「美しい彼 special edit version」の後に劇場で見た映画3本。
あの「美しい彼 special edit version」、他のブロガーさんに伺ったら、テレビ放映したのをそれほど改変しなかったみたいで、だから前に書いたブログは誤りが多かった・・・というよりも私の記憶力や注意力が足りなかったために、新しい発見や感動があって、嬉しかった・・・ということになるみたい。
読んでいただいた皆様、すみません。m(__)m広い心でお赦し下さいませ。
 
「わたしの幸せな結婚」
 
そりゃあね、私だって、昔少女漫画を描いてたし、今だって、興味はBL>男女の恋愛ものだけど、キュンとしたいとこもありますよ。(^^;)なので楽しみにしていた作品。
原作はコミカライズの第一巻しか読んでないけど、何巻も出ているラノベのベストセラーだし、それだけ人々に支持されている作品ってことは、面白いっていうこと、かつ実写化したくなる内容でもあるっていうこと。金曜の封切りで、日曜に鑑賞。入場特典のしおりがまだ残っていて、GETしました。これは私担当の美容師さんに火曜日きいたことだけど、月曜に娘さんが観にいったがしおりをもらったとは言っていなかったとのこと。なんだか申し訳ない。(・_・;)
 
設定としては、異能を持ったいくつかの家系(超能力って遺伝するものなの?)が認められて栄えている日本社会。普通の軍以外に朝廷を守る軍人には異能を操る(または異能者に対する)特殊部隊があって、隊長は若いが優秀な久堂清霞(目黒蓮)。家柄もよく美しい彼にはたくさんの名家(異能あり)から花嫁候補が来たが、みなさっさと逃げてしまったため、冷酷無慈悲と噂されていた。しかし、そこに斎森美世(今田美桜)が花嫁候補としてやってきた。彼女には異能がなく、先妻の遺児であるため、実家では後妻親娘に考えられないほどいじめられこき使われてきた。縁組も単なる追い出しの口実であったが、彼女は控えめで働き者で忍耐強く、清霞の気に入った。美世も実は清霞が優しい心の持ち主であることに気づき、惹かれていった。と言うシンデレラ・ラブストーリーに、悪事を働いたため宮殿奥に封印されていた異能者たちの反乱という活劇要素も加わり、ダイナミックなVFX多用のクライマックスシーンもある。エンタメ作品として面白かった。
軍服を着た目黒君の後ろ姿は、部下の前田旺志郎君でなくとも惚れ惚れする。😳ほかにも、小越勇輝、大西流星、佐藤新、西垣匠、渡邊圭祐、尾上右近など、若い今が旬のイケメン揃いで、これは昔よくあった、いわゆる青春スター映画なのかと思った。とはいえ面白かったのは間違いなく、続編がありそうな終わり方だったので、ぜひ続編も作ってもらいたい。
 
「Winny」
相当昔のことになるが(今世紀初め位)、ファイル共有ソフトのWinnyなるものが物議を醸したことは覚えている。
 
 
私はよくわからないながらもなんとかつまみ食い的にPCやスマホを使っているが、IT関係には強くないので、この事件も他人ごとだった。つまり、誰でも使えるファイル共有ソフトを開発者の人(金子勇氏・名前を認識したのはこの映画で)が公開し、それを悪用して著作権のあるもの(映画など)をアップロードしている人がいる、ということだった。利益を侵害された人や会社が訴えをおこし、違法アップロード者が逮捕される、という仕組みは理解しやすい。が、開発者も逮捕されて、長い裁判と、対立する立場での議論が続いた。罪名は「著作権法違反幇助」、それってかなりあいまいな概念じゃない?
刃物を使って人を傷つけた者は悪い、しかし、刃物を作った人は罪に問えるのか?
そういって弁護士檀(三浦貴大)は開発者への法的介入を一笑に付していたのだが、なんとそのことが現実になったため、弁護することになった。被告は、ものすごく優秀(東大助手)だけど単なるPCオタクといった、浮世離れした若者金子勇(東出昌大)だった。なんとなくおどおどして、弁が立つとかうまく立ち回れるとかいった様子はなく、ただただPC言語には強くて、子供の時には立ち読みしたPC雑誌の記憶で電器屋においてあるPCをいじり、画面に星空の眺めを作ってしまった。宇宙とPCが好きで、宇宙には手が届かなくても、PCの中の世界なら自分の宇宙を掴めると。子供のように、そこに山があるから登る登山家のように、そこにPC上の問題があるから解決しようとする人だった。(ある意味サヴァン症候群的な人か)。
彼を信じた弁護団は、彼の無罪を証明しょうとし、全国のヲタなネットユーザーたちは、「2ちゃんねる」などを通して募金を呼びかけ、彼を支援した。
だいたい、彼を逮捕する原告となったのが、著作権をもつ会社ではなく、京都府警というのがオカシイ。そしてそのころ、警察の不正を糾そうという動きが愛媛県警でもおきていた。その当事者となったのが、経理担当警官吉岡秀隆だった。彼の孤独な戦いも並列で描かれる。すなわち、Winnyによって、隠したい情報が漏れることを恐れた者たちによる陰謀があったと言える。その警察の姑息なやり方には怒りを覚えた。供述調書の原稿を書いて金子氏に丸写しさせるのである。「後で訂正がききますよね?」「もちろん」なんて、んなわけないでしょ。(;´Д`)アホかあんたは、頭いいのに。・・・そんな金子氏を、減量ではなく増量した(「悩ましい彼」の清居みたい)東出くんが、まるで本人みたいに演じていた。大きな眼鏡でイケメンを消した三浦貴大君も良かった。いつもは変わった役どころの皆川猿時さんも吹ちゃん(吹越満さん)も真面目でびしっとしていた。これは次の日本アカデミー賞にノミネートされるかも。
結局、彼は一度有罪になったが、上告して戦い続け、2011年12月無罪を勝ち取った。けれど、2013年7月に急病で逝去した。東大はクビにされたし、彼がソフト開発できない期間は長きにわたった。彼がこんなことに巻き込まれなければ、日本のIT界はもっと発展していたかと思うのに、残念なことだ。
 
「モリコーネ  映画が恋した音楽家」
原題はシンプルに「エンニオ」。これは、「ニュー・シネマ・パラダイス」などで彼と仕事した監督ジュゼッペ・トルナトーレが、彼の晩年・最後の5年間に彼とその関係者にインタビューした映像でつづった圧倒的音楽ドキュメンタリー。
 
 
彼は昭和初期に生まれ、2020年に91歳で逝去した。子供の時は医者になりたかったが、父がトランペットで生計をたてており、彼にもトランペット奏者になることを強制。そして父が病気の時にはまだ少年の彼がクラブなどで演奏し、家族を支えた。音楽学校に入り、作曲をすすめられて生涯の師と出会い、ストラヴィンスキーのような現代音楽を志向した。でも生活のこともあって、トランペット演奏(うんざりしていやになったらしい^^;)、頼まれごとの作曲(流行歌とか)、現代音楽の作曲と、たくさんのわらじを履いていた。昔は、映画につける音楽としては既成の曲を使っていたらしい。(初期のディズニーアニメなんかはクラシックをとても効果的に使っていたが)。
彼が映画の音楽を頼まれて、世界的に有名になったのは、マカロニウェスタンでか。(英語ではなんとスパゲティ・ウェスタンと言うのだよ💦)今は巨匠になったクリント・イーストウッドの出た「荒野の七人」とかね。(原案はご存じ黒澤明監督の「七人の侍」)。口笛で始まる大胆な構成と親しみやすいメロディーは、映画のヒット以上に曲として人々の心をつかんだのだった。しかし映画音楽で成功しても、クラシック音楽界では彼は蔑視されていた。映画音楽の芸術的価値が低く見られていたためである。だから何度も映画の作曲はやめようと思っていたそうだ。それに、ものすごく多作なので、別人に曲を書かせているのだろうと言われたり、当の映画音楽でも、なかなかアカデミーの主題歌賞や音楽賞はとれなかった。こういうのは誰のせいでもなくて、時のめぐり合わせなのだろう。やっと「ヘイトフル・エイト」で6回目のノミネートにして初受賞。そして、アカデミー協会は彼の映画に対する貢献に、特別表彰をして名誉賞を贈ったのだった。表彰台で彼は客席にいる妻のマリアさんに感謝を述べた。彼はマリアさんにまず作った曲を聞かせて、彼女が好きだといったものだけを提出していたそうだ。とても素敵なご夫婦。(o^―^o)マリアさんは、ドラマ「ジャック・フロスト」の本田響矢くんのような顔立ちの綺麗で優しげな人だった。
インタビューの出演者も多彩だった。パット・メセニー、ブルース・スプリングスティーン、セルジオ・レオーネ監督の子供さんたち、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ジャンニ・モランディ、フランコ・ゼッフィレッリ(ご存命でしたか^^;)(2019にご逝去)など。
シシリアン、アンタッチャブル、海の上のピアニスト、ニュー・シネマ・パラダイス、ミッション、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカなど、彼が曲をつけた映画はたくさんあるが、気づくと私は大作なのに見ていないものがいくつもあった。(;´Д`)これはおいおい見なくっちゃ。
 
おまけ;私は古い人間なもので、むしろ画面に登場するいくつもの古い映画のシーンに興奮していた。あら、アラン・ドロン、わ、リノ・ヴァンチュラ、リー・マーヴィン、きゃあバート・ランカスター、みんな若い~!なんてね。(;^ω^)・・・あ、その公開当時私は子供でしたので、お間違いなきよう。m(__)m