹の芽衣を居候させている。
下は最新の人物相関図。アガサが実在するということは第6話で初めて明かされた。公文がどこかに匿っているらしい。彼女が公文の唯一無二の大切な人なのだろうか。
 
 
 
10年経って、やっと外に出た(コンビニくらいには出かけていたが)すい。すいの移動手段はまずバスだ。なぜなら幼い時にホームからの飛び込み自殺に遭遇したすいは、電車に乗れないから。でもおしゃれして出かけた同級会の会場入り口で、やっぱりすいは過呼吸になりかけトイレに籠った。会がすっかり終わった頃にやっと落ち着いて帰り道を歩いていると、二次会のカラオケボックスから外の空気を吸いに出てきた江田に見つけられ声をかけられた。これは運命なのか。すいは彼に「ナンウマ?」と言う。ここからすいの10年間の引きこもりへの答え合わせが始まっていった。「何曜日に生まれたの(ナンウマ)」とは、東南アジアなどでは西洋占星術や血液型とかではなく曜日占いが盛んで、あいさつ代わりみたいにそういうことを訊いたり話題にしたりするから、覚えておいて言葉に詰まったら使いなさいと公文に教えられたのだ。そしてすいの持ち物には盗聴器が仕掛けられていて、公文・父・編集長・芽衣らがモニターしていたのだった。あ~あそんなことしていいのかなあ。(゚Д゚;)しかし盗聴をもとに公文が書いたシナリオで描かれた漫画は好評で、連載は続いた。
 
毎回彼らの10年前と今の知られざる事実が出てきて、一話も見逃せない展開である。すいは何かをきっぱりと述べるとか、内容にこだわるとかするよりも、その場をなんとかしのごうとするから、ついウソも出てしまう。彼氏いるんだろうと言われるとうなづくが、本当はいない。会わせろとか電話かけろとか同級生連中に迫られて、仕方なく公文に替え玉(?)を頼んだ。公文は自分が書いている世界に入りたくないが、すいを助けるために本名の三島公平と名乗って、黒目父の担当編集者として登場した。そうしているうちすいは公文に惹かれていった。
 
さてー、これ、ネタバレになるからどうかなと迷ったが、やっぱり書こう。雨宮がすいを乗せてバイクで海に行ったことで、周囲の連中(雨宮の自他ともに認めるストーカーのりり子など)はすっかり雨宮がすいに愛の告白をするのだろうと色めき立った。それですいの運命は事故後に大きく狂わされたのだが、雨宮がすいに告白したのは、実は自分がゲイだということだった。
(゚Д゚;)この当時雨宮は江田が好きで、江田と両想いのすいに、付き合うのは試合が終わってからにしてほしいと頼んだ。すいは、マネージャーだから当然とOKした。事故後辛い時にもすいはこのことを誰にも話さず、お墓まで持っていくつもりだった。雨宮はそんなすいの負担をなくし、きちんとみんなと、また事故と向き合うために、第6話では相関図下段のみんなの前でこれを告白したのだ。雨宮は相当な覚悟で打ち明けたはずだが、周囲は割とフランクに受け入れてくれた。江田がちょっと気まずそうにしていたが、「お前のことが好きだったのは高校のときの話で、俺も大学・社会人で、既に何人かと付き合った」と雨宮。この子の言動(ここには書ききれないから書かないが)、私は結構好きだ。
 
彼らはもうそれなりの年齢だが、高校生役を演じているときは本当にキラキラしていて眩しいくらいだ。今はちょっと人生にくたびれかかった(私よりずっと若いが)、しかし実力の身についた、大人になってきていて頼もしい。コモリビトにならなければすいもこうだったのに。
第6話の海辺でそれぞれが告白をしあって、すべてが明らかになったかと思ったが、実はまだ一波乱か二波乱かあるらしい。この先が楽しみだ。でもすいには自分で歩いて幸せになってほしいなあ。・・・ちなみに私は「惚れっぽい」金曜日生まれである。