GEOから借りたものはBLだけではありませんぞ(^^;)
いくつか借りたもののなかに、前から見たかったハンズ・オブ・ラブがある。
BLじゃあないけど主人公たちは百合である・・・。( ̄▽ ̄;)
ニューヨークの隣、ニュージャージー州のオーシャンカウンティ(郡)で刑事をしているローレル・へスター(ジュリアン・ムーア)。相棒のデーンとともに違法薬物の取締など、体を張って果敢に20年以上働いている。彼女は友人に誘われてある日少し離れた町でバレーボールの練習試合に出た。その相手チームにいたトレイシーは彼女を見初めたらしい。帰ろうとしたローレルと外で電話番号を交換する。紙がないわというと自分の腕に番号を書かせて。 年齢はかなりローレルの方が上だけど。
その後トレイシーがローレルに電話したのは言うまでもない。二人は大きなバーでデートするが、フロアのダンス音楽がスロウになったとき、「あれ?」と思ったのは、男性同士で踊っている組がみえたような。だからここは多様な趣味嗜好の人が来る店なんだろうな、と思ったが、ローレルはカウンターで会話している二人連れの男性を見て、さっと外へ出た。追いかけてきたトレイシーが「置いてきぼり?」と訊くと「違うわ」。タバコが吸いたくなったのだと。実際ローレルはしばしば喫煙しているが。(後でわかるが、カウンターで見た男性は、実は同僚刑事だったみたいだ。)
1年後、二人は同居するための家を買い、村役場でパートナーシップ証明を受領した。
下は不動産屋さんと家の内見に来た二人。「お二人はご友人?」と訊かれて、ええ、そうです、友人で同居人と。「美しい彼」でも、原作のほうの「チェリまほ」でもこの辺は苦労するところだ。ちなみにこの二人の場合、「くろあだ」とか「ひらきよ」に習うと、トレ・ローって言う?(^^;)
制度はできていたが、婚姻届けと違って役場職員が慣れていないので時間がかかったものの、二人は無事にパートナーと認められた。そうして、ローレルがローンを支払い、トレイシーが内装工事をし、犬を飼い、ローレルは優秀な刑事、トレイシーは車の修理工場で整備士として働き、むつまじく生活した。トレイシーは亡くなったパパ仕込みの腕で、その辺の男性よりもタイヤ交換が速い。
ローレルの相棒デーンが新居に祝いの鉢植えを持ってきたが、トレイシーを庭師と勘違いする。それまで打ち明けていなかったローレルは彼に自分の性指向についてカムアウトした。初めは混乱して秘密にされていたことに反発したデーンだが、やがて受容するのだった。
ところが、世の中そううまくはいかないもので、ローレルに病気が発覚した。肺癌である。スモーカーだもんねえ。(-_-;)既にターミナルステージなのだそうだ。高額な治療費、病気休暇の不足、家のローン、その他もろもろの問題が二人にふりかかる。そこでローレルは自分の公務員としてかけた年金をトレイシーに残そうと考える。これが夫婦だったら、普通に、残された配偶者に支払われるものだが、正式な婚姻でない二人の場合、前例がなく難しい。郡の裁定委員会みたいなところ(原題がfreehold)
に上申するが認められず、デーンはあちこちに掛け合う。マイノリティの権利を擁護する会の代表は、ゲイでユダヤ教徒の男性。どこかで見たと思ったら、「40歳の童貞男」などに出ていたイケメンのコメディ俳優スティーブ・カレルだった。彼らはプラカードを持って裁定委員会の傍聴に来たりデモをしたりし、委員会を取材した地元紙の記者が記事にしたりして、徐々に機運が上がっていった。
だんだんローレルの命の灯が弱くなってきた。もう積極的な治療はしないと主治医に言われ、髪の毛が抜け落ちたので坊主にし、ステイシー、ローレルの妹、ステイシーの母らで自宅介護している。ローレルが分け隔てなくみんなに協力していたことを思い出し、警察では孤軍奮闘のデーンに協力する同僚が出てきた。あのバーで会った彼も、自分はゲイだとカムアウトし協力する。マイノリティの会の代表は知事とのコネを出し、裁定委員会の一人からはデーンは委員の年金について情報をもらい調べ始めた。
そしてこの日。ようやく出てきたローレル。ステイシー、妹、母、デーン、支援団体。傍聴席には初めて同僚たちもかけつけた。あらためて請願するローレル、人前で話すのは苦手だがずっと二人の家で暮らしたいと気持ちを述べるステイシー。ようやくこの日、委員たちの意見が一致して(一人は欠席したが💦)州知事まで案件があがり、ローレルの死後に遺族年金がステイシーに支払われることが決まった。保守的な地域でのこの決定は、全米に報道され反響を呼んだ。
ローレルは亡くなったときに警部補に昇進し、死後7年経った2013年、ニュージャージー州では同性間の結婚を認め、2015年にそれは全米で認められることになった。
これが本人たちの画像。ステイシーは今も二人の家に住んでいるそうだ。