エゴイストまではすでに書いたので、まずは「別れる決心」
韓流映画はたまに見るけど、この監督の作品は多分見たことがなかった。監督ファンの人が、私も入っているFacebookの映画ファングループ(おもにうちの県民のみ)に書いた文章によれば、すごく素晴らしい作品だと。BTSの誰かも何回も見たと絶賛していたんじゃなかったかな。自分としては、1回見ただけではちょっとわからないところがあったので(正直ほんの短時間だと思うが寝落ちした💦つまらなかったわけではなくて、単に寝不足だったため)アメブロで映画の感想をつづっておられるかたのブログを渉猟し、こちらのブログをリブログさせていただくことにした。快諾ありがとうございます。

このソレ(夫殺しの疑いをかけられている中国人妻)がとても綺麗でとても妖しくて、たいそう魅力的だったし、ヘジュン(主人公の刑事)の奥さんがまた、すかっとしたキャリアウーマンで、ソレとは対照的だけどやはり魅力的だった。そしてヘジュンが犯行の様子を想像するときに、現場に自分自身が入り込んだ画像が奇妙で面白かったし(「100万回言えばよかった」みたいに幽霊になっているわけではないから、投げつけられた物体が自分の中を通り抜けたりはしない(^^;))、ラストシーンの場所である海辺の砂浜が、凄絶ともいうべき美しさと滅びの悲しさとを表わしていていて、印象深かった。

 

「シャイロックの子供たち」

池井戸潤が半沢直樹よりも前に書いていた、彼の原点ともいうべき作品を映画化したもので、制作にはかなり池井戸氏も加わっていたらしい。

 

 

シャイロックとは、ご存じシェイクスピアの戯曲「ヴェニスの商人」に出てくる、ユダヤ人の強欲と評判な金貸しのことだ。まあ金貸しという職業柄、人に慕われるというより恨まれることのほうが多いだろうから、良くは言われない。彼が貸した金を回収できなかったら、代わりに借主の胸の肉を1ポンド貰うぞというのが契約内容で(そんなご無体な契約あり?💦)、実際返せなかったから、法廷でシャイロックは胸の肉をよこせと迫る。しかし明晰な裁判官は、血液については証文に何も書かれていないから、一滴の血も流さずになら胸の肉を切り取っても良いと判決を下すのだ。(つまりスプラッタなことは実行されない)

子供の時はヴェニスの商人を読んでその判決に胸のすく思いをしたものだが、今は違う。ユダヤ人もその商売も差別されていたから、こんな意地悪いことを言ってみたくなったんだろうと思う。そして映画冒頭で銀行マン佐々木蔵之介が奥さんと一緒にこれの舞台を見たあと、奥さん(森口瑤子)は言う。お金貸したほうが悪いように言われてたけど、お金借りて返さないほうが悪いんじゃない?・・・・その通り、それがこの映画の通奏低音かな。シャイロックの子供って、今の銀行員のこと?むしろ偉そうに見えることもあるけどね。(^^;)

 

 

世の中には思いもよらない方法で銀行をだまして大金をせしめようとする輩がいるものだ。びっくりした。そして、私の場合だと、札束を見ると緊張して辺りを見回しつつコソコソとしまうのだが、「銀行員ってみんなあんなに気楽に大金を扱うの?」と、お客さんに持っていくお金を紛失した玉森君を見て思ってしまった。そんなわけないよね。(・_・;)あと、収支が合わなくなったお金を役付きみんなで出し合うところとか、さもありなん。叔父が某地銀の支店長だったときは、抜き打ち査察で35円くらい合わなかったことがあって、「〇〇君、そのへんに落ちてないか?」と偉い人に言われ、こそっと自分の財布から出して「ありました」と言ったというエピソードを思い出した。(;^ω^)銀行って1円合わなくても大変なんでしょ?

最後はちゃんと落ち着くところに落ち着くので、どきどきはらはらしたけど安堵した。安心してみてください。とても面白かったけど、映画でなきゃなくても、スペシャルドラマでもいいかなとも思った。m(__)m上手な役者ぞろいで、楽しめます。

 

「BLUE GIANT」

これ、絶対見たかったけど、ほんとに見てよかった。ジャズなんて普段聞きません、わかりまっしぇんと言う人でも、音楽好きなら見て損はない。原作漫画もすごく面白いらしいが、私は漫画は未読。ただ音楽監修とピアノが上原ひろみ、ドラムスが石若駿ときくとそそられた。サックスはオーディションだったとのこと。なにせ一番大事なパートなのだ。選ばれた馬場智章さんのサックスも熱量があってよかった。もうさっそくサントラCDを買ってしまったわ。

 

仙台からサックス1本でジャズの世界で身をたてるために上京した宮本大(声は山田裕貴)。大学進学のため上京した友人玉田(岡山天音)のアパートに転がり込み、昼はバイトをし、夜には今まで練習していた仙台の河原に似た場所を探して、サックスの練習をする。寒空でも暑くても毎日。ある夜訪れたライブハウスで、同い年のジャズピアニスト沢辺(間宮祥太朗)に遭い、一緒にやろうと誘う。ひょんなことからリズムサポートにはいった玉田は、部活も学業もそっちのけでドラムの練習をすることになる。そしてトリオ「JASS]を結成し、十代のうちにジャズの名店であるブルーノート・・・じゃなかった"So Blue"に出演することを目標にする。しかし夢がかなう直前に災難がふりかかる。

もっと長い長い「いきさつ」があるのだろうが、うまく短くまとめていて、その分の時間を演奏にふりむけているのがありがたい。宮本はのちにジャズの道で成功したらしく、その若いころについてインタビューを受けるという形で、何人かが彼を語っている。とにかく、意気込みと熱量がすごかった。BLUEというのは、燃焼温度が低いと炎は赤くて、もっと高くなると青白くなる、そういう意味のブルーらしい。舞台の上で彼らはブルーの炎のように演奏するのだった。演奏しているときに映されるアニメーション、実写だと演奏のアップとか引きとか、アングル変更とか、そんな風にしかできないかもしれないが、アニメだとその点自由だし色彩豊かでむしろアニメで良かったと思う。

映画に出てきたブルーノートとコットンクラブ、実在のホールなんだけど、ブルー・ノートにバーデン・パウエルのギターを聞きに行ったことがある。もうお爺さんで、ちょっと途中で間違えてやり直したりして、大丈夫かと思ったけど(^^;)。あのときは水戸に住んでたから思い立って行けたんだよね、今は遠いなあ。(-_-;)そして今自分は、「バードランドの子守唄」を歌うほうなんだけどね。(バードランド=NYのジャズの名店)

 

長くなったので、次はその2へ。