今月映画館で見た映画。

・ツユクサ

・シン・ウルトラマン

・大河への道

・流浪の月

そして、多分「ハケンアニメ」か「20歳のソウル」を今月中に。「犬王」にも興味がある。

 

ツユクサについてはGWのブログで少し触れた。いろいろ辛いことがあっても頑張って生きてきた中高年の大人に、こんな小さな幸せが思いがけなくも訪れてもいいじゃない、という大人向けのファンタジーだった。ちょっとほっこりした。(o^―^o)

 

 

シン・ウルトラマンは、見終わってからちょっと「なんだかなあ」と思った。なんだろう。監督2名と、キャストやスタッフたちが、懸命に愛をもって制作したのはわかるけど。これは、特撮大好き・ウルトラマン大好き・怪獣大好きな人たちに比べ、自分がそれほどそれらに愛情を持っていないから、置いてきぼりにされたような気がするのだろうか。しかし、見終わって日が経ってから、ジワジワと来るのだった。きっと一回でなく何回も見ると、見るたびに新しい気づきがあるのだろう。

そして、昔の「ちゃちい」でもだからこそ「愛しい」特撮には比べ物にならないくらいに精巧で美しい今の特撮、確かに素晴らしかった。映画の初盤には、昔の「ウルトラQ」のオープニングのような、水面に乗った多色の絵の具が動き絡まってシン・ウルトラマンと文字をつくる様子が映った。そのように、あちこちに旧作群へのオマージュを感じさせる場面があった。出てくる怪獣(禍威獣)にも昔見た感じのが何種類も出たし。(←ここが詳しく覚えてる人とは違う点(^^;))

しかし本作の肝は、キャッチコピーにもあるように、「友情」とかヒューマンな部分だったような気がする。私には。(^^;)メインのキャストたちは、昔のような同じつなぎの隊服を着てヘルメットをかぶった特捜隊(?)ではなく、あちこちから出向してきた秀才たちなのだ。彼らが自分のもてる能力を出し協力し合って、禍威獣への対処法をみつけ、自衛隊などと協同で禍威獣を追い払う。そう、追い払う。ウルトラマンの戦い方も、単に禍威獣を倒すのではなく、そのままどこか遠くへ連れ去るなど、地球(日本)にやさしい。(「怪獣たちの後始末」が楽になる)(^-^;

足の長いすらっとした3分タイマーのないシン・ウルトラマンが、掌で禍威獣の放つ光線を押し戻しながらじりじりと距離を詰める様など、この作品はやはり新しい(シン)特撮世界のものなのだなあと思った。

 

 

大河への道の大河とは、なんと大河ドラマのことだった。(@_@)

これは原作が立川志の輔さんの創作落語で、千葉県香取市を観光で盛り立てるために、郷土の誇る偉人伊能忠敬(親しみをこめてチューケイさんと呼ばれているらしい)を主人公とした大河ドラマの制作をNHKに提案しようとするお話。そのためにドラマのあらすじを脚本家(橋爪功)に書いてもらおうと総務課の中井貴一が依頼するが、脚本家が詳しく調べたところ、本格的な日本地図(大日本沿海輿地全図)完成の3年も前に、ご高齢だったチューケイさんは亡くなっていた。しかし地図の完成はチューケイさんが将軍に約束していたものだったのに、その作成にかなりの費用がかかることから、彼の死去が反対派に知られたら、地図プロジェクトは途中で取りやめにされてしまう可能性が高かった。そのためあくまでも彼の死去については伏せて、(その隠し方がてんやわんやで可笑しい(;^ω^))できるだけ早く正確に地図を仕上げようと残りのものたちで頑張ったのだった。

映画では、現在の香取市役所の面々(キャスト)がそのまま江戸時代の地図製作者たちを演じ、江戸と現在のシーンが交互に映されるが、それが無理なくスムーズであった。そして、危機一髪というところで、上様に、完成した全図をご献上することができた。そのときの、上様(草刈正雄)と中井貴一のやりとりは素晴らしく、じわりと胸に来るものがあった。

(のちにその地図を見たペリー提督が、日本人の知性に感心し、あわよくば征服しようという考えを捨てたという説もある。)

結局大河ドラマにはならなかったが、戦国時代や幕末動乱期のような派手さはなくても、こんな庶民のいい話を時代劇で見るのは私は結構好きである。

 

 

おまけに、「犬王」(平家物語にあるエピソードから作った物語らしい。)

そそられるなあ。