ネタバレ注意なので、「初恋の悪魔」の第一回を見ていない人でネタバレがいやな人は、読まないことをお勧めします。(というか、見た人ならあらすじの紹介が要らないのだが)(^^;)。
坂元裕二脚本なので、面白いだろうと期待してみた作品。もちろん面白かったけど・・・。
神奈川県警境川署の総務課(行政職員)に勤める馬淵悠日(仲野太賀)は、事件の捜査にははいらず、事件現場に規制線テープを届けたりしている。実家が警察一家で、刑事だった兄・朝陽を捜査中の事故でなくしていて、そのこととの関係を匂わせつつ、署長の雪松(伊藤英明)から停職中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)の内偵をするよういいつかる。気弱な性格。
小鳥琉夏(柄本佑)は会計課(行政職員)。きっちり細かいので周囲から煙たがられている。小島と間違われると返事をしない。植物好き。悠日とは「警察が嫌い」という共通点で親しくなる。
摘木星砂(せすな)(松岡茉優)は、生活安全課の刑事。スタジャンを着て自転車移動するなどラフないで立ちだが、購入記憶のない高級靴などが家のなかにたくさん保管されている。(二重人格の買い物依存症?)
鹿浜鈴之介は凶悪事件の好きな推理マニア。なぜか豪邸に一人で住んでいる。人間らしい細やかな感情はあるのか?と疑いたくなるタイプ。理由は不明だが自宅謹慎中。
以上の面々が、病院で入院中の一人の少年が転落死した件に関わり、4人で推理をした。捜査権がない4人なので、事件の内容をメモしたものを、小鳥がひそかに想いを寄せる、虐げられている新人刑事服部渚(佐久間由衣)に紙飛行機で渡し、解決する。でもその手柄は先輩刑事に持っていかれたが。
今後どういう話が展開されるのか楽しみである。
さて、事件のあらましは、二人部屋に入院中の少年の片方Aが部屋の窓から転落して死亡。それは病気を苦にしての自殺として刑事課は片付けようとするが、同室の少年Bが、彼は「C先生に殺された」と証言。それを気にしているのは渚だけ。おりしも証言した少年はすぐ体調が悪化してICUに入り聴取不能となり、しかも明日朝その医師の執刀で手術するという。渚に事件を解決させたい小鳥が他の3人を巻き込んで推理を始めた。
星砂が知り合いの女医(田中裕子・その存在もミステリアス)に、資料室に忍び込んで盗み見して写真に撮った捜査資料を見せると、少年Aは全然深刻な病状じゃないという。
また、少年Aが「僕は花と話ができるんだ」と言っている様子を収めた動画がBによってアップされていたが、それは正しくはAが自室の窓際にある花に向かって言ったのではなく、庭を隔てた向こうの病室の窓際にある花を見て言っていたことに気づいた。その病室に入院していた少女は、C医師によって事件の前日手術を受けたが、その後に死亡し、翌日Aが転落した時間には、Cは少女の家族に経過説明の面談をしていた。だからアリバイがあると刑事課。
少年二人は、少女の手術中であるはずの時間に、C医師が渡り廊下を術衣のままで必死に走っているのを目撃していた。そのまま彼は別の手術室に行き、別の急患(VIP)の手術に着手。そしてVIPの手術は成功したが、待たされた少女のほうは死亡。そのため世をはかなんだ少年Aは身を投げ、少年Bは、Aを殺したのはC医師だと証言したのだった。
鈴之介はなぜそれで少年Aが死ぬのか理解できないと言うも(-_-;)、他の3人は納得。
そして事件は少年の殺人事件ではなく、事故死(自殺)プラス医療事故(未必の故意による殺人?)という方向に転回したのだった。
で、ようやっと私がつっこみたいところにたどり着いた。
まず、新しい患者がどんなにVIPであっても、手術中の患者を放り出してそっちに向かうなんてことはない。あるとしたら、他に今の手術を任せられる医師がいる場合のみ。しかしドラマではまるで割り込んで入った手術が終わるまで彼女がそのまま待たされたようなことを言っていた。ありえない。こういう場合優先される基準は、いかに病状が重篤であるかということで、ドラマで映ったVIPの患者は、ストレッチャー上で頼まれたサインなど書いていたから、酸素マスクはつけていたがまだ余裕があったと思われる。(急患にサイン頼むほうも頼むほうだ(-_-;))
かなり規模が大きい病院のようだったので、何外科かはわからないが、C医師以外にも同じ科の外科医はいたと思うが、今いるだけの人員で少女と急患と二つの手術ができる目途が立たなければ、緊急手術の必要そうな急患は受けるべきではない。だからこれはC医師というよりも病院の体制の問題ではないか。すぐにVIPの治療をするようにという何かの圧力でも働いたのだろうか?あるいは、急患を受けてもいいかどうか打診されたC医師が、軽くOKしたのだろうか?しかしそのことまでには触れられていないので、掘り下げが足りない。
坂元脚本には期待しているんだから、もうちょっと何とかしてほしかったなあ。(-_-;)
そして今後は、悠日の兄のこと、何かを隠しているような署長のこと、どうやら星砂に初恋をしてしまったような鈴之介のこと、星砂の買い物依存症&健忘症?のこと、渚に惹かれた琉夏のこと、田中裕子のこと、鈴之介が猟奇的事件の犯人かと気にしている隣人(安田顕)など、伏線がたくさんあるのをどう回収していくのか興味がある。
でもこういうもうちょっとのリアルを求める突っ込みたがりもいるのだよ。(;^ω^)