とばしながら書いているジャック・フロストなので、第4話についてすこし触れておくと:
律は旅行が楽しかったとおとなりのニット作家の女性にも話していたらしい。まるで付き合いだしたころのように仲良く、でもちょっとぎこちなく(それは内緒ごとがあってやましい気持ちのある郁哉にも、やたらに優しくしかも遠慮がちな郁哉に対する律の思いにもよる)過ごしていた。イラストレーターの律は、出版社からの仕事の依頼について、自宅(郁哉と暮らす家)で担当者と打ち合わせをしたが、その担当者は律の元彼だった。
郁哉はルンルンと(古いか(^^;))いつもの喫茶店できれかかったコーヒー豆とおみやげのケーキを買って帰ってくるが、律は担当者と延々と打ち合わせをしている。その人が挨拶しても、郁哉はいつになく冷淡だ。遅くなってその人が帰ったら、郁哉はこわばった顔で律に言う。「あの人でしょ、律の前の彼氏」「えっ?」と驚く律。郁哉君、俺が男の人が好きだって知ってたの?
仲良く(?)部屋に籠って長々といた律に、嫌味っぽいことをしゃべった郁哉は、頭を冷やすため出ていく。一方仕事の合間に律はコーヒーをいれようとしてキッチンの棚をあけ、そこに郁哉が二人の写真などお互いが恋人同士だという証拠を隠していたお菓子の缶を見つけてしまった。
私は、律がゲイだと郁哉が知っていることに律が気づいたとき、律はどんな気持ちだったろうと想像した。家にいても別荘にいっても、一緒にお風呂にも入らないし自分はソファで寝ている郁哉。それじゃあまるで郁哉は、ルームシェアはしてるものの、律がゲイだから親密なゾーンには入らないようにしているみたいじゃない。(-_-;)それだとやっぱり律が傷ついたんじゃないかと想像した。しかし、律がもっと傷ついたのは、あの缶をあけて仲良さそうな二人の写真をみつけたときだったはず。「なぜ、どうして?」と、不安と疑念が渦巻いたことだろう。現在の自分を形作っている記憶のなかに、一部とはいえいきなり失われたものがあるなんて、きっと心許ない気持ちがしていただろうに、身近な人に何か大事そうなことを隠されていたなんてショックに違いない。・・・やっぱりダメだよ、郁哉くん。嘘はいけないわ。(´;ω;`)
で、ここからが五話。律は喫茶店に弟の柊路を呼び出し、写真をつきつけて糺す。
どうみたって、俺たちつきあってるだろ?お前嘘がつけない性質じゃないか。
柊路は、しかたなく、「兄貴と郁哉君は、めちゃめちゃお似合いなカップルだったよ。」
こんなの柊路が考えたことじゃないよな?と確かめる律は苦しそうだ。柊路は郁哉のために弁明するが、こういうとき律は聞く耳をもたないらしい。
柊路はすぐ郁哉に連絡をいれ、郁哉は家にもどるが律の姿はない。動転した律は出版社にいく約束を忘れていたが、呼び出されてすぐ出版社へ。郁哉は落ち着かず、律の仕事机を探って今日の予定を知り、やはり出版社へ。
律は元彼に、俺と郁哉君、付き合ってたらしいんだと打ち明ける。やっぱりな、と元彼。
だってこの間、凄い顔して俺の事見てたから、絶対この人は律の事が好きだって思ってた。
甘えん坊ではあるが律はこうみえて一本気なのに、この元彼も不誠実なことをして律を結果的に裏切ったから、赦せなかった律は別れていたのだった。
郁哉は我慢できず二人の前に現れ、釈明させてほしいと言うが、律は断る。でも、元彼は、律が怒ると全く話をきかなくなることが分かっているので、そこをとりなして家で二人でちゃんと話をするようにすすめてくれた。
家の玄関に入るなり、律はなぜ隠していたのか郁哉に詰問した。俺のことが好きじゃなくなったから、ちょうどいいと思って隠してたのか?そうじゃないよ。郁哉は謝って、「俺たち、別れたんだ」と切り出した。え、付き合ってたから一緒に暮らしてたんでしょ?いや、律が事故に遭った日、あの日に別れ話をしたんだ。
あれは律の誕生日だったから、郁哉は部屋も飾り付け、1か月前からケーキを注文し、準備万端で部屋を暗くして律の帰りを待っていた。律は仕事のため遅くまで帰らないことや、郁哉のたてた計画を結局キャンセルさせるはめになることなど、郁哉とすれ違うことが多くて郁哉は寂しかった。でも郁哉は律の事が好きすぎて、何も文句が言えなかった。律が帰ってきたら、暗闇からサプライズでクラッカーを鳴らし、ハッピーバースデー!と郁哉。二人はハグしたまま、しばらくの間、帰ってこなかったら俺暗闇の中で死んでたかも~などといちゃいちゃしていた。
そのあとワインなど飲んでケーキを食べて、仲睦まじく・・・。
律、口にクリームついてる。どこ?郁哉は律にキスして、それからそのままソファで抱き合って、脱いだ律から「早く俺を温めて」なんていう殺し文句まで。( ̄▽ ̄;)
いやこの二人、頑張るねえ。(・_・;)いつもちゃんとしっかりキスしてる。役になりきってるんだろうね。監督さんが言ってたんだっけ?打ち合わせで話しているときは本田くん、いい意味で普通の子なのに、本番になるとまったくオーラが違うらしい。妖艶な律になってしまうそうだ。
で、その後郁哉が後片付けしているとき、律に電話がかかってきて、仕事のスケジュールを組んでいた。でもその律が気安く請け負った日時は、一緒に外食しようとして郁哉が予約も入れていたときだった。そういうことがよくあるので、二人は言い合いになり、爆発した郁哉がもう一緒に暮らせないといい、なに、別れるっていうの?と、律が飛び出したのだった。
・・・・そこまで聞いて、何それ俺本当にダメな奴じゃんと律。郁哉は、不満に思うことがあってもいつも言えなくて、それでため込んでついに爆発してしまう自分が嫌で変わりたかった、だから二人の関係を隠してしまった、初めからやり直したかったと打ち明けた。・・・わからないでもないけど、やっぱりこれはやり方がまずかったかな。律の性格を思えば、まず嘘やごまかしはNGだった。30年も結婚を継続している身(σ(^^;))からいえば、相手に期待しすぎるのはやめて、「ま、いっか」と気を抜くことが必要なのよ。郁哉は頑張りすぎかもね。律もそれにだらんと乗っかってるのは良くないけどね。(;^ω^)
律は、そんな大事なことを隠されていたのに、はじめからやり直すなんて無理だ、ここで郁哉君と一緒にはくらせない、と出て行った。まだ「くん」づけのままなんだなあ、律。
そこでエンディングの、光あふれる浜辺の情景になり、miwaの"Love Me"が流れる。郁哉と律が駆け寄ってハグしあう。このエンディングを見れば、最終話でハッピーエンドに舵をきるであろうと思えるが、オリジナル脚本なので原作はないし、見る者のハラハラ感は最後のシーンを見るまで消えないだろう。(^^;)
(思えば「永遠の昨日」のエンディングもそうだったなあ。映ったシーンが明るくて、二人の愛は永遠でも、ハッピーエンドとはちょっと言えなかったなあ)ジャック・フロストのイタズラでちょっとすれ違いが大きくなっただけで、また霜が融けるように二人仲良くなればいいな。