夏休みなので、ミニオンズ、ジュラシックパーク、バズ・ライトイヤー、戦隊もの、ワンピース劇場版など、お子ちゃまないし若者向けの作品がたくさん公開されているが、そうなるとみるものがなくなる私なのであった。(^^;)
 
7月はまず劇場で「エルヴィス」を見た。
 

彼が幼い時に、父の事業が失敗したため、白人の住む地域から黒人の住む地域に引っ越しを余儀なくされ、そのおかげで黒人の友達が多くでき、ブルースやセクシーな踊れる曲など、黒人的音楽カルチャーにはぐくまれたということがわかった。彼がチェロキーインディアン(もう差別語として使わなくなっているようだが)の血をひいていると昔きいたことがあるが、それについては全く出てこなかった。彼の歌うバンドが白人人気カントリーシンガーのコンサートで前座をつとめた時、花も恥じらう(古いか(^^;))白人の乙女たちが、もうきゃあきゃあ言って熱狂したのにはびっくりした。あまりセンスがあるとは言えない「ふり」つきで歌うエルビスの舞台に駆け寄ってくる女の子たちとそれに顔をしかめる大人たち。彼に目をつけた「大佐」こと、トム・ハンクス演じるいかがわしさのあるマネージャー。エルヴィス前とエルヴィス後では、ポピュラー・ミュージックとショービズの様子が一変したらしい。

 

結局エルヴィスはスターへの道を驀進したが、辣腕マネージャーの大佐は、彼の稼ぎの半分もの大金を自分で取り込み、しかもそれをギャンブルにつぎ込むのだった。エルヴィスはよくあることだが豪邸を建て、歌手になることに反対していた信仰心の篤いママに家とピンクのキャディラックをプレゼントするが、ママは息子のことが心配で、酒で気を紛らわしてアルコールのために命を縮め、それは彼の心に大きな痛手を負わせた。結婚もし、リサ・マリーという娘も授かる(のちにマイケル・ジャクソンと結婚した)が、エルヴィスが薬に手を出したことで妻は娘を連れて出て行った。彼には歌しかなかったが、大佐のマネジメントから離れて自家用機でワールドツアーに出ようとしてもうまくいかず、ラスヴェガスのホテルでショーをやる日々。唄はうまいし人気はあるが、気持ちはやすまらなかった。そしてある日突然帰らぬ人となった。

 

では、彼を殺したのは大佐なのか?ファンの間ではかなり悪評が高いらしい。でも、そうとは言いきれないだろう。あんなに才能があっても、自分の「個」としての確立がしっかりしていなければ(それには何のために歌うのかと言う目的をはっきりさせることが重要だったのだろう)、また「耽溺する性質」(お母さん譲り?)を克服できなければ、大きな立場で長く成功し続けていくことは難しいのではないか。せめてお父さんをはじめ、妻や友人らのサポートがもっと力強かったらと思うが、見ていてあのお父さんはダメだったなあ。(-_-;)

 

主演のオースティン・バトラーは素晴らしかった。長く歌唱のレッスンに通い、若い時のエルヴィスの歌は自分で歌っていたらしい。トム・ハンクスも、いつもと違い、俗物な老人役を演技も見た目もそれっぽく体現していた。改めてエルヴィスは素晴らしい歌手だったんだなあと思った.大のエルヴィスファンで知られる湯川れい子さんも、日本版スタッフに名前を連ねていた。・・・プレスリーについては、映画に(もご本人にも)直接関係ない私の身近な(笑える)エピソードがあるのだけど、それについてはまたの機会に。

 

次は「キングダムII 遥かなる大地へ」。

 

前作を見ていたので続きが早く見たかったのだが、コロナのせいと思うが公開が遅くなってしまったのだろう。でも上映の最後で来年続編(III)が封切られることが明らかになった。(⌒∇⌒)

今回のIIは、ほとんど蛇甘(だかん)平原の戦いのシーンだった。奴隷の身から亡き親友ヒョウ(漂・吉沢亮)のつないだ奇縁で秦王エイセイ(吉沢亮・二役)の家来となり、大将軍を目指す兵士シン(信・山﨑賢人)は、歩兵として初陣に臨み、魏と戦う。最下層の兵士は5人組の班(伍)で伍長のもと動くことが決まっていて、シンはたまたま故郷から参戦しに来ていたビ兄弟(岡山天音、三浦貴大)と、班員を探していた頼りない伍長タクケイ(濱津隆之)と、謎の覆面戦士キョウカイ(清野菜名)と組になる。しかし、こんな俄か作りで武器もそれぞれの持ち寄りの兵士たちが、本当に命をかけていい働きをするのかと不安になる。ちゃんと報酬が支払われるのだろうか、死んだら家族にちゃんと遺体が引き渡されるのだろうかとも。(-_-;)それに対しあちら魏軍は、初めから戦うつもりで押し寄せてきたので、歩兵にもそれなりの装備が与えられているようだ。馬に挽かせる戦車もある。(ある程度はVFXだろうけど、スケールがとにかく大きく、これは劇場映画でなければできないだろうという豪華さだった。映画館に足を運ぶ価値がある。)

 

幼い時からヒョウと戦闘訓練してきたシンは強くかつ臆さないし、キョウカイはなかなかの剣の使い手だった。シンらの目的は戦功をあげて出世することだが、キョウカイの場合は、姉のように慕っていた人の仇を討つことだった。おかげで敵陣の奥深くまで彼らの5人組は入り込んでいくことができ、勝利の大きな足場をつくる。そして戦いのクライマックスは、両国の総大将の将軍同士の一騎打ちだった。その辺が、昔の戦はある意味牧歌的というか神話的と言うか・・・。(^^;)命を落としたものや負傷して敗走したものにとってはそんなのどうでもいいだろうけどね。

キョウカイは、シユウという女ばかりの戦士の村(別名哀しみの一族)出身で、そこに生きるものは戦うことを生きる術とし、強さ以外は求められないような運命のなかで育ってきた。その彼女もこの戦いの中で、生き延びるために仲間とお互い助け合っていくことを知る。清野菜名は美しく、そのバトルはとてもキレが良くてよかったが、吹き替えなしの本人かなあ?

シンの山﨑賢人の殺陣とアクションは今回も素晴らしかった。前作よりも派手なシーン(吹っ飛ばされて城内の柱に激突するとか)は少ないような気がするし、よりリアルに思えた。シンは今回の武功により軍での地位があがるようだ。しかし目指すは王騎(大沢たかお)のような大将軍。まだまだだ。

 

そして最後、戦の間は遠くに旅して留守していた丞相(大臣)呂不韋(リョフイ・佐藤浩市)が戻ってきた。どうもこれが裏切り工作をしていそうなのが気になる。そして橋本環奈が演じる山の民・河了貂(カリョウテン)は、その抜け目なさと賢さをもって、エイセイの軍師になるようだ。次回作に期待。今回はエイセイはあまり長く出演しなかった。

 

ゴーストブック おばけずかん

 

 

原作は、「大人の知らないベストセラー」として、子供たちの間では有名で人気のあるシリーズ絵本らしい。産休の代理で赴任した新米先生(新垣結衣)と子供たちが、不思議な古本屋(主人は神木隆之介)で手に入れたお化け図鑑に描かれたお化けたちと、はじめは戦いそのあとは協力してもらって、仲間の危機を助けるお話。

あまり何も考えずに楽しめるし、山崎貴と白組その他の大勢の人たちによるVFX・CGなので、画像もきれいで楽しい。・・・見る人の年齢によるだろうけど、私のような中高年にとっては、まあ、それ以上ではないかな。(^^;)音楽は星野源だから、夫婦で出ていることになるね。

「お・ば・け・が・でーたーぞー、お・ば・け・は・いーるーぞー♪」という楽しいテーマソング。

うん、夏休みだなあ。(⌒∇⌒)でも夜の回にいったら、ほとんどお客は大人だったわよ。(^^;)