今の時点で4本見てますが、この先当分書けないかも(いろいろ立て込んでて)しれないので、とりあえず4本書きます。見た順番に
1,「この子は邪悪」
これはミステリー&ホラーというカテゴリに入るんですかね。
あらすじ:中央の主人公ハナ(南沙良・JK)は、数年前に一家4人ででかけた遊園地からの帰りに交通事故にあい、父(玉木宏)は脚に障害がのこり、妹ルナは顔に大火傷をおってずっと仮面をかぶり家から出ない生活、母は病院に入院したまま意識がもどらず人工呼吸器をつけたまま、自分だけ何も問題なかったので学校にいかず家で家事いっさいを担っている。遊園地に行こうといったのは自分なので気に病んでいるし、ほかの家庭や友人との交流もほとんどない。
その前提だけで「ん?」と思ったのだけど、娘に美容整形して仮面なしの生活をとりもどさせようとしなかったのかなあ?まだ子供で発育途上という問題もあるけど、今の技術なら相当綺麗になると思うんだけど。あと、長女も学校に行かせると思うんだけど。全体に、奇妙で閉鎖的な雰囲気がぷんぷん漂っているのだった。
ハナに、精神を病んでいると思われる自分の母についていろいろ調べているDKのジュン(大西流星)が接触する。ハナの父は心理療法の施術を生業としていて、診療所にはジュンの母も通院していたらしい。古い和洋折衷の雰囲気のある家兼診療所と庭。なぜかウサギが何羽も飼われている。父は患者さんに催眠療法をかけ、その記憶をうんと幼いころ(いや前世?)まで戻して、それから・・・・。ジュンが調べたところでは、ルナはとっくに事故死していたはずであり、また、昔娘を虐待していて今は廃人同様になっている男の娘がずっと行方不明になっていた。年のころはルナと同じ。その男も父に催眠療法を受けていた。
そしてある日突然、父が家に母をつれて帰ってくる。(いや常識的に、ないでしょ。(・_・;)急すぎるわ)ハナはその「母」に違和感を抱く。顔も違うし(ケガのため整形したという)。なのに作る料理の味はかつての母と同じなのだ。やがておどろくべき事実がジュンとハナにより明らかになるが、しかし・・・。
感想:うーん。面白いことは面白かったし、作品の長さが短めで、冗長にならずそれはよかった。俳優さんたちの演技もいいし、画像の撮り方も美術もハナちゃんらの衣装(フリルやギャザーたっぷりでややレトロ趣味)も内容にふさわしかったかも。でもねえ、、、私的にはあまり好きではない。自分さえよければ他人を手段化してもいいという考えについていけないので、汚い言葉だけど、「胸くそ悪」かった。児童を虐待から救うと言う活動はいいが、それを利用するのはNGだ。そして最後にわかる「この子は邪悪」というタイトルの意味。(-_-;)やっぱり、ホラーだわ。あれでジュンはお母さんと幸せに暮らせるのかなあ。(謎・気になった方は本編をご覧ください)
2,ブレット・トレイン(字幕)
伊坂幸太郎の原作「マリア・ビートル」は、映画館と同じショッピングモールの本屋に平積みしてあったけど、まだ読んでいない。主人公はブラピ演じる殺し屋通称レディ・バグ(てんとう虫・マリア・ビートルとも言うらしい)。彼は同じ稼業のハリー(だっけ?名前忘れた(^^;))がお腹を壊してできなくなった仕事を引き受けることになった。東京から新幹線(ブレット・トレイン=弾丸列車)に乗り、荷物置き場からとあるアタッシュケースを受け取り(盗み出す?)品川で降りるだけの簡単な業務のはずだったが、なぜか様々な邪魔をうけてどの駅にも降りることができない。
本来そのケースは二人組の殺し屋・レモンとマンダリン(オレンジ)が悪の世界の大ボスに届けるものだったので、気づいた彼らに命を狙われ、さらには南米からやってきた、勘違いでレディバグを敵と狙う殺し屋にも命を狙われ、紛れ込んでいた動物園から脱走した猛毒の蛇に噛まれ、車内販売嬢にすり替わっていた女殺し屋にも命を狙われ、大ボスの娘である小憎らしいくらいに頭が切れて非情な娘にもいいようにこき使われ、大ボスの手下たちにも追跡され、等々新幹線(もどき)の車両の中やら天井の上やら、いたるところで殺陣&ガンアクションが始まる。その合間にかわされるセリフは面白いし、ちっともダレることなく次々にエピソードがおきて、退屈しない。あっという間の120分だった。
使われた曲も楽しく、前にとりあげていたSFMの「500マイル」は、少ししんみりしたいい場面に使われていた。(後でエンドロールを見たら、NHKから音源を借りたと書いてあった)新幹線の車内はセットだったようで、真ん中の通路の右2席左2席の並びかたは、日本の普通の新幹線ではない(ミニ新幹線なら昔の特急と同じなので2席2席だけど(;'∀'))がゴージャスだった。はっきり区別はできなかったけど、町の景色も車窓の景色もかなりな部分でCGだったらしい。京都駅に近づいてから富士山が見えるあたりはご愛敬か。(^^;)監督はデッド・プールの監督(面白いらしいけど私は見てない)。キル・ビルが好きな人ならこれも好きだろう。そして、やっぱり、日本を題材にしたアメリカ映画なので、マシ・オカも真田広之も出てくるのだった。(^^;)
これはあまり悩まずに楽しめるエンタメ映画だった。
3,百花
原作は読んでいないが、川村元気・作・脚本(共同)・監督。
レコード会社(今もそんな言い方する?)に勤務する泉(菅田将暉)と妻香織(長澤まさみ)。
泉の母百合子(原田美枝子)はピアノ教室を営み、結婚せずに泉を産んだらしく、生まれた時から父はいないし兄弟もいない。母はどうも若年性認知症を患っているらしく、(買ったことを忘れ同じものを何度も買うから)冷蔵庫にはケース入り生卵がどっさり詰められ、花瓶の花は枯れ、時々徘徊していなくなる。
画面には母にとっての現在の短期)記憶や母にとっての空間(上ってもまたもとにもどる階段とか)が映し出される。認知症の世界ってこんななのか。アンソニー・ホプキンスが認知症老人を演じた「ファーザー」でも、「父にとっての記憶」が現実の記憶と並列で描かれていた。
いなくなった母を探して連れ戻すのはいつも泉である。ちなみに妻は身重だ。
泉は母を大切に思ってはいるのだが、母がどんどん記憶を失くしていくのとは対照的に、子供の時に母に数か月置き去りにされたことを思い出し切なくなった。ピアノの生徒の成人男性(永瀬正敏)と恋に落ちた母が、泉を残して失踪してしまったのだ。彼には奥さんがいたが、大学の教師(教授?)で神戸に単身赴任するのについていったのだ。泉の事も気にはかかっていたが、短くも幸せな日々に陶酔した母だった。・・・これは責められるべきなのだろうが、なんだか私には彼女がいじらしく思えて胸が痛かった。しかしその生活は、まったく日本国民が想像もしなかった事件で終わりを迎えた。
今の彼女は強い海風が哀しげな海に面した施設に入所し、息子夫婦が訪ねてくれるのを待っている。しかし子供のこともわからなくなっていきつつあるが、そんな彼女が「半分の花火が見たい」と言った。だが連れて行った水上花火は彼女の見たいものではなかった。それは昔愛する息子と眺めたとある花火だったのだ。・・・そうだよね、記憶がまだらになったくらいの人は、新しいものに興味を持つというより、過去の思い出にこだわる傾向があるよね。母が今思い出しているのは、息子との思い出がほとんどのようだ。
人はその人の記憶でできている、というか記憶で生きているから、記憶は大事だが、息子の会社のプロジェクトが失敗した時に同僚がぽつんと漏らしたように、人には「忘れること」も
大切なんだとも思う。全体に映像が暗め(特に、狙ったのだろうが母と住んでいた家の中が暗い)が、詩情に溢れた美しい映画だった。
4.ガリレオ「沈黙のパレード」
原作はしらないが、作品開始早々商店街の仲のよさそうな人たちを見たら、なんとなく初めから、「オリエント急行殺人事件」ぽいものなのかなと思った。すなわち、つながりのある人たちが大勢、共通の敵に対し、協力し合って完全犯罪を企むというもの。最後には名探偵に解明されてしまうのだが。
15年前に草薙(北村一輝)が捜査した少女殺人事件で、いっさい答えず黙秘を続けたため追い詰めきることができずに、送検できなかった容疑者(村上淳)が、再び商店街の食堂の娘を殺害し死体遺棄した疑いで浮上した。捜査がなかなか進展せず辛そうな草薙のため、内海薫(柴咲コウ)は内緒でガリレオこと物理学者湯川学(福山雅治)に助けを求める。偶然湯川は事件のおきた菊野市(東京都下の架空のまち)にある研究施設に勤務していて、被害者である娘の実家(食堂)の常連だった。そして、ほどなく開催された全市挙げての祭り(仮装大会&パレード)の日、その容疑者が死体で発見された。犯人は、また殺害方法は?ガリレオの名推理と人間模様がみどころ。
久しぶりのガリレオ、今回はテレビシリーズのときのように何かひらめくと数式や化学式を書きまくるようなパフォーマンスはなく、((^^;))地味目な湯川だった。そしてやはり私は相棒役は内海刑事が好き。KOH+によるエンディングテーマも良かったが、被害者沙織役・川床明日香の歌う英語版「ジュピター」は素晴らしかった。吹き替えかと思ってしまった。
あと、いつもサスペンスものを見ると思うのだけど、殺そうとかの意図なしで相手を突き飛ばしてしまい、相手が何かに頭をぶつけて気を失ったら、死んだと早とちりして逃げずに、119番通報しなさいよね。(-_-;)(-_-;)・・・・なんてね。(謎)映画見るとわかります。(;^_^A