ふり返ったら3本だった。見たいものはたくさんあるのにね。

 

1本目「野球部に花束を」

 

これは前に別のブログで書いていた。特別な盛り上がりはないのだが、でもだれたり飽きたりはせず、楽しく見られた。新入生歓迎会が「丸刈り」会なこととか、特に暴力はないけど「先輩偉い」のピラミッド型ヒエラルキーとか、昭和的なもので満ちているけど、なんだか懐かしくて愛おしかった。私には懐かしいが、これは、完全に21世紀に生まれた人なら、見てどう思うのかな?訊いてみたいものだ。ちなみに私は運動神経・能力が良くないので、文化系の部活しかしたことがないため、体育会系のあるあるには実は疎くて、(^^;)クラスメートの様子から想像したものを基準にして勝手にこう言っている。

 

2本目「SABAKAN(サバカン)」

これは絶対ノスタルジックでしかもしんみり心にしみそうだなと思ったので、旦那を誘って見に行った。(誘う時は内容を考えて選ぶのだ。前に誘ったのは「大河への道」で、前から落語も好きな人だから、そのあとよく「志の輔落語」を動画チャンネルで探して聞いているようだ)

 

 

内容は、まるで重松清原作の作品かなと思うようなストーリー。脚本は金沢知樹と萩森淳、監督は金沢知樹(ドラマ「半沢直樹」など)。1980年台が舞台なのだが、もっとずっと前に小学生時代を過ごした私にも、自分の経験のように懐かしく思い出される世界だった。してみれば、子供の時分の経験や思い出は、少しくらい時代が変わってもほとんど似たようなものなのかもしれない。(o^―^o)

主人公久田(草彅剛)は、小説家だがゴーストライターをして生活費を稼いでいる。離婚して、愛娘とはたまにしか会えない。娘との水族館デートでイルカショーを見て、長崎にいた子供時代を思い出す。もうひとつ、サバ缶も、当時を思い出させるよすがだ。

 

久田は自転車職人の父親(竹原ピストル)と気丈な母親(尾野真千子)と弟と暮らし、体力腕力は今一つだが作文が得意だった。クラスには竹本という子がいて、家が貧しいこと(年中ランニングシャツを着ている)とあまり周囲に心をひらかないことから、からかわれるし友達がいなかった。夏休み前、あることで竹本がバカにされて一斉に笑われたとき、久田だけはそうしなかったことから、夏休みに突然竹本が久田の家に誘いに来た。沖のブーメラン島にイルカの群れが泳いでくるのを二人で見にいかないか。久田は家族に内緒で早朝自転車で出発しようとする。でも父にみつかって、父は遠出でお尻が痛くないように畳んだタオルをサドルにあて、また、ジュースでも飲めと千円札をポケットに入れてくれ、迎えに来ていた竹本には、息子と仲良くしてな、という。武骨で野卑でいい味出してる父ちゃんの愛情にほろっとした。(´;ω;`)

 

その後は転んで自転車が壊れたり、不良にからまれたけどその兄貴分に助けられたり、溺れかかったりの大冒険。その日以来、久田と竹本は、お互いに久ちゃん竹ちゃんと呼び合う友達になった。竹ちゃんの家は子だくさんなのに父が死んでしまって、母(貫地谷しほり)が一人で頑張っていたため、長男の竹ちゃんは子供なりに大変なのだった。その竹ちゃんが、自宅で久田にごちそうしてくれたのが、サバ缶をネタに握った寿司なのだ。彼にとってせいいっぱいのおもてなしのそれは、久田にとって本当に美味しかった。母は久田に、(ふだん無理をさせている)息子と仲良くしてやってねという。どこの親も同じだなあ。(´;ω;`)

 

ところが、事件がおきて、久田と竹本は離れ離れになってしまうのだった。駅に竹ちゃんを見送りに行く久田とみかん園の爺ちゃん(岩松了)との別れのシーンには、じわっと来るものがあった。( ノД`)・・・・だが、二人の友情は、それで途切れることはなかった。(*^^*)

見終わって、心が温かくなる、そんな作品だった。

 

 

3本目 「TANG」

 

 

可愛かった~!ガラクタを寄せ集めて作ったようなロボット、TANGが。(⌒∇⌒)

原作はイギリスのデボラ・インストールさんの小説、「ロボット・イン・ザ・ガーデン」。日本的なアレンジを加えて実写化された。劇団四季で2020からオリジナルミュージカルとして上演されていたとのこと。映画のVFXは白組が担当している。

 

時は、今から少し未来らしい。基本的に風俗や暮らし方はかわっていないが、ドローンが宅配らしきことをしていたり、家事ロボットや受付ロボットなどがもっと一般化している。場所は北海道か。お屋敷に住んでいる春日井健(ニノ)は、無職で、ゲーム三昧。妻(満島ひかり)は弁護士でしっかり仕事している。姉(市川実日子)も弁護士で妻の同僚らしい。実はニノは研修医時代に、重症の急患として運び込まれた実父を前にして頭がパニックになり何もできず、そのときの不手際もあって、父を失ってしまったのだ。それ以来、仕事が手につかなくなってしまったらしい。家の隣には広大な牧場(馬の運動場?)があり、庭の柵を直しにいった健は、木の下に座り込んだ古めかしいロボットを見つけた。どこからどうやって入り込んだのか、何用の何社のロボットかは答えられないものの、TANGと名乗ったそのロボットは健についてくる。大きさ的に子供くらいで、手(といっていいのか?)をちょうどつないで一緒に移動できる。TANGにとっては健は最初の友達なのだった。

 

さて、仕事も家事もやり、やっと健の再就職先候補を見つけていた妻は、その面接を健がすっぽかしたことを知って、怒って家から追い出す。健は、TANGのおなかの中に設置された部品が某大手ロボット製造企業のもので、そこが中古品を引き取って新しいものと交換するジャパネットみたいな(^^;)キャンペーンをしていることを知って、新しい家事ロボットを妻にプレゼントしてご機嫌をとろうと、その会社に持ち込む。そこでは当社のものではないからお引き取りできないといわれるし、TANGのオイル漏れ(?)が発生。そこで出会った研究者(SixTONESの京本大我)は、これは実は重要なものではないかと修理を世界の研究者仲間に呼びかけてくれ、手を挙げた深圳在住の研究者(奈緒)のもとへ健はTANGを連れていく。

そこで怪しげな2人組(かまいたち)にTANGをさらわれたり、これも怪しげな男(小手伸也)が現れたり、、、、ネタバレになるのでこの辺でやめるが、実はTANGは昔ジェームスと言う名前で、別の姿で驚くべき目的のために使われるはずだったのだ。そして、何故TANGが健の家の庭に現れたのかが明らかになる。(ヒントはTANIGAWA。あ、余計なお世話?(^^;))

 

もうホントにTANGが可愛かった。あの、飛び跳ねるようにひょこひょこと歩くようすが特に。てんとう虫に反応したり、気になったものを追いかけたり。よく転ぶし、まさに人間の子供みたいだった。そのTANGの声は、ニノが担当したらしい。さすがだなあ。

南の島に黒革ロングコートの小手伸也はまったくミスマッチだった((;^ω^))が、彼の粋な計らいのおかげで、TANGと健は一緒にいられることになったし、家族としてあの家でみんなずっと仲良くくらせればいいな。