そしてこれは彼らの金曜夜のもちよりご飯。主菜担当がおかずくん、副菜が南郷さん、
汁物が東良くん、ご飯類が北さん。
監督は前田弘二、脚本高田亮のコンビ作だが、二人の前作「婚前特急」「わたしのハワイの歩きかた」のどちらもまだ見ていなかった。
級友たちの女子トークから浮いているような感じの女子高生・香住(清原)は、恋愛経験がないのになぜかそっち方面の研究に熱心らしく、知識は豊富。彼女が予備校でマンツーマン指導を受けている数学講師・大野(成田)は、数学の研究には熱心だが理屈っぽくコミュニケーション能力に欠けている。だけど伴侶は欲しいという彼に、香住はけしかけて、自分の憧れる教育界の革命児(小泉)の婚約者(泉)を誘惑するようにしむける。香住のプロデュースで白衣を脱ぎスーツに着替え、香住のリサーチした店にいって彼女に声をかける大野はけっこうイケている。一方小泉のほうは案外ゲスだった。香住がJKだと明かさないでいると、時間がないからとせっつきながらホテルに誘う始末。泉は小泉と全く違うタイプの静かで誠実そうな大野にひかれていくが、結局大野は嘘をついていることが辛くなって、泉に謝る。一方香住はだんだん自分が何をしたいのかわからなくなって、同じ学校内の実際のカップルである、柳(倉)たちに相談する。彼らは女子トークの噂話では、ひどい言われようだったし、香住と特に友達なわけでもなかったが、ごくまともな普通の恋人たちだった。
そして、実は香住と大野はどちらもお互いに相手のことが前から気になっていたことを打ち明け合い、改めてやり直そうとするのだった。下はラスト近く、自然の中に行って見たいと言って歩いてきた二人。これも余談だが、清原果耶は歌も歌える。カラオケボックスのシーンでPUFFYを歌っていたが、うまかった。山田孝之プロデュースの映画「Day And Night」で歌手デビューしていたはず。(「気まぐれ雲」名義はそのときの役名・大野奈々)そしてCDデビューは初主演作「宇宙でいちばんあかるい屋根」の主題歌「今とあの頃の僕ら」である。
かみ合わない主演二人なのに、延々と続く会話がテンポよくとても面白かった。やっぱりこの二人は上手だし、脚本も面白かった。劇場でなくてビデオでもいいから、お勧めしたい作品。監督と脚本家のコンビの前作たちも見てみたくなった。
★天外者(てんがらもん)
これも昨年か一昨年くらいに劇場で見そびれた作品。何年もまえに、五代友厚を顕彰する目的で映画化計画をたちあげたようだ。五代についてはまえにNHKの朝ドラ「あさが来た」で、ディーン・フジオカが演じていて、それまで私は五代の存在を知らなかった。わりと若くして五代が病没し、朝ドラから彼が消えた時、女性たちの間に「おディーン様ロス」が起こった。でも私は玉木宏が演じたあさ(波瑠)の夫のほうが好きだった。(o^―^o)
この作品では、五代は三浦春馬。五代の写真を見たことがあるが、彼はハンサムだった。
そのせいか時代なのか、奥さん以外にも女性がいたようだ。
この作品は群像劇で、中心となるのは五代の奮闘だが、交流のあった同時代の盟友として、坂本龍馬(三浦翔平)、伊藤博文(森永悠希)、岩崎弥太郎(西川貴教)らも重要な役どころで登場する。また、五代が目指したのは、「誰もが夢をもつことができる国」であったということで、そのきっかけとなった遊女として森川葵の露出時間が長かった。五代を支えた妻としては蓮佛美沙子。五代は薩摩の武家の次男として生まれ、幼少の時から図抜けて頭が良く、既成概念に囚われないアイデアと行動力を持つ人だったので、並外れた能力をもつという意味で天外者(てんがらもん)と言われた。しかし彼の行動は封建社会にはなじまず、また攘夷派から命を狙われ続けながら、殿からの命令で上海で汽船を(ねぎって)買い付けるなどの手腕を発揮。明治になってからも、鉱山や銀行や輸送などに関して明治政府の経済的インフラを築いた一人だった。
三浦春馬が亡くなってから公開された作品と思うが、割と評判がよく、当地でも1日1回上映に減ってからも長く上映されていた。それにしても三浦春馬、惜しかったなあ。悩みが深かったのだろうけど、思いとどまって、長くこの世にいてほしかった。合掌。m(__)m