昨夜レイトで見てきた「耳をすませば」。先日見た公開記念の会見では、撮影してから2年半たつとのこと。その場にいなかった山田裕貴が、共演した清野菜名と内田理央と共通の漫画が好きで、その結末をネタバレしたので、怒った二人に焼肉をおごると約束したそうだ。(^^;)まだ約束は果たされていないが、でももう2年半たっているので、忘れていないかどうか心配だと彼女らが言っていた。

2年半か・・・。コロナのせいもあろうし、プロモーションの都合で公開時期を待っていたのかもしれない。その点映画と違ってドラマのほうは、(大河や朝ドラだとまた違うかもしれないが)まだ放送時期と撮影時期が近いので、会見場での姿と作品との間にギャップが少ないような気がする。(役作りで痩せてたり、髪の色が違ってたりするからね)

 

 

原作は少女漫画の「耳をすませば」(柊あおい作)、多分「りぼん」に連載されてたのかな。もはや世代が全く違うので雑誌も原作も読んでないけど、小学生の時はりぼんが好きだった。その漫画からジブリが作ったアニメはもちろん見ている。主人公たちが中学生の時の話なので、自分の昔を思い出して懐かしく、そして同時にかなり気恥ずかしく見たものだ。その10年後の二人、月島雫と天沢聖司を描くと言うから、なんの疑い(?(^^;))も躊躇いもなく見ようと思った。私は疑い深くはないほうなのだ。よく、原作が好きすぎて、イメージの違う映像化作品など作られると怒る人がいるが、そういう性質はまずない。ネットの鑑賞レポートは気にしなかった。

 

さて、中学での出会いから10年後、雫(清野菜名)は親友(内田理央)と一軒家をシェアして3年目。出版社の小さな部署で、子供向けのお話の人気作家さん(田中圭)の担当編集をしている。部署のボス(チームNACSの音尾琢真)は、今ならパワハラと言われそうなゴリゴリ上司。(この当時は1998年。あ~私も煮詰まっちゃって一人でフィンランドに行ったときだわ)自分の考えを言いたくても、上司がぐいぐい自説を押し付けてくるので、はいすみませんと言って引き下がるしかない。小説はあいかわらず書いているが、何度も賞に応募しては落選している。もはや何を書いたらいいのかわからなくなり、心が動かなくなっていた。(昔書いてたなあ、私も・・・タハハ(;^ω^))

 

友が初恋の人(中学の時野球部だった友人杉村・山田裕貴)と結婚するため同居を解消することになり、雫は実家に帰ることになった。一方雫はチェロの修行のためイタリアにいる聖司と遠距離恋愛を10年も続けていた。凄ーい。Σ(゚Д゚)聖司のお爺さん(近藤正臣)は相変わらず骨董品店地球屋にいて、猫の人形バロンに会いに行くと雫の話し相手になってくれる。まったく、お爺さんが10年後もお達者で良かったわよ。(・_・;)いなくなってたら洒落にならないわ。

はいここで、アニメしか見ていなかった人(私もσ(^^;))は、「え、チェロ奏者?何で?」となることでしょう。だって聖司はヴァイオリンの製造と修理を学ぶために、医業を継がずにイタリアに行こうとしてなかった?まあこれは映画の設定だから。そして雫の家も、公団住宅みたいなところではなく、フェンスの素敵な一軒家になっていたし、キーになる曲も、「カントリーロード」ではなく「翼をください」になっていた。カントリーロードといえば、ジョン・デンバー(好きだったのに)もオリビア・ニュートン・ジョンももう亡くなってしまったなあ。

 

 

結局行き詰った雫は、聖司を訪ねてローマに行く。・・・おお、アリタリア(航空の飛行機)が飛んでいる!一時期日本との直行便から撤退していたはずだけど。聖司と雫は部屋にお互いの写真を飾っていたし、エアメールで何通も手紙のやり取りをしていた。それでも10年の遠距離恋愛は凄いな。今なら動画もSNSも身近だけど、当時は今ほどではなかった。なんたって、初めてローマに来たらしい(え、初めて!?(@_@))雫が胸に抱いているのが、「地球の歩き方」の本なのだ。あーあー私もだったわ。(;^ω^)

 

公開してまだ1週間なので、ネタバレするからお話の筋はこれ以上は書かないけど、原作もといアニメにこだわらなければ、これはこれで素敵な青春もの。恋愛も友情も葛藤も成長もある。(^▽^)/長い間遠距離で愛をはぐくんできた二人の気持ちについての描写や説明が足りなかったけどね。社会の中で挫折しそうになっても夢を諦めずに進みたい、というのが主題なのか、彼らの初恋の成就が副題なのか、ちょっとわかりにくかったけど、むしろ私などは恋の比重がもっとあってもよかったのになあと思う。でも、人気があって、読む人それぞれに思い入れのある作品の「その後」を作者以外が描くとは、これも二次創作ということになるんじゃないかしら。

 

松坂桃李が素敵だったし、近藤正臣も(若い時は将来こんな風になるとは思わなかった)何とも言えずいい味を出していたし、良かったんだけど、私的には中川翼君が良かったな。(タクミ君シリーズの実写をまたつくるなら、タクミがまだ中学~高校に入学したころの役には彼がいいなと思ってた。もう少し大人になったら長尾謙杜とか、そのあとには西畑大吾とか・・・いえあくまでも候補のひとりです。なにせ今若い俳優さんたちは、2.5次元も含め無茶苦茶沢山いて、もうわからなくなってます。(-_-;))

 

中学生を演じた、キラキラ生命力にあふれた若葉や新芽みたいな俳優たちがまぶしかった。雫役の子がちょっと驚きすぎだったけど。(ちょっと驚くときとかのリアクションと声が大きすぎるように感じたので)

クライマックスと言っていいのか、あの高台で夜明けを見ながら語る二人をみたときは、赤楚君の出た「ふりふら」を思い出したっけ。もしかしてロケ地が同じだったりするかな?いやそれはないかな。

 

と言うことで、これ以上詳しくは書けないけれど、見終わってすっきり爽やかな映画でした。